熊本市内のホテルの一室にようやく落ち着いた頃には、とっくに日付が変わっていた。

ドッタバッタと、二転三転したスケジュールも、ようやく確定したらしい。
それを最終的にマネージャーに確認したのも、今からほんの15分ぐらい前のことだった。

明日も早い。

今からシャワー浴びて速攻で眠りに落ちたとしても、せいぜい4時間くらいの睡眠か…。

とにかく早く汗を流して、横になりたい。
今日はもう散々。マジでくたびれた。
さすがの俺も。
遅々として進まない現場の動き、あまりの統率力のなさに。
イライラを通り越して、溜め息しかでなかった。

これが仮に俺じゃなくて、潤だったら?
翔ちゃんだったら?リーダーだったら?
…ニノはまあ、ひたすら黙ってゲームにいそしんでいるだけだと思うけど。

メンバーのうちの。
誰かの、たった一声が掛かるだけで。
もっと現場が引き締まるはずなんだ。
もっとスタッフ1人1人が連動して動けるはずなんだ。

俺の生半可な、ねぎらいの言葉だけじゃ、人の心には何も響かない。
そういうとこが、きっと、今の俺に一番足りてないところなんだろうな…。

今、そんなふうに愚痴ったところで、何がどう変わるわけでもないのに。

俺はいつもより2℃ほど高い温度のシャワーを頭からザーッとかぶり、ふがいない自分を恥じていた。

バスルームから出て、数時間ぶりにスマホを手に取る。

なんのメッセージも、なし…か。

潤…もうさすがに寝てるよな。

俺はそれ以上、なにも考えずに。
全身をバスタオルで拭い、着替えを済ませてベッドに潜り込んだ。



陽はまたすぐに昇った。

熊本のイベントは大盛況。

俺はまた、たくさんの人たちの笑顔と元気を貰い、短時間の滞在に後ろ髪を引かれる思いで、熊本をあとにした。

今夜は高知泊まり。
今朝がんばって早起きしたから、その日の夜は「ご褒美」だと言わんばかりに、
盛大なご馳走と幾種類もの日本酒が振る舞われた。

あぁ…幸せ。。。

あ、でも、俺。
そんなにお酒強くないんだよ?
そんなにガンガン、グイグイ…休みなく
ついじゃダメだってばぁ。

"またまたぁ!?相葉くんたらっ♪…"

みたいなノリで。
現地放送局のプロデューサーやスタッフたちは、俺の言い分なんて完全にスルーで、
しこたま浴びせかけるように、高級なお酒を次々と差し出した。


ご…めん、潤……じゅ…ん…

おれ…

また…のみすぎちゃった…


呟いたのはLINEではなく、夢の中だった。

=====