このままじゃ埒があかないと思った俺は、智くんの肩を抱き起こし、少し距離をとって座らせた。
自分の靴を脱いで隅に揃えてから、智くんの足首を片方ずつ掴んで、スニーカーと靴下を順に脱がしていった。
智くんはされるがまま、俺の様子を黙って見ていた。
「一度、リビングで落ち着こう?」
「…」
「シャワー浴びる?」
「…。翔くんは?」
「智くんのあとでいいよ」
「ん~…」
曖昧に、肯定とも否定とも取れる返事をした。
「智くん?」
「…」
しばらくの沈黙の後。
「…ベッドが、いい」
寝室直行、なの??
今度はこちらが返事に困った。
お互いのモヤモヤはなにも解消していない。
俺はもっと、ちゃんと話がしたかった。
智くんが、心の内をそう簡単にオープンにしてくれないのは今に始まったことではないし。
このまま玄関でうずくまってるよりは、まだマシな気はした。
同意を求めるように、上目づかいで俺をチラ見した。
はぁっ。その目には勝てないよ…
俺はコクリと頷くより他に 選択肢はなかった。
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