1 設問1

1(1)XがB社に甲土地を対価1000万円で売った場合の所得は、譲渡所得(所得税法(以下「所法」という。)331項にあたらないか。

(2)譲渡所得が課税されるのは、資産の値上がりにより所有者に帰属する増加益を所得として、その資産が所有者の支配を離れて他に移転するのを機会にこれを清算して課税する趣旨である。そうすると、「資産」とは、経済的価値が増減するもので他に移転することが可能なものをいう。土地は、その時々により価格が変動し、売買等により他に移転することが可能である。したがって、「資産」にあたる。

(3)また、上記の譲渡所得の趣旨より、「資産の譲渡」とは、有償・無償を問わず資産を移転させる一切の行為をいう。Xは、対価1000万円の売買契約により甲土地の所有権を移転させているから、甲土地の売買は「資産の譲渡」にあたる。

2(1)Xは時価よりかなり低い金額で売っていることから、所法5912号の「著しく低い価額」といえないか。

(2)「著しく低い価額」とは、所法施行令169条により判断する。

「譲渡所得の基因となる資産の譲渡の時における価額」は、いつの時点で、いくらとすべきか。

Xは、平成10年当時の時価である2200万円よりも低額の1000万円で甲土地を譲り受けている。これは、Aの遺志を継いで「公園のおじいさん」を務めるためであり、代金はXがすぐに払える金額と決められており、所有権移転登記の費用もX自らが負担しているから、AX間の譲渡は投機目的ではなく、Xが保有している間の値上がり益は考慮すべきでないと思える。

しかし、基準の明確性から、譲渡時における時価とすべきである。

本件では、XとB社間の譲渡があった平成30年における時価2500万円となる。したがって、XからB社への対価1000万円は、2500万円の2分の1である1250万円に満たないから、「著しく低い価額」となる。

(3)「資産の譲渡」(所法3331号)の価額は、2500万円であるとみなされる(所法591項柱書)。

3 以上より、譲渡所得の金額は、「資産の譲渡」による所得である2500万円から、「取得費」(所法333項柱書)である対価1000万円及び所有権移転登記費用を控除し、さらに特別控除額である50万円(所法334項)を控除した金額となる。

第2 設問2

1 B社はXから甲土地を対価1000万円で取得しているが、法人税法(以下「法法」という。)222項は「無償による資産の譲受け」は含まれているが、「有償による資産の譲受け」を含んでいない。

これは、有償による資産の譲受けは、資産を取得する一方で対価の支払いがあるから、単純に資産の取得をもって益金に算入すべきではないからと考えられる。

2 本件では、B社とXとの取引は、222項の「その他の取引で資本等取引以外のもの」に該当する。

3 甲土地の取得時の時価2500万円が益金に算入される一方、取得費1000万円が「一般管理費」(法法2232号)として損金に算入される。

第3 設問3

1 租税法律主義(憲法84条)から、租税を定める法律要件は明確でなければならない。租税法の解釈にあたっても、明確な解釈でなければならないし、また解釈をする側にとって恣意的な解釈であってはならない。

2 Xは、所法73条2項及び所法207条2号に規定されている「医薬品」が、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(以下、「法」という。)2条1項の「医薬品」を指すものと考えている。二つの法律に使われている文言が同一であるから、解釈の明確性という点では、問題がない。

3 所法73条2項及び207条2号の趣旨は、医療費については、通常必要なものについては総所得金額等から控除するのが課税の公平に資する点にあると考えられる。これに対し、法1条は「研究開発の促進」を掲げていることから、先進的な医療に使われるような高度な医薬品について必要な措置を定めるものであると考えられる。

 このように、二つの法律は法の趣旨が異なる。それにもかかわらず、文言が同一であるからといって、文言のさす内容が同じであると解釈するのは、恣意的な解釈であるといわざるを得ない。

4 以上から、Xの考え方は、恣意的な解釈であり問題がある。

 

以上

 

感想等:
設問1 譲渡所得の問題だということはわかるのですが問題文の事情をどう使ったらいいのかわかりませんでした。
設問2 もう法人税法は勘弁して下さい。
設問3 作文です。