前々回でふれたLoversについてである。
実は、それまでに、出合い系サイトで4人ほどあったのであるが、1人を除き長く続かず、その1人も半年以上にわたりあっていなかった。
簡潔にいえば、うまく行っていなかっただのだ。
そのことを冷静に省みたとき、俺にはなにかが決定的に欠けていると感じた。そして、女性とのコミュニケーションの大切さを実感し、自分を変えていこうと決心をし、勉強した。
次は当然に、再度女性とのコミュニケーションの実践だ。
ただし、また出合い系サイトで実践をはじめることには、少しためらいがあった。そんなとき、出会い部屋のLoversがあることを知り、足を運ぶことにした。
Loversは風俗といえるのかいえないのか、実に微妙な領域に位置している。ホームページなどでは素人同士の出会いお部屋として紹介されてはいるが、実際はほとんどがアルバイトの女性である。
俺は、女性との会話を磨くためのコミュニケーションの場としてLoversを利用することにした。また、この時点では生活環境の異なる若い女性と上手に会話する自信がなかったので、既婚者が集まるMadam Lovers、つまりLovers本店(巣鴨店)を修行の場として選択することにした。
既婚者のほうが生活感覚の面で理解しやすいと思ったからだ。俺も既婚者である。
仕事が早く終わり、Loversに勇んではじめて立ち寄った日などは、心臓がどきどきしたものであった。まずは入会手続きをすませ、聞き取りシートへ記入して個室へ通される。そこで、女性が訪れるのを待つ。
待ちながら、もう一度自分で事前に決めていた心がけをチェックした。
・会話を目的とする
・紳士として対応する
・身綺麗にしていく
以上の3点である。
ところで、昼のLoversの女性は、本来ならばアルバイトで来るような女性達ではないものが多い。実は、彼女達の多くは、離婚、別居、子供の養育、夫婦のコミュニケーション不足からくる寂しさ、経済的な問題などを抱えている。生活のためにやむをえず、風俗ではないがわりのよいアルバイトとしてきている女性達が少なくないのである。
それだけに彼女達は、数多くの男性とその裏にある心までを見抜いている。
彼女達数人から聞いた話ではあるが、Loversに来る男性には、けっこう失礼な男性も少なくないらしい。他の風俗と勘違いをして、金を払っているのだから何をやってもいいだろうという姿勢で対するものもいると聞いた。
同じ男として、とても情けなく思う。
したがって、彼女達にはそのような失礼な男性から身を守る方法が必要になる。たとえば、Loversでは女性の座り方に、皆一様に特徴がある。ひざを斜めに揃え、両手をそろえてその上におく。一見、とてもしとやかに見える姿勢であるのだが、実はこれ、彼女達が自分をガードする姿勢なのだ。
反対に、俺としてはこのガードを少しずつ解いていく過程が、コミュニケーション能力の強化向上そのままになる。自分を試されるのである。
俺がLoversへ行く目的が明確であったこともあるが、当初からLoversの女性達との会話を楽しむことができた。そして、数人からは自信とアドバイスをもらった。
「とても紳士であり、会話も豊富なで問題ないから自信を持ちなさい」、と。
何よりも勇気付けられる言葉だった。また、ルックスなど、見た目はいくらでもカバーできることも彼女達から教えてもらった。
俺は禿げである。思い切って3分刈の頭にし、月に二回散発しているが、俺に少し残っていた自身への禿げコンプレックスもLoversで消えた。
Loversでは毎回、3・4時間は過ごし、一回で3・4人の女性達と話をした。けっきょく、都合3回ほど通ったのであるが、そのたび、もう帰宅時は頭を使いすぎてふらふらであった。
なかにはMadam Loversでもっとも難しい女性とも3時間近くを過ごし、店側を驚かせたこともあった。彼女はミッション系の中高一貫教育を受け、大学を出たお嬢様である。しかし、それを隠していたらしい。俺は、服装・会話からすぐに芸術系であると直感したので、その前提をもとに彼女との話を組み立てていった。彼女も繰り出される話の内容に驚いていた。まあ、これは自慢だね。(笑)
いずれにせよ、このようにして通うごとに女性との会話を磨き、大きな自信をもらって帰ってきた。
そして、この経験を出合い系サイトで生かし、彼女やパートナーを見つけることができた。
お相手いただいたLoversの女性達には本当に感謝している。