ここ数日
佐久間正英師匠の
『直伝指導!
 実力派プレイヤーへの指標』 を
読み返している。
最初に読んだ際は
内容の素晴らしさに
いっきに読み終えてしまったのですが
今は、必要な時に読んでます。
以前も書いた通り
これからも
何度も読み返す本になるでしょう。
僕の教科書、もしくは『強化書』ですね。

さてさて
ここからは
唐突ですが
父のはなし...
僕の父は僕が17歳の時に
この世を去りました。
お酒がとても大好きな
破天荒な人で
若い頃は旅芸人のような事や
ドラムなどもやっていたようです。
僕が幼い頃、よく父は食事の際に
箸をスティックに見立てて
茶碗を叩いては母に
『行儀が悪い事しないで!』と
怒られていました。
僕が父から教わったドラムは
それだけです(笑)
ただ、音楽は好きだったようで
酔っぱらって帰ってくる時などは
よく近所から
軍歌を熱唱する父の下手な歌声が
響いて、玄関に近づいてきたものです。
(父は昭和5年生まれで戦争経験者です)
そんな父がドラムをはじめたきっかけは
『金になるから』でした
『敗戦後、米軍基地で演奏すると
良い稼ぎになったんだよ!』と
言ってました。
なんともたくましい!
本人いわく
戦争中は『特攻隊に入ってお国の為に!』
と思っていたそうですが
年齢が若かったので入隊できず
終戦を迎えたそうです。
その後、グレちゃったらしいです。
信じていた世の中(人生観)が
ガラリと変化し
米兵達がやってきて
洋楽もやってきた。
たぶん父は
それに魅了されてしまったのでしょう。
グレン・ミラーが大好きで
よく聞いていましたし
グレン・ミラー物語という映画では
米軍基地が爆撃されるシーンでは
『なんて事しやがるんだ!』と
立腹したり....
(おい、父よあなたの敵国だったのでは...)
おそらく、自分の感情に素直な人だったのでしょう
国の事よりも人間が大好きだったのでしょう
ある日はテレビで象が亡くなるシーンを見て
泣いていました。
たぶん、象も大好きだったのでしょう...(笑)
幼い僕に、ガンガン酒を飲ませたり
自家用車に突然、パトライトを載っけて
『刑事ドラマみたいだろ!』と
街を疾走したり
酒で肝臓を壊してしまい
入院中の病院を脱走し
ふぐ料理で一杯やるような
現代では絶対に
許されないような事がてんこ盛りで
思い出される父ですが
鮮明に覚えている言葉は
『戦争が始まったら、すべて失ってしまう
だから精一杯、楽しんで美味いもの喰って生きろ!』
でした。
父は大好きな酒が原因で肝臓ガンにより亡くなりました。
親類一同、『本望だな』と言って見送りました。
僕は泣きませんでした。
何か一人の男の人生を
焼き付けられたような気がして
『俺、頑張らなきゃ!』と思ったからです。
亡くなる寸前、医師はもう意識はありませんと
おっしゃっていましたが、僕が語りかけると
目だけは開き、こちらを見返してくれました。
他の人の声では目は開かないのですが
僕の声だけには反応してくれました。
最終的にはその目を見つつ
『もうこれ以上の治療は結構です』と
医師に伝えたのは僕だったのですが
たぶん、父もそれを望んでいたはず..
数分後、父は旅立ちました。
生前父はまだ健康であった時から
『俺が死んだら、ずっとお前を守ってやるからな』
と、よく言ってました。
恐らく
ずっと長い時間一緒にいる事は出来ないと
悟っていたのでしょう。
僕もなぜか幼い時からそんな気がしていました。

今、父にとても感謝しています。
くだらない事や大切な事を短い時間に
凝縮して教えてくれて、ありがとう!
そして、今も恐らく見守っていてくれて
ありがとう!

今夜はクリスマス イヴ
僕はキリスト教の信者ではありませんが
今日は生と死について朝から
『やんわり』と考えてみようかと思ってます。
そんな訳で
 I wish you a merry Christmas!