自分の楽屋に戻り、衣装のジャケットを脱いでネクタイをスルスルッと外した。
"青…"
しばらくの間、手に取ったそのネクタイをじっと見入っている自分に気づいて、思わず苦笑した。
ははっ…俺は、バカかっ…。
おいおいおい…
俺たち、もう何年の付き合いだよ?
なんなんだ、これ!?
ほんとに…もうっ…
こんなにも『彼』のことで頭がいっぱいになる日が来るなんて、思ってもみなかった。
"智…くん…………"
うっわぁっ!そうだっ!!
こんなにボーッとしてる場合じゃなかった。
今日は同番組の2本録り。
次の衣装に着替えて、メイクを直して、またすぐにスタジオに戻らなきゃ。
次のゲストをずっと待たせてたんだ。
早くしないと、メイクさんが来ちまうっ。
コンコンコンッ…
う、う~わっ、早ぇっ!?マジか!!
「は、はぁいっ!ちょっと待ってください、いま着替えてますんでっ」
俺が慌てて叫ぶのもお構い無しに、ドアが勝手に開いた。
それは…メイクさんとは、違った。
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