実務基礎対策について、忘れないうちにまとめておきます。

ロースクールに通えない私が取った対策は、もっぱら市販の書籍をいろいろ買って、つまみ食いすることでした。
そして本試験を何回も受けて修正して、6回目でようやくAにたどりつきました。
我ながら非効率的な勉強方法だと思います。
ただ実務基礎は、他の科目と違い、やった分だけ成績に反映されるというのが実感です。
唯一、ほぼ右上がりの成績でした。

まずは民事実務から。

○要件事実

初期は、「新問題研究 要件事実」(以下、問研)だけ読んでいました。
「紛争類型別の要件事実」(以下、類型別)は持っていましたが読みづらく放置していました。
初めて受験した平成24年はE、翌25年はFでした。
平成25年の問題は問研だけでは全然歯が立たず、別の本に手を出しました。

それが「完全講義 民事裁判実務の基礎 上巻」(以下、大島上巻)です。
ページ数はありますがそれは丁寧に解説しているからで、この本を繰り返し読むことで少しずつ要件事実が身についていきました。
請求の趣旨、訴訟物、請求原因事実をそれなりに書けるようになった平成27年はCでした。
自信を持って書けるようになった平成29年(最初の論文合格の年)はAでしたが、正確な知識ではなかったため口述で落ちました。

ここから、類型別を使い出しました。

1回目の口述で全然答えられなかった「賃貸借契約の終了に基づく建物収去土地明渡請求訴訟」は、類型別にちゃんと書いてあったからです。
ここから、合格に必要な範囲は類型別ではないかという考えに至りました。

結局、類型別をちゃんとやればいいんじゃないかと。

ただ、類型別は非常に読みづらいのです。あと私にはブロックダイアグラムというやつがどうも性に合わない。

そこで、類型別で取り上げられている訴訟の請求の趣旨、訴訟物、請求原因事実、抗弁事実等をエクセルにまとめ、類型別に書いていない不法行為や請負等は大島上巻で補充しました。
このまとめ表は私にとって決定的なツールとなり、2回目の口述試験会場にも持参して直前まで見直しました。
決定版にたどり着くまで7年かかっています(笑)。
 

「法律実務基礎科目ハンドブック1 民事実務基礎」(辰巳法律研究所)
この本には出題範囲が網羅されているような気がします。
ただ私は、他の誰かがまとめた本を読むだけでは知識を頭に残すことはできませんでした。

○事実認定

近年、最後の設問で問われている「準備書面に書く内容」です。
いまだに何を書いたらいいのかよくわかりませんが、間接事実ごとに証拠を挙げて、自分に有利な主張をするとともに相手の主張を叩くようにしました。

「事例で考える 民事事実認定」と「ステップアップ民事事実認定」を読みましたが、試験に必要だったかと言われると、これらの本の内容はオーバースペックだと思います。

○執行・保全

執行・保全については、深いことは聞かれません。
主要な条文と、「こんな時、どうするか」という問いに答えられるだけの知識があれば十分です。
法律学習者向けよりも、一般人向けの書籍のほうが役に立ちました。

「新版 仮差押え・仮処分の法律相談」(青林書院)
「民事執行法のツボとコツがゼッタイにわかる本」(秀和システム)
これらを必要な部分だけ拾い読みしました。

○法曹倫理

近年、論文では法曹倫理は問われなくなりました。
弁護士職務基本規程の条文を素読し、各条文のだいたいの意味と、場所を把握しておけば十分ではないかと思います。

「弁護士倫理の理論と実務」(日本加除出版)
事例が50あり、関連して問題となる職務基本規程条文が解説されています。
予備試験の出題形式に似ていると思い買ってみましたが、あまり使えませんでした。

「解説 弁護士職務基本規程 第2版」(日本弁護士連合会弁護士倫理委員会)
条文の趣旨や文言の意義を調べたいときに参照しました。