ニーチェがいい事を言っている。

 

「人間のみがこの世で苦しんでいるので、笑いを発明せざる得なかった」

チンパンジーとかもくすぐり合って笑うらしいが

頭を使って相手を笑わせる事が出来るのは人間くらいではないか。

 

生きていると辛い事が結構ある。

えっと、例えば

例えばだよ。

 

ちょっと体調悪くて

放屁したつもりがウヌコが顔を出してみたり。

調子に乗って食べ過ぎた結果

急に便意をもよおし、焦りに焦って

左手にコッペパン、右手に家の鍵を持って

家まで150メートル鬼ダッシュしたけど

玄関の上がりかまちに片足を上げた瞬間に

ウヌコに完全敗北したり。

楽しみにしていた野外フェスにて

早朝大トリのライブを見ている最中

急激に腹痛を起こすが最前列で

ライブを見ていたため人ごみにもまれ

何とかセキュリティーに拾い上げてもらうも

人ごみから抜け出した数メートル後に

耐えきれずして滝のようにウヌコを

全量放出してみたり。

 

本当にいい年した大人が

定期的にウヌコを漏らすなんて事は

なかなか結構

それなりにダメージを負うわけで。

 

俺だってスマートに生きたいよ

そして、もてたい

できればウヌコなんか漏らさず

スマートにもてたいのだ

ウヌコを漏らしている人間にも

そのような願いがあるのだ。

 

だがしかし

漏れるのだ。

なぜ漏れるか。

 

理由があるとすれば

俺が選ばれた人間だからだ。

「漏らす側」の人間としてね。

 

選ばれたのなら仕方ない。

じゃあどうするか

 

ウヌコで泣く人生か

ウヌコで笑う人生か

 

俺次第だ。

俺はウヌコと共に生き

ウヌコと笑うと決めた!

 

って言う死ぬほどくだらない話は

これくらいにして笑

 

 

こないだじいちゃんが誕生日だったの

親族で集まって家で寿司食べて

酒飲んで。

別に昔話をするような雰囲気でも無いし

「今年は何しようか?」とか展望を語るような空気では無い事は

参加している誰もが分かっている。

 

親族揃って、長生きしてきた事を祝い

じいちゃんに感謝を伝え、美味しいものを食べる。

それで完璧なんだ。

 

そんな完璧な会の最中

じいちゃんがおもむろに口を開いた

 

「今年は99歳だからきゅーきゅー車で運ばれるな」と。

じいちゃんは本当に真面目で冗談を言うような人では無い

寡黙で凛としている人。

 

そんな彼が放った「会心の一撃」

誰も笑わなかったし

ツッコミようもなく

なんとも微妙な空気が流れたような。

それでいい。

そういうもんだ。

 

「きゅーきゅー車で運ばれずに夏を越せれば、まあまあ」

確実に死期は迫っている。

本当はいつ逝ってもいいと思ってるんじゃ無いかな。

とはいえ、本能として死ぬ事への恐怖もある。

 

じいちゃんはいつも

21時に寝て3時頃に一度目がさめるそうだ。

それから2時間ほど寝られないらしい。

その2時間はどれだけ長いんだろうか。

どれだけ同じ事を脳内で巡らせたら眠りにつけるんだろうか。

どれくらい死の恐怖と対峙しているのだろうか。

戦争の体験を思い出し、先に逝った仲間たちの事を考えているのだろうか。

戦争を恨み、戦争がなかった人生を想像したりしてるのかな。

毎日毎日長い長い2時間。

 

99歳の誕生日。

親族が集まると知った日から

考えてたんじゃないかな。

長い長い2時間の中で

「何か、自分にお返しできる事があるんじゃないか」と。

嘘はつけない人だ

明るく展望を語るなんて事はできない。

それでも場を和ませるために

自分なりの「笑い」で家族を和ませたい。

そう思ったんじゃないかな

 

勝手に想像したら

その冗談は信じられないくらい

あったかくて強いものだなと思った。

たぶん、こういうのを「愛」っていうんじゃないかな。

知らんけど。

 

全然冗談言わないじいちゃんが

振り絞って言った

「99歳だからきゅーきゅー車で運ばれる」

ってギャグ。

 

全然面白く無いよ。

泣けちゃうくらい

かっこいいぜ。

 

俺は笑いが好きだ。

優しいから。

優しい笑をとれる人は

めちゃめちゃかっこよくて、強いと思う。

もちろんウヌコの話で笑をとれる人もカッコ良くて強い、はず!

では、また!ww