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☆助けたい

・基本的には「内戦」

変な夢を見た。ウクライナを支援するために、日本から人工衛星経由でドローンを操りロシアの戦車を破壊するのだが、ロシアによって操縦者が特定され、日本の自宅がロシアからのミサイル攻撃を受けるというものだ。大迷惑をかけたことで、私は世間から爪弾きにされた。恐い夢だった。

こんな夢は、おそらくウクライナに民兵として志願した多くの元自衛官たちの行為によって、ロシアに日本攻撃の口実を与えるとの専門家の記事を読んだためかと思う。

毎日、ウクライナの悲惨な状況が報道されていることで、多くの芸術家、学者、文化人、一般人、企業などが、支援に動いている。

ウクライナ出身の銀座のロシア食品店店主は日経新聞のビデオ取材に、「なぜこうなってしまったのか理解できない。ベラルーシにしてもウクライナにしても、ロシアにしてもウズベキスタンにしても、みんな一緒のように考えている。違う国だとは考えたことはない」と、述べている。
参照：ウクライナ出身、銀座のロシア食品店店主の思い

1970年代の終りに、私は日本の大学教授の紹介で、モスクワ大学のロシア文学の教授を尋ねたことがある。その時には、オーストラリアの大学講師の紹介で、当時のレニングラード工科大学の学生にレニングラード（サンクトペテルブルク）を案内して貰った。学食で食事をし、学生寮にも一泊させて貰った。みんなすごくいい人たちだった。

その後は、ウクライナ（地方）のキーエフ、オデッサ、クリミア半島のヤルタと観光し、モスクワに戻ってからソ連を離れた。

当時のソ連は部分的に行動制限されていた。レニングラードからキーエフに飛行機で着くと、タラップの下で旅行会社インツーリストのガイドが待ってくれている。彼女たちがタクシーに案内してくれて、私がホテルに無事に着くかを確認する。

ホテルの各階にはコンシュルジュが座っていて、旅行者たちの問いに答えてくれる。これらはすべて監視なのだが、見方を変えれば、このようなＶＩＰ対応を受けたのはソ連でだけだった。もっとも、学生寮に一泊させて貰ったように、ホテルに泊まらずに外泊することはできた。

キーエフ、オデッサ、ヤルタでも、人はみんな親切だった。

ヤルタでは大晦日の晩を過ごすことになった。ディナー時のレストランは華やいでいて、いつものように１人で食事するのが寂しかった。また、特にそう感じるようなテーブル席だった。

そこで、ウエイターの若い男性に、「大晦日にあんな席で１人食事をするのは寂しすぎる。誰か同席してくれる人がいないか探してくれ」と頼んだ。彼が案内してくれたのは、彼の友人で、その日の結婚式の披露宴の二次会をしているという若い男女３組のテーブルだった。彼らは、花嫁の隣の席を私に与えてくれた。

楽しかったのを覚えている。度を越してウォッカを飲んだことも覚えている。そして、テーブルに突っ伏して戻したことも。

親切にされて、嬉しくて、調子に乗って、度を越して、大迷惑をかけたのに、少なくとも目の前では誰も怒らなかった。ウエイターの若い男性が私に肩を貸して部屋まで連れて行ってくれた。私が記憶する最も楽しく、最も恥ずかしいエピソードの１つだ。

こうしたロシアとウクライナが殺し合っている。私は、基本的には「内戦」だと見ている。残念でならない。

ベトナムやイラク、シリア、アフガニスタンなどで繰り返されたことが、ここでも起きている。ベネズエラでも、米国が担ぎ上げたグアイドに、ゼレンスキーほどの能力があれば、より深刻な「内戦」になっていた可能性が高い。

一説によれば、ゼレンスキーのスピーチは超一流の典型だという。実際に、プーチンを煽って一線を踏み越えさせ、諸外国に武器支援を確約させ、ロシアを「世界の敵」として認知させた。もしかすると、プーチンをロシア人の敵としても。とはいえ、ＮＡＴＯに援軍に来て貰うことは叶わなかった。なぜか？

