出会いたい本 「星に降る雪/修道院」池澤夏樹 | 出会いたい本

出会いたい本 「星に降る雪/修道院」池澤夏樹


出会い系


――これを見るために、おれの眼はある。死と生、愛と憎悪の葛藤のなか、生き延びるために遺された者が自ら選んだ超越体験。この世ならぬものを心に想った二人の男が、二つの星をめざした短篇集。「星に降る雪」岐阜。かつて雪山で起こったあの事件。記憶を封印するかのように、田村は、山奥の観測所にこもり働いている。ある日、亡くなった親友の恋人が訪れ、二人は山に登る。あの時、何があったのか。記憶は、白い闇だ――  初出「考える人」2006年春・夏号「修道院」クレタ。ふらりと島に現れ、村に住みついた石工。彼は、修道院の修復をしながら、寡黙で質素な生活を送るが、ふとした折に告白する。自分は魂に重い荷を背負っている、と。その夏の日曜の午後、馬車に乗った都会の女が村に現れ―― 


池澤夏樹(いけざわ・なつき)
959年大阪生まれ。京都大学経済学部卒。1996年『ISOLA』で第3回日本ホラー小説大賞長編賞佳作となる。翌年『黒い家』で第4回日本ホラー1945年北海道生まれ。小説に、『スティル・ライフ』『南の島のティオ』『マシアス・ギリの失脚』『花を運ぶ妹』『すばらしい新世界』『静かな大地』『キップをなくして』など。ノンフィクションに、『母なる自然のおっぱい』『楽しい週末』『ハワイイ紀行』『言葉の流星群』『イラクの小さな橋を渡って』など。