俺は観葉植物と暮らしている。

 

 

モンステラ   「タイゾウ」

 

パキラ「ハワイアンX」

 

 

アイビー「へろーニューワールド」

 

ガジュマル   「ガジュマルの樹」

 

学名がわからない「ボキ子」

 

一番好きな花はハイビスカスだが

なかなか冬を越させてあげられないので

最近は買わない。

 

緑が好き

花が好き

 

シンプルに癒される。

生命力を感じるしね。

 

他に理由があるとするなら

遺伝子

 

ばーちゃんは花が好きだ。

いつも庭に花を植えていた。

少し元気のない値下げ品の花を買ってきて

見事に咲かすことに喜びを感じていた。

 

ばーちゃんが歳をとり

体が少しずつ思うように動かなくなってきた

 

自分のことに余裕がなくなると

花まで気を回せない

自分の体調が一番だ

 

だから、ばーちゃんに会う時は

手土産に花を買っていった。

 

その度にばーちゃんは喜んだ。

「ダイゴは気が効くね」と

 

まーね。

自称「孫ランキング暫定一位」ですし

介護の仕事を15年くらいやってますから

これくらいは当たり前なんですが

 

人の喜ぶ顔って、見てて嬉しいじゃん。

 

俺がばーちゃんに花を送るたびに

「じいちゃんはそういうの全然ダメ。

 私がこんなに花を可愛がってるのに

 全然興味ないんだから」と。

 

確かに、じいちゃんは全く花などに興味がない。

 

そしてそのエピソードに付け加え

時折

「この人からプレゼントをもらったことないのよ。」

ってのを混ぜ込んでくる時もある。

 

そうかもしれない。

祖父母が結婚したのは、戦後間もなく。

住んでた町は焼け野原だったみたい。

生き死に。

温室育ちの俺には想像もつかないよ。

 

貴金属のプレゼント?

ちゃんちゃらおかしい

そういう時代だったかもしれない。

 

じいちゃんは寡黙だ。

その後も、もしかしたらプレゼントをする機会がなかったのかもしれない

そうだよ

ずっと働きづめだった

生きるため

多くの家族を養うために。

 

だから

普通の話だ。

「そういう時代だったんだな。

 日本のために命を削ってくれてありがとう。

 俺が平和な日本でノホホンと暮らしているのは

 先人たちのおかげです。」

と思っている。

 

 

俺は

休みになると

祖父母に会いに行く

必ず人は死ぬから。

会える時に好きな人と。

 

で昨日、じいちゃんと買い物に行ったの。

シルバーカー買うっていうから。

二人で適切なものを選んで

会計済ませて

店を出たんだけど

 

外にはガーデニングのコーナーがあって

花が陳列されている

いつも通り花を買おうとしたんだよね、俺。

 

そしたら寡黙なじいちゃんが

口を開いた

「ダイゴ。

 こらから冬にかけて咲く花って何だ?」

 

ダイゴ心の声

「???????????」

「え?おいおい」

「おいおい」

「じいちゃん。正気か?まじで言ってるのか?」

「嘘だろ?人間て そんなに美しいのか?」

 

ダイゴ

「え?なんで?そこにあるシクラメンとかいいと思うけど」

 

じいちゃん

「おばあちゃんに買っていこうと思うんだ」

 

100年近く生きてきて

おそらく

女性に花を贈ったことなんて

一度もないんじゃないかな。

 

あんなに堅物で

わがまま(に見える)なじいちゃんが

ばあちゃんを

とても大切に思い

なんとかして喜ばせようとしている

 

人間って、ずっと変わり続けるんだ。

なりたい姿に近づけるんだ。

じいちゃんがとても尊く見えた。

 

 

帰宅して

じいちゃんに

「こればあちゃんに渡してきて!」と

じいちゃんが選んだ花を渡して背中を押した。

 

影でこっそりカメラを回すダイゴ

だって、歴史的瞬間だよ。

 

じいちゃん

「帰ってきたよ。これ買ってきたから カモン」

休んでいるばーちゃんに声をかけるじいちゃん。

 

聞いたことのないような、優しい声。

そして驚きの「カモン」

 

かっこよすぎる。

もしかしたら恥ずかしかったのかな。

全力のかっこつけだったのかもしれない。

なんて美しいんだろう。

 

そんなことあるのか。あるんだ。

あるんだな。

 

37年の付き合いで、初めて見た。

さすが俺のじいちゃん。かっこいい。

 

部屋から出てくるばあちゃん

開口一番

 

「ダイゴは?ダイゴは帰ったの?

 ダイゴとご飯食べたい」

 

やめとけwww!!!

本当に嬉しいけど

今はそれじゃないからwwwww

 

 

今はじいちゃんだ。

じいちゃんが、本気で

いわゆる「愛」を伝えてるんだよ!

俺じゃない。

 

じいちゃんの話を聞いてくれ

柱の陰から盗撮していた俺も

ダッシュしたよねw

 

「ばあちゃん。この花じいちゃんが買ってきたんだよ」

 

「あら!あー!珍しい!」

俺の耳元で

本当に嬉しそうに

「珍しい!」と!

キラキラした顔で喜んでいる。

 

乙女じゃん!

 

「じいちゃんが選んだんだよね!」

じいちゃん

「そう、その辺に花があればいいと思って」

 

じいちゃんに駆け寄るばあちゃん

肩にもたれかかって半泣きになりながら

「ありがとう。ありがとう。」

 

おい

世界、美しいな。

 

その刹那

「あ、トイレ行ってくる」

と秒でトイレに向かったばあちゃん

 

ドラマじゃないから、感動シーン

本当に2秒くらいだったww

 

「半泣きで感謝」→「トイレにダッシュ」

まじでコントみたいだからww

 

この動画を

生涯大切にしようと思う。

笑って泣けるんだよw

 

愛が何かはわからない。

それは誰かが定義することじゃなく

各々が好き勝手に自分で決めることだ

 

じいちゃんが

花を買おうって

覚悟を決めた時

花を選んでる時

めっちゃ美しいと思った。

 

もしかしたら

じいちゃんの

ばあちゃんに対する感謝の気持

70年間の付き合いで初めて買った花って

愛が詰まってるんじゃないかなって思った。

 

めっちゃいいシーンだった。

少しだけ、長生きしたいって思えたもん。

ありがとう!!!!