(☆潤side☆)

「あれ~?ニノと相葉ちゃんは~??」

休憩室で、誰に問い掛けるわけでもなく、リーダーが呑気な声を出す。

「さぁ…?相葉くんは台本もって、どっかひとりで歩いてったの見たけど…」

こちらも抑揚のない声で、新聞に目を落としたままの翔くんがボソっと答える。

俺は一番入り口に近い席で、なんの興味も示さない顔でスマホと向い合っていた。

楽屋の俺たちって、だいたいいつもこんな感じ。
居心地が良い、悪いってのも 今となっては特になく、みんなが ごく普通のテンションで、思い思いに時間を潰している。
まぁね…。いつでもどこでも、仲良しこよしのグループなんて、もし在ったら "気持ち悪すぎ" でしょ。ファンの人らは何を期待してんのか知らないけど。

違うよ、俺たちは。
互いに無関心…ってことではなく。
何かを気にかけても、よっぽどのことがない限り、あえて口に出して話題に上げるようなことはしない。

俺も、その雰囲気に乗っかろうと思った。
ひとりだけソワソワしてるのなんて、みっともない。
…ニノ、マジで。
余計なこと言わなくていいから、さ。

俺と相葉さんには、「俺たちなりの」空気がある。
そう…信じたい…。
変にバランスを崩して、「負担」に感じさせたくはないんだよ、俺。

あのひとのペースで、いい。
あのひとの、何かを思い詰めているような…
それでいて、何も考えていないような…
そんな掴みどころのない雰囲気が、俺の心を捕らえて離さないんだ。

"心配するな"と言われても、ね。
こればっかりは、どうしようもない。
俺と、あのひとの、性格。
相性なんて…考え出したら、ろくな答えに辿り着きやしないよ。

それでも、いい。

ガチャ。
休憩室の扉が静かに開き、また静かにそっと閉まる。
対面の席に腰掛けるニノと、目が合った。
いつもみたいに一瞬だけ、フッと薄く笑って、コクッと小さく頷いたように見えた。

今日、この収録のあとは……?

完全に無意識だったけど。
ニノのその表情を見た途端、自分の夜までのスケジュールを再度 確認して、"ヨシッ"と気合いを入れている自分が居た。

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