売れている新書に新規参入してくる出版社が増えてきている。今月、ソフトバンク新書が創刊になった。創刊のラインナップを見るとその出版社の新書にかける意気込みとお抱えのライター、そして新書での目指しているポジションがある程度わかる。


以下の6点がソフトバンク新書創刊ラインナップ。


「なぜモチベーションが上がらないのか」児玉光雄
「宗教としてのバブル」島田裕巳
「編集長を出せ」岡留安則
「人と動物と分かりあう」畑正憲
「機長が語るヒューマンエラーの真実」杉江弘
「適当論」高田純次


 もともとソフトバンクパブリッシングはビジネスやパソコン関連書を中心に出版していた。ライバルのライブドアパブリッシングの衰退するなかで、ここぞとばかり攻勢に転じている。この業界に限らず、つい先日もボーダフォン買収など孫正義のソフトバンクは大きな動きを見せている。
 出版業界では歴史の浅いソフトバンクパブリッシングがノウハウをもたない新書に参入するのは、それだけ世間のニーズがあり、それにいち早く反応していることになる。このあたりのスピードの速さはソフトバンクは群を抜いている。


 創刊の著者陣もバラエティに富んでいる。その中でも高田純次「適当論」が新鮮さを感じる。
タレント高田純次の新書。新書のこれまでの慣習にはなかった芸能人のサブカルチャー新書。新書にはある程度の教養や情報を必要される。普通のサブカル本の新書にするには内容があまりにもお粗末になるので、精神科医の和田秀樹との対談、発言の分析、和田秀樹の高田純次論、そして高田純次の独白という4部構成のなっている。

高田純次の生態を和田秀樹が分析した和田秀樹の本ともいえる。高田純次の適当ぶりは頻繁に見受けられて面白い。高田純次という得たいのしれにない生き物の解体新書である。

高田 純次
適当論