今さらですが、去年の口述再現を載せます。1日目民事です。

 

主査:30~40代の男性。副査:50~60代の男性。

 

○パネル表面(再現不正確)

X(売主)→Y(買主) H29.10.1 売買 本件彫刻 200万円(本件売買契約)
X→Z 連帯保証
Zは、Yに対し、平成29年9月15日、本件連帯保証契約に関する代理権を授与した。

主査:あなたがXの訴訟代理人PとしてZに訴訟を提起する場合、訴訟物は何ですか。なお、遅延損害金などの附帯請求は考慮する必要はありません。
私:保証契約に基づく保証債務履行請求権です。
主査:請求原因は。
私:本件は保証ですから、まず、主たる債務の発生原因事実として「Xは、平成29年10月1日、Yに対し、本件彫刻を代金200万円で売った」という事実が必要です。つぎに、本件は代理ですから、XY間の法律行為として「Xは、本件売買契約の際、Yとの間で、本件売買契約の代金債務を保証するとの合意をした」という事実が必要です。
主査:ん?Xが、ですか?
え、いや、あの・・・(主語が違うことに気づいてない)・・・本件は代理ですから・・・Zが本人で・・・Yが代理人ですが・・・主たる債務はYが負い、Zは保証債務を負うわけでありまして・・・(混乱してきた)・・・「Yは、本件売買契約の際、Xとの間で、本件売買契約の代金債務を保証するとの合意をした」?
主査:はい、そうですね。
私:(XとYを入れ替えればいいのか)・・・そして、顕名の事実として「Yは、本件保証契約の際、Zのためにすることを示した。」。そして、代理権授与の事実として「Zは、本件保証契約に先立ち、平成29年9月15日、Yに対し、本件保証契約についての代理権を授与した。」。そして、「本件保証契約の合意は、書面によりなされた。」。以上です。
主査:本件訴訟にあたり、Pは本件売買契約の成立に関する証拠を集めていたのですが、Xは本件売買契約の契約書を紛失してしまいました。この場合、Pとしては、Xの手元にある証拠として、どのようなものがあるか聞くことが考えられますか。
私:(実務基礎論文の過去問にあったな)通常、売買契約書は2通作成されますから、相手方の持っている売買契約書がないかと・・・
主査:Xの手元にある証拠を考えてください。
私:それでしたら・・・売買契約に至る打合せや交渉記録・・・あとはXの手帳、手帳には打合せの日時や、売買契約の日時が記録されていると思います。
主査:そうですね。それでは、Pが聞いた話では、Zは資金繰りが悪化しており、一方で、高価な彫刻を有している。この場合、Pとしては、どのような手段をとることが考えられますか。
私:仮差押えの手段をとることが考えられます。
主査:その手段は、どのように進みますか。
私:えー、被保全債権の存在と、保全の必要性を示します。被保全債権は本件保証債務で、保全の必要性は、Zの資金繰りが悪化していることです。
主査:それで、結局、「高価な彫刻」は何ですか?
私:あ!動産の仮差押えを申し立てます。
主査:動産の仮差押え命令の申立てですね。
私:(要件なんか聞いてなかったのかな・・・まずいかも)
主査:それではパネルを裏返してください。

○パネル裏面(上部3分の2)(再現不正確。もっといろいろな事実が書いてありました)

Zの言い分
1.XとZは面識がない。
2.代理権は、本件彫刻ではなく、別のA彫刻の売買について代理権を授与したものである。Zの実印が押された代理権授与の書面に添付されていた印鑑証明書は、1年以上前の日付だった。
3.Xは、200万円はなしにする、とYに言っている。

主査:Zの訴訟代理人Qとして、主張することが考えられる抗弁は何ですか。
私:(ぱっと思いつかない)・・・えーと、実は代理権がなかったというのは、抗弁ではありませんし・・・代理権消滅の抗弁・・・いや・・・主たる債務者が売買契約の解除か取消しをしたことを援用?
主査:Xが「なしにする」といっている部分で、何かありませんか。
私:え?なしにする・・・Xから・・・200万円を・・・なし・・・免除!そうだ、債務免除です!Xの債務免除により債務が消滅したとの抗弁を主張します。(副査が、いったんチェックしたものを消して書き直している。かろうじて減点なしか?)
主査:それでは、またXの訴訟代理人Pの立場に戻ってください。Qの、代理権が消滅したとの主張に対し、Pは、民法109条の表見代理の主張に加え、110条の権限踰越の主張を行いました。この場合、110条の「正当な理由」の意義は何ですか。
私:はい、正当な理由とは、代理権があると信じるにつき正当な理由があることをいいます。
主査:正当な理由があると主張するだけでいいんですか。
私:いえ、正当な理由があることを基礎づける事実を主張します。
主査:それを一般的になんといいますか。
私:評価根拠事実といいます。
主査:それでは、またZの訴訟代理人Qの立場に戻ってください。Qが、Pの評価根拠事実の主張に対し、反対の方向の事実を主張する場合、どのような主張が考えられますか。
私:ええと・・・ 印鑑証明書は1年前の日付であった。それと・・・ZはXと面識がないこと?
主査:わかりました。平成29年9月15日、ZがYに代理権を授与した際、Bが同席していたことが判明しました。ところが、Bは、第1回口頭弁論期日前に海外赴任で日本を離れ、その後数年帰って来ないことがわかりました。この場合、Bに関する証拠を書面で残すにはどのような方法がありますか。
私:(え、この人書面って言っちゃったよ・・・去年と同じこと聞くなよ・・・陳述書でしょ?。でもとりあえず)証拠保全を行うことが考えられます。
主査:そのほかには?
私:ええと・・・当事者照会?(主査の表情が違うと言っている)・・・ 訴え提起前の証拠保全?
主査:もっと直接的で、単純な方法は、何かありませんか。
私:(忘れてた!)Bに会って話を聞き、それを、ちんちゅちゅ(口が回らない)・・・陳述書にまとめて提出します。
主査:ではパネルの下の方を見てください。

○パネル裏面(下部3分の1)(再現不正確)

Z:弁護はYと同じ先生にやってもらいたい
Y:代理権については悪いことをした

主査:この場合、弁護士倫理上、問題になることはありますか。
私:はい、利益相反が問題となります。
主査:条文は?
私:はい、弁護士職務規程の28条の・・・3号だったと思います。
主査:ほかに何か問題になりそうな規定はありますか?
私:はい、30何条かに・・・依頼者の利益が相反するような場合には、説明をしなければならないという規定があったかと思います。
主査:そうですね。では法文で確認してみてください。
私:はい。(法文をめくる)・・・32条の不利益事項の説明です。
主査:以上です。
私:ありがとうございました。

所要時間:約15分

 

感想等:

民事・刑事の合計が120点であったため民事は60点ではないかと思います。

出来は良くありませんが、主観的には、不合格だった前年と比べ大きな手応えを感じていました。

手応えといっても「59点はないだろう」というレベルですが。

今回の主査は誘導がうまくて、多少詰まってもすぐリカバリーできました。

順番が午後の一番最後でしたから、主査は、受験生が詰まるところ、助け船の出し方をわかっていたんだと思います。

そういう意味で、順番が遅い方が私は有利だと思います。

また主査との相性、運・不運もある気がします。