行政法で80分も使ってしまい、60分しか残っていない状態で憲法に取りかかりました。

しかも法律上の争訟、19条、21条と、書くことが多すぎます。

とった戦略は「途中答案だけは避ける」。

その結果、全体的に内容の薄い答案になりました。


第1 法律上の争訟性
1 「法律上の争訟」(裁判所法3条1項)とは、司法権(憲法(以下略す)76条1項)発動の対象となる①当事者間の具体的な紛争で、②法の解釈適用により終局的に解決することが可能なものをいう。
2 地方議会は、地方自治(憲法第8章)の担い手として設置された機関(93条1項)であり、地方自治法134条1項は、国会の懲罰権(58条2項)と同様に、議会の自律権の一環として議員の懲罰権を認めたものと解される。そうすると、当該懲罰が一般市民法秩序と関係を有しない限り、議会の自律権を尊重すべきであり、司法審査は及ばないと解する。
3 処分1は、単に陳謝の意を表すだけであり、一般市民法秩序と関係を有しない。従って、処分1の当否については司法審査は及ばないから「法律上の争訟」にあたらない。
4 処分2は、除名の処分によりA市議会議員としての地位を失って議員報酬を失ったりするから、もはや一般市民法秩序と関係を有しないとは言えない。処分2の取消しを求める訴えは、議員報酬を得るため、また議員の地位の確認を求めるための具体的な紛争である(①をみたす)。また、除名の当否を判断することにより終局的に解決が可能である(②をみたす)。したがって、「法律上の争訟」といえる。
第2 原告の主張
1 19条違反
(1)Xとしては、処分1はXの思想・良心の自由を侵害し19条に違反すると主張することが考えられる。
(2)思想・良心とは、個人の人格形成の核心をなすものをいう。謝罪する・しないは個人が自らの人格に照らし判断することであるから、謝罪しない自由は19条の保障範囲に含まれる。そして、陳謝の意を表明させられることによりXの謝罪しない自由が制約されている。
(3)陳謝の意を表明させることは直接思想・良心を表明させられることだから、直接的な制約といえ、憲法適合性は厳格な基準で判断すべきである。具体的には、①制約の目的が必要不可欠で、②手段が必要最小限度の場合にのみ合憲となる。
(4)本件では、処分1の目的は、議会の秩序を維持することにあるから、①必要不可欠といえる。しかし、本件発言の誤りを訂正させれば目的は達成されるのにもかかわらず「もってDを侮辱した」「ここに深く陳謝いたします」といった不必要な表現で強制的にXに陳謝の意を表させるのは必要最小限度の手段とはいえない。
(5)したがって、処分1は19条に違反する。
2 21条違反
(1)Xとしては、処分2は議員としての活動の自由を侵害し21条に違反すると主張することが考えられる。
(2)議員として活動するには自由な意思の表明を保障する必要があるから、議員としての活動の自由は21条の表現の自由の保障範囲に含まれる。そして、除名により議員として活動することができなくなるから、議員としての活動の自由が制約されている。
(3)議員として活動することは、活動を通じて民主制の過程に直接関与することができるから、表現の自由の価値の一つである自己統治の価値に直接かかわるものといえる。したがって、憲法適合性は上記19条違反と同じ基準で判断すべきである。
(4)本件では、議会の秩序を維持する目的は①必要不可欠であるといえるが、地方自治法135条1項では出席停止が掲げられているにもかかわらず、除名することは②必要最小限度の手段とはいえない。
(5)したがって、処分2は21条に違反する。
第3 想定される反論及び私見
1 19条違反
(1)想定される反論としては、①謝罪しない自由は19条で保障されない、②保障されるとしても陳謝の意を表明させることは直接的な制約ではない、との反論が考えられる。
(2)たしかに、「もってDを侮辱した」という表現からはDへの名誉棄損を認めるようにも受け取られるため、謝罪しない自由が直接制約されているとも思える。しかし、議会において自らの発言が誤りであったと認めること、陳謝の意を表す程度であれば一般的に見て儀礼の範囲にとどまるため、制約は間接的付随的なものにとどまる。
そうすると、合理的な範囲にとどまる限り19条に違反しないと解する。
本件では、陳謝文は定型的な表現であり合理的な範囲にとどまっている。
したがって、19条に違反しない。
2 21条違反
(1)想定される反論としては、議員としての活動の自由は21条で保障されないとの反論が考えられる。
(2)国会議員については免責特権(51条)が認められているのに対し、地方議会議員についてはそのような明文がないため、他の条文で保障されると解さざるを得ない。もっとも、21条で保障されるといってもあくまで表現の部分に限られる。議員が①違法または不当な目的で事実を適示したか、②虚偽の事実と知りながらあえてその事実を適示した場合でない限り制約は許されないと解する。
本件では、Xは新聞記者Cから入手した情報をもとに独自の調査を行っているから、①の場合にも②の場合にも当たらない。したがって、制約は許されない。

以上

 

感想等

第1 法律上の争訟性ですが、ここでも問題文をちゃんと読んでいません。処分1は検討しなくていいんです。

第3 21条については、まず「議員としての活動の自由」なんて21条で保障されるの?というのが第一感でした。

政治活動の自由なら、何も疑問は持たなかったんですが。

2(2)でやりたかったのは、①免責特権により活動の自由が保障されている国会議員との対比、②免責特権の判例(最判平成9年9月9日、百選176事件)の規範を用いてあてはめ、なんですが、そもそも免責特権って「院外で」責任を問われないことですよね。

本件は議会内の懲罰ですから、思いっきり的を外してますね。

なんとかE・Fは勘弁してほしいです。