富山の耐震補強事情 | ダメ営業七転八倒

富山の耐震補強事情

営業の外回り中、構造設計士O氏のところで、うちの会社がやっているアンダーピニングによる沈下事故修正工事のことを話した折、O氏から「耐震補強工事との絡みで仕事になるかもしれないね」なんて言われたもんだから、以来、何とか耐震工事と絡めて何とか仕事にならないものかと考えているのだが、なかなか仕事にはならない。
ネットで検索したりテレビや新聞、本屋の立ち読みでそれに関する記事を気が付いては読んだりしているのだが。なかなか、ウマい手は思いつかない物だ。

O氏との会話は中越地震以前の話で、その後、件の地震。隣県の話なので、ちょっとは富山県でも耐震の機運が高まるか、と期待したが、なかなかそう上手くはいかない。
国交省だったかの発表では富山県内で、もっとも地震の危険の高い断層線は砺波のほうに走っているそうだが、緊急性はというと、今にも来そうだと言われている東海~東南海~南海地震や、南房総沖(南関東)地震よりも低いとされる。まぁ、なんというか、ぶっちゃけ、阪神大震災以前の関西の人の地震に対する意識とほぼ同じといえる。富山の人たちの意識って。何だかんだいって富山では地震は起きないよ、というわけだ。

そんな富山であっても、新築であれば、現在は建築基準法、あるいは品確法などといった規格にしたがい、ちゃんと地震のことを見越した構造にはなっているのだが、問題は昭和56年以前竣工を先頭にそのような耐震意識の薄い時期に建築された建物のリフォーム。
富山県内の昨年度のリフォーム工事の件数、新築工事との比率、一軒あたりにかけられた費用、そんな統計も、多分、ちゃんと探せば出てくるのだろうが、一方で、木耐協(http://www.mokutaikyo.com/)のデータで、耐震補強工事1件あたりにかけられる工事費の平均として119万824円というデータはこの前テレビでやっていたので手帳にメモしておいた。
仙台ハウジングセンター(http://870reform.com/)という会社のホームページの記事(http://870reform.com/taishin/)をごらん頂きたい。その中で「最近、テレビのリフォーム番組や、雑誌等で取りあげられるデザイン偏重のリフォーム工事には、“家”の存在意義の根本にある『安全・安心』をしっかり考慮されていないものが多々あり、正直なところ恐怖さえ感じています。」という記述は印象深く、まさしく賛成、ちょっと前の2ちゃんねる的に言えば禿同というやつ。
しかし、まぁ、さあリフォームするぞ、という施主さんがどれだけのリフォームを用意するのかというと、120万近くのお金を、リフォーム全体にかけるのかというと、まず、そこまで一度にかけるかどうかわからないし、それがさらに耐震補強だけでそれだけの金額、というと、二の足踏むのも無理は無い。
ただ、逆に耐震補強といっても、法的な強制力は無くあくまで施主さん自身によるリスクヘッジであることを考えれば、施主さんの予算なりの補強というのも、きっとありな話だろう。

となれば、ウチの沈下事故修正工事、沈んだ基礎を持ち上げるという力技で、当然、基礎下地盤の補強にもなるのだが、正直、値は張る、っていうか、120万全部もらって、それなりにやったとしてもできることは限定されてしまう場合が多い。(などといいつつ、それよりも少ない予算で十二分の工事ができたこともあるのだが)……ダメじゃん、と、挫けそうになる。

実際のところ、室内にいると乗り物酔いのようになったみたいに気持ち悪くなるほど、ひどい沈下事故を起こした家や、家中の引き戸という引き戸が具合が悪くなった家の基礎を何件も持ち上げているので、卑屈になる必要は無い。耐震補強の一環にという切り口は今のところありえない、というだけで。それはそうと、傾きの酷い家は、上部、柱や梁、壁がゆがんで、それだけで耐震剛性はおちているのだが、基礎にもクラックが入る、それらを引き起こした地盤も場合によっては地震で液状化を起こす危険もある、ということで、耐震補強に沈下事故修正工事の必然は絶対あるが、それをいかに需要に変換していくか。まだまだ勉強しなければ。

太平洋側では「無料耐震診断します」とかいって、年寄相手に高額な耐震補強工事の契約結ばせるっていう、荒っぽい業者もいるそうで、この辺では、今のところ、そんな業者が現れた、って話は聞かない。まぁ、関心が無いのも必ずしも悪いことばかりじゃないということか。
ウチの沈下事故修正工事以前に、まず、耐震という物対する意識の喚起が必要か。一遍痛い目にあわないとわからない、というのも、つらい話だよな。