あなたは
俺と2人になると
途端に、言葉に詰まる。
みんなといるときは、
あんなに無邪気な笑顔で
愉しそうに接してくれるのに…。
"ごめん…ね…"
俺が目で、そう伝えると。
"ごめん…な…"
あなたが目で、そう返す。
""こんな俺で…ごめんっ""
2人の心の声が
重なって こだまする。
違う部分は、ひとつだけ。
"あなたを好きになって、ごめん…"
"おまえだけを愛せなくて、ごめん…"
心の内が痛いほど分かるから。
それを理解した上で、それでもなお
俺があなたを求め続けてしまうことも。
俺に心をくれない代わりに
あなたが、ほんのひとときだけ
体の温もりを分けてくれることも。
お互いが、お互いを知りすぎて。
お互いが、お互いを思いやって。
お互いが、お互いを傷つけている。
そんな俺たちに
『明日』を夢見る資格は、ない。
それでも、いいんだ。
ただ、今夜だけ…
この瞬間だけは…
そばに居させて。
誰にも、許してもらえなくても。
あなただけは
"いいよ…"と、言って。
どうして、俺は
あなたが
好き…なんだ…
こんなに…好き…なんだよ…
報われないのに?
叶わないのに?
バカ…だよね。
うん…知ってる。
「いいのか…ほんとに…?」
いつも聞くよね、それ。
俺に、じゃなくて。
あなた自身への確認のつもり、かな…
あなたの迷いを振り切るために
俺は、コクッと小さく首肯く。
そんな目で見られても、もう動じない。
だって…俺が平気な顔をしてないと、
あなたはすぐに手を止めてしまうから。
静かに目を瞑り
あなたの首に両腕を回して
その体温を肌で感じる。
今夜も、また。
罪の意識を背負いながら。
あなただけに「許される」ために。
俺は今ここで、息をしている。
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