10/4
出発の朝です。
こぞうを幼稚園に送り込んだ足で町田まで送ってもらい、バス停へ向かいます。
1時間に一本の成田行きバスはちょうど出たところでした。
次のバスは十分空きがあるそうなので、お茶を飲みながら待つことにしました。
バス停でひめと別れます。
2枚つづりの回数券を買って6000円、領収書も忘れません。
ふっと気がつくと、カバンがありません。
荷物係のおじさんがタグをつけてさっさともっていってくれたのです。
そういえばさっき半券を渡されたような気もします。
なんという鮮やかな早業。
いままで荷物を預けたことがなかったので、なにか新鮮な気分です。
本とかカバンに入っていたんですが、さっき買ったサンデーは手に持ってますから、まあいいことにしましょう。
バスが来たら、乗り込みます。
回数券を渡して、もぎってもらいます。
バスはいつもどおり2人がけが一人づつでうまる程度の混み具合。
私は中ほどに陣取りました。
そういえばカバンはどうしたんだろう?気がついたらもう収納されたのか姿が見えません。
ちょいと不安になりますが、いまさらどうしようもないのであきらめてサンデーを読み始めました。
最悪パスポートだけはウエストバッグに入っていますし、eチケットです。行くのに支障はないでしょう。
バスはすっかりいつものとおりです。私もずいぶんとなれちゃったもんだなぁ。
ここで忘れ物を1つ思い出しました。
今は休憩していますが、私はこの半年某とってもお高い英会話学校に通っていました。
そのテキストを持ってきて、行きの飛行機の中で一夜漬けならぬ一夜復習をしようと思っていたのですが、テキストを忘れてきました。
機内で役立つ英会話、ビジネスで役立つ英会話がてんこもりだったんですが…記憶に頼るしかないようです。
さて、今回も航空会社はUnitedですから、第一ターミナルです。
荷物はもちろん何事もなく手渡されました。
まずはカウンターに行ってチェックインしてもらわなければなりません。
ここでふと不安になりました。
今回の出張もえらいばたばたで、あまり準備とかに気をかけてなかったんですが、eチケットってほんとにこれでいいの?
秘書の人からメールで、とあるホームページのプリントアウトをもっていってくださいといわれて、そのとおりに紙を一枚持ってるだけなんですが。
到着してまずトイレ。それから落ち着いて周囲をみてみると、なんか、これは、以前とえらく様変わりしてないかい?
すごく開放感があって明るく見えるのは、航空会社を取り囲んでいたいかめしいバリケードのような柵が軽い感じのデザインにかわったからでしょう。Unutedのカウンターを探さなければ、とおもったらトイレの目の前、一番端にUnitedの文字が見えます。
いつも長蛇の列ができているはずのカウンターはガラガラです。早朝ってわけでもないのに、これは変です。
周りも見てみようと思いとなりのカウンターを見ると、そこもUnited、その隣もUnited。地図があったので見てみると向かって右側が3,4列Unitedです。
さて、こういう場合はもう知っています。この世界はとても階級差別のはっきりした世界なのです。
がらすきだったのは当然ファーストとビジネスクラスのカウンタ。私は真ん中へんでそこそこ列ができているエコノミーに並びました。
それでも列は大したことありません。5分もせずに順番がきます。
こちらにどうぞといって案内されたのは、タッチパネル式の機械の前。
案内係さんがほぼマンツーマンに近い形でお世話しているものの、原則自分でチェックインするようです。
パスポートを差し込むように乗せる場所があり、そこから一問一答が始まります。
順番に簡単な質問に答えていって、渡航先の宿泊地をZIPコードから…って、どこだっけ?
