金狼伝【記事一部更新】 | Market Cafe Revival (Since 1998)

Market Cafe Revival (Since 1998)

四つの単語でできた言葉の中で、最も高くつくものは「今度ばかりは違う」である(This time is different.)。

米ゴールドマン最高益、4~6月、攻めの投資リスク裏腹、先行きは楽観できず。(2009/07/16 日本経済新聞 朝刊 7ページ)


> 米金融大手ゴールドマン・サックスが14日発表した4~6月期決算は事前予想を大幅に上回り、過去最高益を記録した。ただ米景気の低迷長期化の予想もある中、今後も高収益を維持できるかどうかは疑問符が付く。


> 収入から金利コストを引いた純営業収益は137億ドル(約1兆3,000億円)と過去最高。8割弱を稼いだのが、市場での金融商品のトレーディングや自己資金を使った投資収益だ。株や債券など金融市場の変動を収益機会としてとらえた。


> 市場が逆に動けば損失を被る危険もあった。一日に発生する可能性のある最大損失額は2億4,500万ドルと、最終利益がほぼ同水準だった2007年9~11月期の1.6倍。思い切ってリスクをとったことが分かる。一方、投資銀行の伝統的な業務であるM&A(合併・買収)助言などの手数料収入は低調だった。


> ゴールドマンは巧みなリスク管理と市場の読みで最高益を達成したものの、先行きは楽観できない。このまま自己投資を中心とした高リスク経営を続けるのか。同社が今後どのような事業に軸足を置くかに注目が集まる。 (ニューヨーク=財満大介)


☆ 記事を一読すると,GSの好決算の背景に自己売買(ディーラー)部門の活躍があったという内容だ。これはゴールドマンのシステム売買が非常に良く出来た物で,NYSEのシステム売買の4割以上を占めているというデータもあるらしい。


☆ ところが,日経CNBC「ラップトゥデイ」などの報道によると,この自己売買システムの内容が外部に不正に漏れたため(エンジニアが悪意をもって流出させたらしい),GSはご自慢のシステム売買を封印せざるを得ない状態になったかの噂があるそうだ。これが本当のことであれば,ある程度の期間ゴールドマンのディらーの活動は押さえられることになるかもしれない。次の四半期はその影響は避けられないのかもしれない。


【追記】

☆ 最後に書いた自己売買システムの件,今週号の日経ヴェリタス71面に載っているのであらましを記すと。。。


(1) ゴールドマンの元従業員(プログラマー)が自己勘定取引用のソフトを不正に持ち出したとして逮捕された。

(2) 検察側は「流出したプログラムが不正な市場捜査に利用される」として,一時この容疑者の保釈を差し止めにした。

(3) このため海外メディア等では「GS自身がそのプログラム売買で相場操縦をすることが可能だったのではないか」という観測報道が流れた。

(4) これは結果的に憶測であり,容疑者はその後保釈され,プログラム自体も海外のサーバーに「眠っている」という。

(5) ただトレーディングシステムが流出すれば,実害が発生しかねない状況なので


→(上記本文の)GSの自己売買シェアが(一時的に封印され)急低下しているらしい。