地上最強への道―大山カラテもし戦わば
大山 倍達(ちくま文庫)
  極真空手の創始者・大山倍達。もともと読書好きの少年が戦争によってすべてを失った。彼に残ったものは9歳からはじめた空手だった。大山は生きるために戦い続けた。ある時は黒人アメリカ兵と、またある時は猛獣と。空手一筋・大山の命がけの戦いが、人間の限界を超えた数々の伝説を生んだ。その血みどろの修行はまさに己自身との戦いだった。後年、大山は世界中で空手の普及に努めた。

気合いが入った部分(本文引用)

「私が歩んできた道を振り返ってみると、どの仕合においても、またどのケンカにおいても、心の余裕などなかったし、いつも恐怖におののいていた。しかし、その怖さを、勇猛心をふるい立たせることによって、乗り越えることができた。

 人間は、この世で金を失うということは、たいしたことではないと思う。しかし信用を失うことは、人間にとって非常に大きな損失であり、さらに勇気を失うことは、人生において、すべてを失うことと同じである」