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PC不調でぶっ飛んだので、この文章書くのは2回目です。(そして本格的に壊れる前です。)

朝食は駐車場近くのカフェでコーヒーとBreakfast Sandwich。ぶっちゃけなにが出てくるかわかってません。
モーニングセットとか日替わりランチとか、福袋的なものがすきなのです。好き嫌いがないって幸せなことだとおもいます。
さて、出てきたのは卵とチーズの入った、イングリッシュマフィン。見た目はエッグマックマフィンそのもの。
味は一回り上品で、ほどよい塩味。マフィンの硬さとやわらかさがなんとも絶妙で、美味しい食べ物なんだなぁと再認識しました。

昼食は職場のみんなとサンドイッチを買って、HighFallの見える橋の上で食べました。
サンドイッチは、パンとサイズと具を選んで頼むタイプです。私はお勧めを聞いて、ミートボールのサンドイッチにしました。
パンはWhiteと言われたやわらかめのフランスパン。
サイズはS。「アメリカのSサイズでしょ?」と聞いたら、周囲に爆笑されてしまいました。ワカッテルネ、ミンナ。
Nさんは勢いでMサイズを頼んでしまって、後悔してました。
英語の聞き取りは相変わらずアレなんですが、BagとかTake Outとかキーワードがわかるので、買い物には不自由がなくなってきましたねぇ。

HighFallとは、開拓時代に作られた巨大なダムです。会社の目の前にある観光名所です。
前回、雪解け水で満水状態だったときとは違って、川は美しい流れを見せてくれています。それでも常時水煙を上げて、ごうごうと水を吐き出す様は圧巻といえます。
橋は高所恐怖症のNさんが手すりに近づけないくらい高い位置にあります。
歩行者専用で、あちこちにベンチが設置され、橋上公園といった佇まいです。

ベンチに座ってサンドイッチに食らい付きました。ケチャップベースですが、上品な味。ミートボールもほどよくやわらかく、アタリでした。
上司の人のうちに蛇が出た話なんて聞いてますと、蜂が飛んできて私のサンドイッチにまとわりつきます。のどかなとこですRochester。
半分食べたところでNさんのサンドイッチと交換しました。サラダとハムの入ったベーシックなやつです。悪くないんですが薄味です。後半飽きてきちゃいました。

打ち合わせが長引いて、退社したのは6時半。アメリカ人は朝が早い&残業しないので、5時には帰っちゃうのです。
HighFallsの方がにぎやかになっていたのでちょいと覗きにいきました。
今夜はなにかのお祭りでライトアップされるのだそうです。
橋には着飾った男女(お年寄り)がたくさんいました。
こっちの人は年をとっても仲良く手をつないであるいているので、ほほえましいです。
民族衣装っぽいじいさんがキモカワイかったです。

ホテルに帰って、荷物を置いてから、上司に推薦された日本料理屋に行くことにしました。
場所は会社のすぐ近くでした。
指名された店が見当たらず、探していると別の日本料理の店がありました。
「ここの名前も挙げてたけど、ここにしとく?」
上司は日本に3,4年住んでいた方で、日本語も聞き取りはずいぶん出来る日本通です。(ちなみにポールニューマンのそっくりさんですw)
彼が推薦するからには間違いはないだろうとオモッタワタシタチガアサハカデシタ・・・

店は、日本っぽい内装がされた喫茶店風です。
生魚の切り身が並べられたガラスケースがありますからすし屋を気取っているのでしょう。
店員は渋谷ギャング風ファッションのアジア系の男が数名。
メニューを置いたのはオリエンタルラジオの2人を足して二で割ったみたいな青年。
日本語はダメみたいです。

メニューをチェックすると、ありますあります笑える品揃え。
Teriyaki Sarmon,Teriyaki Stake,Teriyaki ... なんでも照り焼きにすれば日本風と思っていらっしゃるご様子。
うどんはちょい安全策すぎ。てんぷら、うな重など地雷臭いのは外れたときのダメージがでかいので、私が照り焼きステーキ、Nさんがサーモン、Uさんがチラシにしました。
それからなぜか餃子とわさびシュウマイ。日本酒を頼みます。

