星空の下、
生まれたばかりの
新しい月が
見えたんだ
それは、くらやみなんかじゃなく、
それは、たしかにこの目で見たんだ

次の日、
それは、ガラスのカケラのようで、
でも、もうすこしだけ貴いものに見えて、
それは、うすく剥ぎ取られた
ダイヤモンドに間違えてもらいたい
そんなみかづきいぜんの細い月なんだ

夜は、
眠るんだ

新しい月が
あしたのカケラを
バラまく夢でも見て

夜は、
眠るんだ


そして、
べつの夢を見るんだ


その、
とある宗教の聖堂の門の前で
首輪のない
犬を見たんだ

痩せっぽちで
ストイックに見えて
なんだか不思議な尻尾をしていた

あまりにも違和感があったので
よくよく見直してみると
尻尾は太くて
地面と水平に伸びている

かおを見直すと
ちょっと犬らしくないんだ

目と目が合った。


あッ!
きつね?

きつねは、
尻尾の先をふさふさと揺らしながら
走り去り、
3秒後に
視界の果てに
消え失せていた


こころから、
ひとすじ神を信じたい一本の絹糸を
引き抜かれたみたい


夢だったのか、


それさえ、夕闇の中で
うたた寝をした
私に見せられたら


夢だったのか?



宵の明星が、
煌めく
清廉な夜空の網に
からめとられたみたい
このひとみのゆくえ。

だれもかれも
おなじひとなんだから
なにひとつ
かわらないんだよ?


そこで探すのに
希望は必要なのだというのなら
まだ、
こころの片隅にかろうじて残っている
だれかといっしょにいたいという気持ちを
くだらない乙女ちっくと蔑むことなく

そこで探すのに
希望は必要なのだというのなら
もう、
すべての人に信じてもらえる
ひとりのひとになりたいなぁ、

夢、
だけどね?








2018/12/1