山本伸一は、人間性の回復のためには、
心の健康、強さが不可欠な事例として、
「優しさ」を通して、論じていった。
「『優しさ』は、一見、柔和で温順な、
静かな響きをもった言葉として、
受け取られていますが、これほど、
過酷な行動を要求する言葉もありません。
『優しさ』とは、言い換えれば、
他を思いやる心でありましょう。
他人の懊悩、苦しみを分かちもち、
共に歩み、その苦を解決してこそ、
初めて、本当の意味で、
他を思いやったことになるといえます。
そのためには、自らの内に、
確かな信念と強いエネルギーが
秘められていなければならない。
もし、他の不幸を見て、
心情的に同情しても、
ただ手をこまねいて傍観し、
かかわることがないとすれば、
それは『優しさ』などでは決してない。
冷淡であると非難されても、
否定できないことになってしまう。
泥まみれの実践と、
あふれる正義感、
エネルギーに満ちあふれた
生命であってこそ、
初めて『優しさ』を、
現実のものとすることができるといってよい」
人びとを不幸にする悪と戦う、
強い破邪の心なくして本当の慈悲はない。
また、心が健康で、強くなければ、
優しさを貫くことはできない。
新・人間革命 命宝 より抜粋