妄想貴族
はぁ~甘酢っぺぇことしてぇ~なぁ~。
青春してぇ~
高1くれぇになりてぇ~なぁ~耳を澄ませばみてぇな恋してぇ~。
青春って終らないとわからんもんだよねぇ・・・。
おいちゃん・・もうチンゲもヒゲボーボーですねん・・・。
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山田さん:
授業中ずっと隣の席の田中くんは寝ている。
サッカー部の田中くんは部活の時と昼休み以外は、寝てばっかりだ。
テストはいつも欠点ギリギリで体育以外はからっきしな彼だけど、でもそんな田中くんを私は好きだ。
子供のようにすやすや眠る彼を見ながらノートのすみに彼の寝顔を描いてたらガタっと筆箱を落として彼は一瞬目を覚ますと反対方向を向いて寝直した。
ずっと田中くん見てたのバレちゃったかなぁとドキドキしながらわたしは、平常心なそぶりで黒板の文字を追い掛けた。
美術部の私は、放課後ノートのすみの彼の寝顔をキャンバスに写すと窓から見える授業中とは別人のボールを追いかける田中くんを眺めて、彼の寝顔に筆を入れる。
いつかこっちを見てくれてる田中くんを描ければいいのになぁ・・。
田中くん:
部活中心の学校生活で恋愛とかは出来無いけど、オレにも密かに想いを寄せる子ぐらいはいる。
隣の席の彼女の横顔を薄目でぼぉーっと見つめながら眠りに入ると、夢で彼女と会えるからいつも彼女の方を向いて眠る。
いつものように夢から覚めたオレは、うっすらまぶたを開けようとしたら彼女がこっちを見ている事に気が付いた。
ドキッと驚くと筆箱を落としてしまったオレは、何食わぬ顔で向こう側を向いて顔を隠した。
いつも見てる事ばれてたのかなぁ・・と心臓をバクバクと波打たせその日は彼女の方を見て眠れなかった。
放課後、部活中に窓から見える彼女の横顔がまたこっちを向いてくれないか、いつも以上にオレは声を出して走り回った。
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甘酢っぺぇ~自画自賛で甘酢っぺぇ~!!!!
書きながら終始にやにやしてる鏡に写る自分に目が合った時、生きてる事に申し訳なさを感じました。
はぁ~ボクより甘酸っぱいおなごはおらんかなぁ・・・。
そこいらの乙女より夢見がちな妄想貴族だからなぁ~妄想ギャルと付き合いてぇ・・・。
そんなボクと付き合った未来のきみっ!!
「遊園地の観覧車に乗ろう」と言われたときは、頂上で初キッスされる事を覚悟しとくんだねっ★