星石の不思議

神社や寺院を巡っていると、安置されている岩石に穴が開いているものをよく目にする。素人の人に、「この穴は誰が開けた穴か分かりますか？」と質問すると皆さんキョトンとして不思議そうな顔をする。皆さん信じられないといった顔を一様にされるが、これは「イシマテ貝」と呼ばれる貝の仕業である。この「イシマテ貝」は現在でも海岸近くの岩場に棲んでいて小さな穴を開けてそこに暮らしている。太古の昔から「イシマテ貝」が棲んでいた証拠が「星石」なのである。

「星石」を活用した神社の手水鉢

なぜ「星石」と呼ばれたのか

この難問を解くカギは高松塚古墳の天井に描かれた「天体図」だろうと思われる。古代の人々は岩石に開いた小さな点々を恐らく「星」と見たのではないだろうか。地上から見つめる夜空の星々は確かに点のようにしか見えない。

高松塚古墳の天体図は確かに星が「点」で表されている

昔の縄文時代の遺跡に山積みにされている岩石の中にも「星石」の姿がある

古代の人々は七夕の日にこの場所で「星まつり」をやっていたのかも知れない。

星石と星まつり