最初にでてきたのが餃子とシュウマイ。
つけだれが両方同じなのはなぜ?なんて簡単なところを突っ込む余裕はありません。
「なにこれ?」全員がまゆをしかめる微妙な味わい。
まぁ肉団子なんです、両方。
そしてなんとも味わいがない。。。ただの肉団子なんですよ。
際物ぽいわさびのほうがむしろ刺激があるぶんいくらかマシだったり。
「タレつけないほうがまだいけるね。」
「日本でこれやったら、犯罪だね。」
と、日本語がつうじなさそうなのをいいことに言いたい放題です。
ちなみに料理を持ってきたのはケミストリーの黒いほうのばったものみたいな青年でした。

味噌汁に蓮華がはいってるのは、想定の範囲内。
サラダのドレッシングがやたら甘いのは、なんだろう。ああ、わかった寿司酢だ。

さて、料理です。
照り焼きステーキ。言葉のまんま照り焼きにしたステーキが出てきました。ゴマ振ってあるし。付け合せは炒め野菜とこもりライス。
味は想像したとおり。両面焦がし目にやいてるもんで中はぱさぱさ。肉自体はそんなに悪くもないようで、普通のステーキで出してくれたら普通に食えたのになぁ…ってカンジ。
照り焼きサーモンも同様、素材は悪くないみたい。醤油で両面焼いて、ゴマ振ってあるのが残念なだけです。
そして思わぬ大収穫はチラシでした。
大きいどんぶりにあふれんばかりに具が乗っています。
刺身にしたって分厚い切り身がごろりごろり、大盛りで入っているはずのご飯が書き分けても見えないくらいてんこ盛りになっています。
そして、その、乗っている具がほとんど正体不明。
「わさびってこんなにたくさん入ってるもんだっけ?」
と、知的なUさんがおそるおそる。大き目のピンポン玉くらいのまあるい緑の塊が乗ってますね。まるで抹茶アイスのよう。
赤身はなんとなくわかるんですが、その白いのはなんでしょう?巨大なホタテかなと思ったんですが、つやがない。白身の魚にしてもそのテクスチャに見覚えがないんですが。
「ふ、みたいなんですけど。」とUさん。はしでつまむと力なく、ぐにゃりと伸びます。
「食えないものは入ってないと思いますよ。」
「どうかなぁ、アメリカだし。」
Uさん泣きそうです。
前回の出張のときも、Uさん夕食ではずれをひきましたね、といったら。
「あのときは量が問題だったけど、一応食べ物だったし。」
すでに食べ物未満ですか。
Uさんひっきりなしに、むしろ必死につまみ食いを推奨します。
恐る恐る、わけのわからない、おそらくは白身魚の刺身と思われるものをつまんでみます。
「うわ、これは無理だ。」
Uさんは瞬時に吐き出しました。
「ごめんなさい、本能的にヤバイと思ったので。」
ほぼ同時にほおばった私は、嗚咽をこらえていました。
味とかにおいとか、そういうものと違うレベルでこれはやばいと感じました。
薬臭い?いやそんなものでもありません。
ぐにゃりと歯ごたえなく噛み潰された食感なのかもしれません。
悔しいので絶対に飲み込んでやろうとおもったのですが、どうしても体が受け付けてくれませんでした。
生まれてこのかた、一度口にした食べ物を外に出したことなど何度もありません。
好き嫌いのないのが身上の私です。
日替わりランチがなによりも好きな私です。
それでも、こればっかりは咀嚼することができませんでした。
とんでもない屈辱です。
でも、命には替えられません。
半分くらいの、噛み砕いた(おそらく)魚肉片を手のひらに吐き出し、皿の上に起きました。
ところで、さっきからどう考えてもわからない、その赤いものはなんですか?
「もみじおろし、ってことはないですよね。まさかキムチ?」
「うーん。食べてみてください。」
Uさん困惑しています。かなり魂抜けてきてます。
「ごま油、は間違いないと思うんですが。」
おそるおそるひとかけら口にしてみます。
みずみずしくもなく、かといって生臭くもなく、なんだろうこの無機質な食感。
下の上でひっくり返すと、確かにゴマ油の香りと強烈な唐辛子系の辛味が一気に攻めてきます。
これ、無理だ、わけわからないけど怖い。
深く考えられずに唾液と一緒に飲み込んでしまいました。
とにかく酒が進みます。
アルコール消毒したかったのです。
そして、みんなで留め金が外れたように笑い続けました。
ある意味大当たり。
Rochester郊外の日本料理屋Koubey、命が惜しくないならば行ってみなさい。笑えること請け合い。