メールに書いてあったような気もしたんですが、忘れましたw
ちょいパニってしまいましたが、ここは慌てずNさんの携帯に電話しました。
幸いにもまだ携帯を止めずにいてくれたNさんから宿泊地の情報を聞き出して、タッチパネルから入力します。
英語とはいえZIPコードから宿泊施設名まで入力させるのは、お年寄りには厳しいかもしれませんね。
その後は大した問題もなくすいすいと質問に答えて、チケットが発券されました。
結局プリントアウトしたeチケットの番号は使うことなく終了。
パスポートっていう強力な個人情報があるんだから、そこから参照してるんですね、きっと。
なるほど、うまいシステムです。
カウンターを離れて、テレホンカードを買います。
現金はひめにもらった分だけでいってみようとおもい、両替はしません。
英会話学校のテキストを忘れたので、代わりになにか英語の本を買おうと思って本屋に入りました。
Tutayaです、手広く商売してるなぁ。
英会話の本は大量にあります。みんな考えることは一緒なようです。
いや、そうでもありません。だってほとんど一夜漬け英会話の種本です。私が欲しい基礎文法の本は残念ながらみたところたった一冊、しかも私がもってるやつしかありませんでした。
数分脂汗を流して固まりましたが、選んだのは「とりあえず英語で30秒話す練習帳」
なんか切羽詰ってる感じが良くて購入。
時間も大してないので、出国ゲートに向かいます。
金属探知機を通り、出国審査を受けてほんの10分ほどで構内へ入れました。出国は大して手間がかからないんだったですね。でもまぁ余裕があってよかった。
さて、小腹がすきました。
いつものロイヤルホストでランチを食べる余裕がありませんでしたので、代わりのものを探しました。
そこそこ歩いたのですが大したものが見つからず、マックでバーガーを買いました。これからハンバーガーの国に行くって言うのに、趣のない話です。
Nさんの話では、Uさんと合流してUnitedのラウンジにいるということ。
だれでも使えるところではないはずですから、Uさんマイルでビジネスクラスにアップグレードしたのでしょう。
新婚旅行でヨーロッパに行ったばかりだし、けっこう貯めてたんでしょうね。
と、おもったところで気がつきました。
私もUnitedのマイレージカードもってるのに、まだ貯めてないのです。
たしかひめと新婚旅行で出たときは航空会社のカウンターから出るときになにかの機械を通していたようなきがしましたが、そんなものなかったような・・・
思いつきました。
チェックインの作業中「マイレージプラス」というボタンがあったような、そして、キャンセルしたような・・・
だって、マイルを使うボタンだと思ったんですよ、いやネタでなく。
しょぼんとして、しかもマック持参でラウンジにぶらりと入る勇気もなく、ゲートの前でマックを食しました。
まだ時間があったので、時計を取り出しました。時間をあわせようとおもったのです。
会社で、とあるプロジェクトが終わった記念にもらったきり忘れていた世界時計です。
ポケット翻訳機くらいの大きさの2つ折りになる代物で、電卓にもなるボタンを押すと世界中の時間が出てくるのです。背中が革製で見た目財布にみえたりするものですが、まぁ所詮は時計です。
これが、想像以上に曲者でした。
時間の合わせ方がさっぱりわからないのです。
リセットボタンはあるのですが、押したが最後どこをどうやっても月が替わるだけでほかが変わるモードに行きません。
そもそも年月日とあるのに月から変わるのっておかしいでしょう。
ああでもないこうでもないしている間に30分過ぎてしまいました。
Nさんと合流。Uさんはやはりビジネスクラスで先に搭乗していました。
私とNさんは通路を挟んだ隣の席です。
Nさんは私とは好対照に巨大な荷物を抱えて旅行するタイプのひとです。
私が向こうで捨ててくるつもりであえて選んだボロを着ているのに、Nさんはソフトスーツ。私が大きくて閉口しているカバンより一回り大きいカバンと背中にリュックを背負った上に一家3人折りたたんで入れられるくらいのスーツケースを預けています。
