シャドウ
道尾 秀介
道尾秀介「シャドウ」を読む。この時期に読むミステリーはぎりぎりで年末のこのミス大賞、文春ミステリーにランクする。意外といい作品あるのに出版された時期が悪くて読み過ごされる場合がよくある。書店員も読者も気持ちはすでに年末の大賞にいってしまっているからしょうがない。
しかし、このすき間に読んだ道尾秀介は今年になって頭角をあらわした超新星のミステリー作家だった。デビュー作の「背の眼」からうちの課長は目を付けていた作家で、借りて読んだ。巧みな構成でぐいぐい読ませるストーリーはすでに新人離れしていると思った。「シャドウ」は最後にやられた。
 新人作家の作品を育てたら随一の版元東京創元社のミステリフロンティア。過去に伊坂幸太郎、米澤穂信、小路幸也らの知名度を上げた。今年は道尾秀介がミステリー作家新人賞と決めたい。