本がベストセラーになると、その後の出版傾向がお決まりのパターンになることが多い。


まず、これでもかというくらいに類似本があふれる。

最近では「さおだけ屋はなぜ潰れないか」の類似本で「潰れないのはさおだけ屋だけじゃなかった」という新書がでている。ここまでくると類似ではなく、完全にパクリである。だけど決まって類似本は売れない。


また著者が特にビジネス書や新書の書き手の場合、ヒット作ネタで毎月のように新刊を出す。

しかも書名をずっと引っ張って使い続ける。

例えば「頭のいい人 悪い人の話し方」の樋口裕一氏は、その後出る新刊には、ことごとく「頭がいい人の受験術」や「頭のいい人の言い訳術」など「頭のいい人・・・」を使い続けている。だから、頭のいい人といえば樋口裕一という一種の記号にもなっている。頭のいい人樋口裕一。初めて聞いた人には樋口さんは頭がいい人なんだとしか理解されない。ちなみにさおだけ屋の山田真哉となる。山田さんは本業は公認会計士だけど、まったくこの新書を知らない人が聞いたら、山田さんの職業はさおだけ屋に思われる。


ベストセラー出現はまわりに相乗効果を狙ったバッタモンを増加させたり、同じ著者に偏った出版で業界に悪影響を及ぼす可能性が高い。出版社がネタに困っていることがわかる。一般の人はネタに困ったら書店にくることもあるのに、似たような本ばかり並んでいたらますます書店離れが進んでしまう。