エコノミーの座席は狭苦しいです。
機内はほぼ満席。
そして私の隣は体育会系の男性です。エコノミーに乗るなよ的な肩幅、半そでTシャツからテカる二の腕がどすんとのぞき、浅黒い顔にがっつり鷲鼻です。
Nさんの隣は黒髪の女性で、うらやましいですぞ。
予定通りの時間に離陸し、ほどなく水平飛行に入ります。
Nさんはアイマスクをかけて本気で寝るモードです。
ノートPCを取り出して、日記を書こうと思ったのですが、まさかのバッテリー切れ。
前日会議に使ったあと充電が足りなかったみたいです。
仕方がないので英語の本と仕事関係で読みたかった「エクストリームプログラム導入編」を交互に斜め読みしていると、機内食になりました。
おなじみビーフとチキン。今回はビーフを選びました。
ライスと濃い目の味付けのビーフシチュー。美味でした。
機内はほとんと日本人です。4席ほど前に白人の母子がいて、あかちゃんがわんわん泣いています。1歳すぎくらいでしょうか。ちょいとかわいそうな感じです。
前座席の背中に小さな液晶テレビが埋め込まれていて、映画も現在位置も自由に選べます。機内映画はいくつか同時に放送されていましたが、私がえらんだのは「The Wild」邦題「ライアンを探せ」です。
感想は。。。んー、もうCG動物モノならなんでもいいって時代は終わったな。
マダガスカルとファインディング。ニモとライオンキングを足して3で割ったのはまぁ予想通りとして、そのほかの味付けがぜんぜんないのが致命的ですわ。
それより、裏でやっていた「Scary Movie 4」ってのが、よく見たらおかしくて、受けました。
前半はリング、らせん系ジャパニーズホラー、後半は火星人襲来と脈絡のない恐怖映画のごった煮パロディです。下品で、その場しのぎのギャグの連発で、なんかイイかんじ。日本で公開してるのかな?
裸の銃を持つ男のレスリー・ニールセンが出ていたような気がします。
席が狭くかんじられるせいで、頻繁にトイレに立ちました。エコノミークラス症候群にも有効です。
鏡をみると目が真っ赤。鼻は涸れ涸れくぽーです。トイレで待っていると、フライトアテンダントの白人男性が私のTシャツを見て受けてます。
「FOR SALE WIFE」と書いてあるやつです。サンフランシスコでお土産に買ったやつです。ちょっと嬉しかった。
時計あわせもえらく難航しました。年を設定する方法がわかったのですが、やはりそこから進みません。結局2時間ほどかかったでしょうか。意外に一番時間が潰せたアイテムとなりました。
季節の変わり目だからでしょうか、飛行機はえらく揺れます。
Unutedは揺れないのだけがとりえだったのに。
国際線で酔ってきたのは初めてです。まだはくほどではありませんが、胸からじわりじわりとこみあげるものがあります。
途中食はいつものキツネラーメンです。
小さなインスタントのカップキツネうどんに、上品なシルバーのお湯差しでお湯を入れてくれます。
時計あわせに成功し、本を読むのも気持ちが悪く、面白い映画もなくなったので、ちょいと目を閉じました。機内食で起きたのは2時間ほどたったあとでした。
ふと横を見るとNさんは毛布にくるまり、アイマスクをして、外界完全遮断起こすなごらモードです。そして、奥の窓側に座っている女性が出たくて難儀しているところでした。私はNさんをつついて起こしました。フェミニストですから。
ところが時遅く、意を決した女性は前後のシートの背中をもってNさんの目前を飛び越したところでした。
目を覚ましたNさん。
「気がついたら女性が空を飛んでいた。」と一言。
飛ばしたのは貴方ですから。
朝食はチキンとなんとか。なんとかが聞き取れません。
Nさんも同様で、「ましゅあんれ、てなに?」
先に気がついたのは私です。「マッシュポテトあんどオムレツだ。」
で、私はましゅあんれを頼みました。おいしかったです。