【S-side】

正月や夏休みなどの長期休暇は別として。

ふだんの俺達にとって『2連休』は かなり貴重な、特別な意味合いのものだった。
その特別な連休を、潤は照準を定めて確実にゲットしていた。

あとから聞いた話だが、潤はこの日のために何ヵ月も前からマネージャーに根回しをしていたという。
俺は、というと。特になにも意識しておらず、いつもどおり平然と仕事をこなすつもりでいた。
でもヤツは俺のスケジュールも当然に把握していて、少なくとも25日は終日完全オフになるよう、うちの担当マネにも掛け合っていたらしい。
それだけでなく、前日(24日)の比較的遅い時間に組まれていた取材について、マネと「ひと悶着」あったことを、そのとき現場にいた別のスタッフからこっそり聞かされた。


別に優等生ぶるつもりはない…けど。
俺は、戴ける仕事は出来るだけなんでも引き受けたいと思う。過密スケジュールで多少疲労が溜まることはあっても、それを断る理由にはしたくない。そこで得られる経験や感動は、その後の人生で2度と出会えないものかもしれないから。

そういう俺の意向も潤は充分理解している。
自分はともかく、他のメンバーの仕事に口を出すことなんて、普通ならまるでありえないことだった。

どうした、潤…
何をそこまでムキになってる…??

鬼気迫る勢いの潤が鮮明に脳裏に浮かんだ。あまりの必死な形相にジリジリ後ずさりするマネのことがちょっと気の毒に思えた。


1月24日、早朝。

[今日の仕事が終わったら連絡ください]

事務的とも取れる、味も素っ気もないLINEが送られてきた。

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