・ロシアとウクライナの戦いの「真実」

ロシアとウクライナの戦いと言えば、2016年の米国の大統領選で、民主党候補のヒラリー・クリントンが、共和党候補のドナルド・トランプは「ロシアから選挙協力」を受け、世論操作をしていると非難していたのをご記憶だろうか？

一方のトランプは、副大統領候補の息子ハンター・バイデンが、2014年２月にウクライナに親米政権が誕生した直後の４月に、ウクライナのガス会社の役員に就いたとして、副大統領の息子が外国企業の役員になるのは国益に反すると問題視した。

つまり、一方がロシアに通じているとされ、他方がウクライナに通じているとして、非難合戦となったのだ。

ハンター・バイデンがウクライナのガス会社の役員に就いたことは事実のようで、父親のジョー・バイデンは、政治家でもない息子が民間企業に勤めることは何の問題もないと一蹴した。

しかし、このことの確認のために、ハンター・バイデンを検索したら、非常に興味深い記事に出会った。以下に部分的だがそのまま引用する。

（引用ここから、ＵＲＬまで）

◆ウクライナ憲法に「ＮＡＴＯ加盟」を努力目標に入れさせたのはバイデン

バイデンは副大統領の期間（2009年１月20日～2017年１月20日）に、６回もウクライナを訪問している。

訪問するたびに息子のハンター・バイデンを伴い、ハンター・バイデンは2014年４月にウクライナ最大手の天然ガス会社ブリスマ・ホールディングスの取締役に就任した。この詳細は多くのウェブサイトに書いてあるが、最も参考になるのは拓殖大学海外事情研究所の名越健郎教授がまとめた＜｢次男は月収500万円｣バイデン父子がウクライナから破格報酬を引き出せたワケ安倍政権の対ロシア外交を妨害も＞だ。これは実によくまとめてあるので、是非とも一読をお勧めしたい。

しかし、これらの情報のどこにも書いてないのが、バイデンが副大統領として活躍している間に、意のままに動かせたポロシェンコ大統領（2014年６月７日～2019年５月20日）を操って、ウクライナ憲法に「ＮＡＴＯ加盟」を努力義務とすることを入れさせたことだ。

私はむしろ、この事実に注目したい。その経緯の概略を示すと以下のようになる。

●2017年６月８日、「ＮＡＴＯ加盟を優先事項にする」という法律を制定させた。

●2018年９月20日、「ＮＡＴＯとＥＵ加盟をウクライナ首相の努力目標とする」旨の憲法改正法案を憲法裁判所に提出した。

●2018年11月22日に憲法裁判所から改正法案に関する許可が出て。

●2019年２月７日に、ウクライナ憲法116条に「ＮＡＴＯとＥＵに加盟する努力目標を実施する義務がウクライナ首相にある」という趣旨の条文が追加された。

（後半の３項目に関してはこちらを参照。）

プーチンのウクライナに関する警戒は、こうして強まっていったのである。

◆ハンター・バイデンのスキャンダルを訴追する検事総長を解任させた

なぜ、この憲法改正にバイデンが関係しているかを証拠づける、恐るべきスキャンダルがウクライナで進行していた。

バイデン副大統領の息子ハンター・バイデンが取締役を務めるブリスマ・ホールディングスは脱税など多くの不正疑惑を抱いたウクライナの検察当局の捜査対象となっていた。

しかし2015年、バイデンはポロシェンコに対して、同社を捜査していたショーキン検事総長の解任を要求。バイデンはポロシェンコに「解任しないなら、ウクライナへの10億ドルの融資を撤回するぞ！」と迫って脅迫し、検事総長解任に成功した。その結果融資は実行された。

このことは検事総長が、解任されたあとにメディアに告発したと名越教授は書いている。

ウクライナの検事総長を解任する犯罪的行為を操れる力まで持っていたバイデンは、ウクライナに憲法改正を迫ることなど、余裕でできたものと判断される。

今般、ウクライナを焚きつけて騒動を起こさせた理由の一つに「息子ハンター・バイデンのスキャンダルを揉み消す狙いがあった」という情報を複数の筋から得ている。

参照：バイデンに利用され捨てられたウクライナの悲痛

私はこのコラムの作者、遠藤誉、中国問題グローバル研究所所長、筑波大学名誉教授、理学博士の書くものは最も信頼性が高いと見なしている。ここまで書いて大丈夫かと、知己でもないのに身を案じることもあるくらいだ。上記のコラムも是非、読んで頂きたい。

