活字中毒だと眼を覚まし、起きている間、あらゆる場面で目に映る活字に対して過剰に反応してしまう。
特に、ふと一息ついたときや活字を読もうという意識が完全にないときは自然と活字が目に飛び込んでくる気がする。しかもその文字が予想外にうまいしゃれであったり、メッセージであったりすると、なぜか得をした気分になる。
先日も銭湯に行って、ふと壁についてあったポスターに目がいった。
「銭湯すたれば、人情もすたる」(田村隆一)
という詩が書かれてあった。何十年前のとても古びたポスターなのに、今でも張り続けている。この詩にのせた銭湯のオヤジさんの人情とセンスが気に入った。これからも銭湯いったら、この詩をもっとかみしめたい。
スーパー銭湯にはマネできない芸当だ。いやITや電子マネーだとかいわれているけど、結局最後は人と人。そこにはやっぱり人情があるんだ。