☆Sho-side☆

ごくまれに、だけど。
夢の中で、"これは夢だろ"って自覚できてるときがある。

いい夢ならば、
"もう少しだけ…どうか、このまま
 夢の世界にとどまらせて"
と、切に願う。
そして、そんなとき。
決まって直後に目覚めてしまうんだ。

今は 違う。
"早く目覚めろよ!"と、もう1人の自分が必死に急かして、体を揺すってる。
何してるっ!いつまで彷徨ってんだ!?

カズが…

カズが……


そうだよ。
俺が、全部悪いの。
一方的に約束を破ったの。
勝手にそばを離れたの。

だから、報いを受けるのも当然なんだよ。

また、だね。
もう何度目の"サヨナラ"になるのかな。
わかってるよ。もう慣れた。
俺から求めてはいけない。
追いかけたくても、引き止めたくても。

"またなっ、ショウちゃん"

違う…ダメ…
待って…
待って…
行かないで…
俺をひとりにしないで…

声になることのない、心の叫び。
隠し持った、俺の本心。
諦めという名の、自己防衛。


えっ…あれ…?なんで?

そのとき初めて、
俺の呼びかけに 足を止めた。

俺の声が、届いたの??

振り返ったその人は、
サトシくん…

ではなかった。

サトシくんなら、寂しさを笑顔に変えて
ちゃんと見送れたはず。

なのに、どうして…

鉄壁のバリアが、脆くも崩れ去った。




イヤだ…イヤだ…イヤだ…………

カズ!おまえだけは、行っちゃダメだ!!

せっかく会えたのに。
まだ、何も話せてないのに。

カズ、行くなっ!行くんじゃねえ!!

"なぁ、カズッ!!!
 なんで聞こえねぇんだよっ"



ベッド上で張り上げた自分の声で、ようやく目が覚めた。

「カズ…?おいっ、カズ!!どこだっ」

ガバッと布団をまくり上げて、部屋を見渡した。

カズの姿もカーキ色のリュックも、
跡形もなく消えていた。

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