鈴木敏文の「統計心理学」―「仮説」と「検証」で顧客のこころを掴む
勝見 明
現在、セブン&アイホールディングス会長・鈴木敏文氏の「統計心理学」を読んで売り場作りのヒットを探したそうと読んだが、とんでもない驚愕の事実にでくわした。

 なんと鈴木氏は取次のトーハンに7年勤務し、その後にイトーヨーカ堂に転職した。鈴木氏はもとはこの出版業界に関わっていた人物だったのだ。それもトーハン在籍中に「新刊ニュース」、当時ほとんど読まれず5000部しか発行されなかったPR誌を、自らの書評と作家のインタビューなどを取り入れて13万部のPR誌に育てた。
 鈴木氏が転職せずトーハンに残っていたら、この業界もかなり変わっていたことでしょう。しかし、逆に考えてみれば、鈴木氏の手におえないほど硬直化した業界だったので見切りをつけられたかもしれない。
偉大な経営者の原点がトーハンにあったのだ。統計学の基礎もトーハンのデータ解析で学んでいたのだ。
低迷の打破や改革のアイディアは、他業種、他分野に隠されているのだと教えられた。