パシャパシャパシャパシャ……

無数のフラッシュに、目がくらみそうだった。
テレビ局の玄関口に、マスコミ各社の芸能記者たちが待ち構えていた。

裏口の地下駐車場から局内に入れば、こんな嫌な思いをしなくて済むのに…。
こういうとき、所属タレントへの事務所のケアは、意外と冷たい。

"今回は別に、印象の悪いスキャンダルではないんだから。勝手に報道が過熱するのは、むしろウェルカムじゃない?いいプロモーションになるよっ"

なぁんて。
俺にしれ~っと言い放ち、ほくそ笑む幹部たちの顔を、俺は酷く冷めた目で眺めた。

やっぱりこういうのって、芸能界で生きる者たちが背負う一種の『宿命』なんだろうな。
俺たちの一挙一動。そのすべてが「ビジネス」で、俺たち自身が「商品」なんだと思い知らされる。


『松本さぁん!!!今回の報道について
一言お願いしまぁす』

『グループや事務所の方針として、このような動きがあるというのは、事実なんですかぁ!?松本さんっ』

『嵐メンバーとの不仲説が以前から噂されてますが、実際のところはどうなんですかぁ!何か、今回の事と関係がっ!?』

俺は、記者たちの興味本位の呼びかけに
一切答えることなく俯いたまま、その飛び交うフラッシュのアーチをなんとかくぐり抜けた。



翔さんと2人きりの休日を過ごしてから、
1週間が経った日のことだった。


今から9時間ほど前。
日付が変わってすぐに俺のスマホが着信を告げた。
俺は急遽、所属事務所の本社に呼ばれた。

本社に着いたのが、0:40。

その頃にはもうすでに。
インターネット上で、俺たち『嵐』のファンのものと思われる、想像を絶する数のツイートや各種SNSの投稿が溢れ返っていた。

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