ハンター・バイデンの検索から、同氏のコラムに出会えるとは意外だった。

「プーチンのウクライナに関する警戒は、こうして強まっていった」のは、ここ何年かベラルーシのルカシェンコ大統領の腐敗が取り沙汰されているためでもある。

ウクライナの武装デモで親米政権が設立する前には、当時の親ロ政権ヤヌコーヴィチ大統領の腐敗がさかんに取り沙汰されていた。イラク、シリア、アフガニスタンでも、内戦ぼっ発や米軍の侵攻前に時の政権の腐敗キャンペーンが繰り返されたこと鑑みれば、次はベラルーシ、その次はロシア連邦と連想するのは自然だ。

ともあれ、一方がロシアに通じているとされ、他方がウクライナに通じているとされた2016年の非難合戦の、バイデン・ウクライナ疑惑の方は事実だと見なしていいだろう。

ところが、トランプ・ロシア疑惑は嘘だったことが判明している。それどころか、ヒラリー陣営は、トランプに対する違法な盗聴を繰り返していたことも判明している。

参照：A Strange Defense of Spying on Trump

このことで、トランプは先日、ヒラリーとその選挙陣営の告訴に踏み切った。これは今年の11月８日に控えた中間選挙に向けてのタイミングだと思われる。

参照：Donald Trump sues Hillary Clinton and allies over Russia claims

問題児としか思えないトランプが、今でも根強い支持を受けている背景には、表向きの顔と裏の顔が余りにも違う米エスタブリッシュメントへの、米国人の反感の強さを示唆している。トランプ陣営に負けず劣らず、クリントン・バイデン陣営もフェイクニュースをまき散らしてきたのだ。

また、プーチンに負けず劣らず、バイデンは今もフェイクニュースをまき散らしている。

ドイツはロシアと共同で、巨額の費用をかけて完成させたノルドストリーム２を、運営直前にして廃棄することになった。安価で安定した天然ガスの供給確保が夢物語となった。2011年から稼働しているノルドストリーム１もどうなるか分からない。

とはいえ、幸いなことに（？）2016年以降、米国が天然ガスの輸出を急拡大しているので、安価であることは望めないまでも、供給が途絶えることはなさそうだ。実際、米国はＥＵ向けに今年150億立方メートルの天然ガスを供給すると述べた。
参照図01：米国の天然ガス輸出推移（出所：ウォールストリート・ジャーナル）

中国石油化工（シノペック）グループも、ロシアとの大規模な石油化学投資とガス販売事業に関する協議を打ち切ったようだ。ここもシベリアからの２ルートを通じて、安価で安定した天然ガスの供給確保を考えていたのだが、安価であることは望めないまでも、米国に依存すればいい。

日本もフランスと共に、ロシア北極圏での液化天然ガス開発事業「アークティックＬＮＧ２」への新規投資を凍結している。ロシアへの経済制裁により金融機関から送金できなくなったためだ。とはいえ、天然ガスでも原油でも、安価であることは望めないまでも、米国依存を深めればいい。

ロシアとウクライナの戦いで確実になったことが１つある。このように世界の米国依存が天然ガスや軍事力を中心に、かってないほどに高まったことだ。その意味では、バイデンは米国にとって偉大な大統領だと言えるかも知れない。

バイデン副大統領の度重なるウクライナ訪問。キーエフの武装デモ、親米政権設立、クリミアを口実のロシア制裁、ハンター・バイデンのガス会社役員就任、米の天然ガス輸出の拡大、ウクライナ憲法116条「ＮＡＴＯとＥＵに加盟する努力目標」、ゼレンスキーのプーチン挑発、プーチンの分別をなくした侵攻、日欧中のロシアとの天然ガス共同事業のとん挫。米国への過度とも言える依存。すべてが筋書き通りに進んでいる。

