昨夜、佐久間さんのブログ
http://masahidesakuma.net/2013/08/goodbye-world.html
読んで
なんとも表現出来ない感情がこみ上げて
今もあまり整理ができていない。
勝手に自分は佐久間さんの
弟子だと思い込んでいるので
タイトルには師匠とつけさせて頂きました。
佐久間さんに初めて会う前
『ベーシストにはかなり厳しい方だから
覚悟してプロデュースしてもらいなさい』
と知人から言われ
若かった俺は
『ケッ!知らね~よ、俺はそんな人には
負けね~よ!』と粋がって
BY-SEXUALのシングル
『DEEP KISS』のレコーディングに挑んだ...
自分で作った曲が初めてシングル曲に選ばれ
相当調子に乗っていた俺は
好き勝手にBASSを弾き
『ほ~ら、大丈夫じゃん
佐久間さん、何にも言わね~し』
数日後、意気揚々と
アルバムレコーディングに突入し
相当伸びた俺の鼻は、いとも簡単に
ポキッと折れた
アルバムレコーディング初日
バンド全員で演奏して
レコーディングしていると
どうにも気持ちが悪い演奏にしかならない...
そこへ佐久間さんが一言
『DEN君、BASS僕が弾いてみていいかな?』
俺は憮然としつつも
『はい、どうぞ』とBASSを彼に渡した
曲は自分たちで作った曲で
さっきまでは、お世辞にもカッコいいとは言えない曲。
それが、佐久間さんがBASSを弾くと
曲全体がとてもカッコ良く聞こえる
何よりも、他のメンバーが
とても気持ちよさそうに演奏している
アンプやBASSは俺が弾いていた状態と
何も変わっていないのに...
『そっか、俺が悪かったんだ...』と気がつき
じっくりBASSの音を聞くと
俺の音とは全く違う芯のある太い音...
BASSを弾き終わった佐久間さんに
『どうやったらそんなイイ音が出せるんですか!』
それからは、怒濤(笑)のスパルタ佐久間塾が開催された!
もう、勝つとか負けるとかの世界ではなく
必死で練習した!教わった事を一つ覚えるごとに
どんどんレコーディングが楽しくなっていく
そう、本当に楽しくて仕方がないのだ
今でも鮮明に覚えているこのレコーディングが
終盤に迫った頃
シングル曲の『DEEP KISS』を改めて聞き返した
あっ!と声が出た
俺のBASSがちゃんと弾けてないので
低音部分が物足りない...
それを佐久間さんのピアノがしっかりと
フォローするように加えられている。
そんな事にも気がつかないくらい
シングルレコーディング時の俺は
天狗になり鼻は伸びきっていたのだ
もう20年以上も前の事だけど
あのレコーディングがなければ今の自分はいない
そんな佐久間さんに謝らねばならない事が...
すっかり打ち解けた何度目かのレコーディングで
毎回、毎回とても的確なアドバイスをして下さる佐久間さんに
愛情をこめて勝手に俺たちメンバーで付けたあだ名は
『アンドロイド』もしくは『ロボット』でした。
もちろんご本人には内緒でね...
ある日、お疲れ気味の佐久間さんは
少々居眠りをされていた..
俺はここぞとばかりに
佐久間さんの背中側に回り込み
ネジを巻くゼスチャーをして
『ロボットの動力が切れてしまった
ネジを巻かねば!!』
スタジオ内は皆、口をおさえ
笑いをこらえるのに必死でした。
ごめんなさい佐久間さん
こんな弟子で....
さらに出来上がったばっかりの
佐久間さんご自慢の机に
タバコで焼きを入れてしまってごめんなさい。
こんなに楽しく音楽をさせていただいているのに
ほとんど連絡もせず
勝手に『弟子だ!』などと言い張って
本当にごめんなさい。
まだまだ
教わったのに出来ていない事が沢山あります。
いつか『こんなに出来るようになりました!』って
言えるように毎日精進します!
だから
無事、手術から戻って来てください。