※2017年8月29日に一旦、ムリヤリ完結させた翔潤話の、ちょっとした続編です。これでようやく、私の中のモヤモヤも「成仏」できるでしょうか…?

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「おまえ…さっき。智くんの前で、号泣したんだって?」

「…」

せっかく戻った潤の笑顔に、また、暗い影が差した。

「お、おいっ…。そこ、黙るなよ…」

潤の反応に、
"余計なこと口走るんじゃなかった…"
と、自分の浅はかさを悔やんだ。


「……。
ねぇ、翔さんってさぁ…」

「ん?」

「たぶん…俺なんかより。素直に、かわいらしく甘えてくれる相手のほうが嬉しいんだよね、きっと…」

「…」

今度は、一瞬だが、俺のほうが口をつぐんでしまった。

「…それを言うなら、おまえだって。本当はもっと、包容力のある優しいヤツのほうがいいって、思ってんじゃねぇのか」

潤は ほんの少し、考えるそぶりをした。

正直なとこ、すぐさま潤が俺の言葉を否定してくれることを、どこかで期待していた。

「っていうかさ。おまえも難しそうに見えて、意外と単純構造だな。それは、俺へのアテツケか?まだおまえ、ニノのこと、ごちゃごちゃ気にしてんだろ?」

はぁ、もうっ。
最悪の事態ばかりを考えてしまうのは、こいつの性格上、仕方ない…か。
完全に、潤の不安を拭い去ってやれないのは、俺の不徳の致すところ、だよな。
そこは 何の申し開きもできないよ。
あまりにも自分が情けなくて、こっちも泣けてきそうだった。

「なぁ、潤っ。もっかい言うから!

ニノとは…俺、何もなかったよ。俺とおまえのことを心配して、話を聞いてくれただけ。あいつは本当にメンバー想いな、いいヤツだよ…」

俺が少し遠い目をして天井を仰ぐと、その声に呼応したように潤も顔を上げて、俺の視線を追った。

「別に俺は…ふたりを疑ってなんかない、って!!
それより翔さん…、俺のほうこそ…ごめん。今夜ちょっとだけ、大野さんに甘えた。翔さんに直接言えない気持ちを、全部まとめてスッキリ吐き出させてもらったの」

「うん…」

俺に、そんな潤を責める権利なんてあるわけない。
智くんにはもう、感謝の言葉しかないよ。

潤のほうに視線を戻し、再びジワリと潤み始めた大きな瞳を 1点集中で食い入るように見つめた。
潤も今度ばかりは、目をそらさなかった。
そして、多少の躊躇はありながら、ボソッと言葉を続けた。

「でも…ね。でも…
やっぱり、ダメ…。ダメだった…。
どんなに優しくても。泣き崩れる俺を、どんなにあったかく支えてもらっても…。俺は…。俺自身を甘えさせてくれる人を求めているわけじゃない、って。そのときハッキリと、そう思ったんだ」

「潤…」

こんなにも潤が、自分の気持ちを赤裸々に伝えてくれたことなんて、今まであっただろうか。

俺は普段、どれだけこいつに我慢をさせ続けてきてしまったんだろう。

次にかける言葉を懸命に模索した。
潤の心を満たしてやれるだけの、適当な言葉を見つけられない自分が、ほとほとイヤになった。

そんな俺の心の内を察したのか。
潤がさらに言葉を重ねた。

「翔さん?俺、なにも、かしこまった台詞なんて求めてない!って言ってんじゃん。そんな難しい顔、しないでよ」

「けど…」

潤が首をすくめ、どこかをカドにぶつけたような、痛そうな表情を作った。

「あれ、さっきのキスの勢い、もう忘れちゃった?」

「え?」

「しょうがないでしょ。もし仮に、理想のタイプが『もっとオトナな、包容力のある人』だったとしてもさ。俺が好きになっちゃったのは…

目の前にいる、頭がカッチコチの、不器用・翔さん…なんだから」

泣きべそ潤が、またもや、精一杯のへらず口を叩いた。

こいつは…マジで、もう。

智くんの前でやったみたいに、たまには俺にも本音を晒して泣きついて来いよ、ばか…

俺はやはり言葉を発することが出来ずに、ただ強引に、力任せに潤を抱き寄せた。


"もっと…。俺をちゃんと、抱いて…翔さん…"

腕の中で囁かれた声に、俺の鼓動は異常なまでのテンポに跳ねあがった。


てか、おまえ…

忘れてねぇか??

ここ、"智くんち"…だってこと。

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一応の仲直り…かしらね?これにて、おっしまいvv