国盗り物語戦略ゲームに例えるなら、バイデンは調略や扇動、恫喝で得るものを得た。もはやロシアと同じ土俵で戦う必要はない。ゼレンスキーのスピーチが超一流の典型だろうと、それを利用したのはバイデンで、ＮＡＴＯの参戦は元々筋書きにはないのだ。

・ウクライナへの支援

夢の続きだ。
「あなた泣いてるの？」
「泣きもするさ。何人死んでると思う？」

ゼレンスキーが訴えている支援は、基本的に軍事支援だ。ロシア軍をこれまでに何人殺した、武器をもっと寄越せと要求している。ドローンや対戦車ミサイルは非常に「効果的」で、各所でロシア軍を追い詰めている。

ロシアのミサイルは使えば減る。戦車や航空機、ヘリコプターは破壊されれば減る。一方で、ウクライナの武器供給には際限がない。ロシアは世界と戦っているのだ。ロシアに勝ち目はない。

負けないためには核兵器に頼るしかないが、米国はそこまではさせないために、ウクライナのＮＡＴＯ入りを止めさせて、停戦に持ち込むのが筋書きか？　「ロシアに仲間が現れない限り」、経済制裁でロシアは衰退して行くのだから。減った武器を補充する資金もない。

もっとも、ウクライナの人的被害は、こちらはロシアと同じで補充が効かない。ウクライナを助けようとする軍事支援は、スラブ人たちの人的被害を大きく拡大させている。ウクライナを助けるはずの支援が、ウクライナ人たちをも殺しているのだ。

戦争だから仕方がない。負ければ終わりなのだから、戦うしかない。武器がないと負けるので、支援が必要だ。本当にそうなのか？

詐欺の多くは、欲張った被害者自身を攻めるようにも仕組まれていて、罪深い。オレオレ詐欺も、身内を助けるために密かに手を回そうとした被害者に罪の意識を植え付ける。どうして、断固として真実を話せと言えなかったのかと。

一方で、寄付や支援における詐欺は、純粋な善意の悪用だ。助けたいとした善意が、どこかで違うように使われてしまう。

プーチンは悪魔だ。懲らしめねばならない。ウクライナ人が戦っているので、支援しなければならない。

しかし、そうした寄付金で、全部だとは言わないが武器が買われ、軍需産業が成長産業となり、また、新たな武器の使用先を求めるようになる。世界中が多くの紛争国のように、食べ物もエネルギーもないところに、武器だけが溢れるようになる。

ウクライナのように困っている国は他にもある。３月23日に国際連合が受け取った飢餓状態にいるイエメンへの支援金は、計画の42億7000万ドルに対して、13億ドルだけだった。昨年には23億ドルの支援金が得られていた。

また、こちらも多くの人々が飢餓状態にいるアフガニスタンは、ロシアがされているように自身の中央銀行の資金も制裁で使えずにいる。それどころか、先日バイデンは没収に署名した。

タリバンが検討するとしていた女子への教育を棚上げしたことがニュースとして流れたが、もしかすると、「資金不足が理由」かも知れないことはどのメディアも触れていない。衣食足りて礼節を知ると言うが、アフガニスタンの現状は食料がないのだ。

ウクライナへの支援は、気を付けて監視していないと、軍需産業へ流れる可能性がある資金だ。しかし、それでも助けたいとする人々には、別の方法がある。

ウクライナのエアビーアンドビーに予約が増えているという。予約者はきっちりと宿泊費を全額払い込む。しかし、キャンセルもせずに泊まらない。ここで払った宿泊費は、おそらく武器購入には使われない。このような方法は他にいくつもあるだろう。

私は、お世話になったロシアの知人たちとは、40年以上も連絡をとっていない。簡単には連絡が取れない時代が続き、そのままになった。しかし、ウクライナには、オンラインを通じて仕事関係の知人ができた。まだ、連絡は取れている。無事でいる間に、戦争が終わることを切に願っている。

助けたいが何もできない。今、自分に出来ることを精一杯やるだけだ。生きていて欲しい。

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