詩の力 (新潮文庫)/吉本 隆明
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 あけましておめでとうございます。さっそく元旦に読んだのが新潮文庫「詩の力」である。糸井重里事務所の「吉本隆明の五十度の講演」がほしくてたまらないのだが、値段が5万円ということもあって2~3ヶ月の本代を貯めればなんとか買えると考えている。ところが本代をすべて貯めるなど1ヶ月も我慢できるわけはなく、さらに数量限定ゆえに待ってはくれない。苦しいローン選択を迫られるなかで「詩の力」でその高額本購入の苦悩を少しでもやわらげたいと読んでいる。この文庫で違和感を感じたならば、断念ということもあったが、それどころかますます五十度の講演への思いがつのるばかりだ。思想の巨人の現代詩鑑賞ノートといったところなのだが、驚くことに谷川俊太郎から宇多田ヒカルまで、84歳とは思えぬそのフットワークと若い感性への飽くなき批評眼はさすがである。五十度の講演を含め、私は今年は吉本隆明にいまさらながら注目する。