動産の二重売買、背信的悪意者からの転得者。370条「付加一体物」の意義
第1 設問1
1 CとDの関係
(1)CとDはAを起点とする二重譲渡関係。対抗要件の先後で勝敗が決する(178条)
(2)Dの方が先に引き渡しを受けたため勝ったかに見える。しかし、嫌がらせ目的。178条の第三者といえるのか
(3)第三者=当事者及びその包括承継人以外の者で対抗要件の欠缺を主張する正当の利益を有する者。単に悪意は自由競争の範囲内だが、対抗要件の具備を主張することが信義則(1条2項)に反する背信的悪意者は第三者に当たらない
(4)嫌がらせ目的は自由競争の範囲内を逸脱し対抗要件の具備を主張することが信義則に反する。したがって背信的悪意者に該当
(5)よってCはDに対し対抗要件なしに引き渡しを請求できる
2 CとEの関係
AD間の売買は有効に成立しており、ただDは所有権の取得をCに対抗できないだけ。すると転得者EはCとの関係で背信的悪意者と認められない限り178条の第三者に該当。本件ではEが背信的悪意者であると認められる事情はない。したがってCはEに対し庭石の引き渡しを請求できない
第2 設問2
1 物権的請求権の根拠:抵当権(369条1項)。登記があるから対抗要件具備(177条)
2 370条本文の「付加一体物」に従物(87条1項)が含まれるとの論証
3 よってBは抵当権に基づきEに対し庭石の引き渡しを請求できる
以上
設問2で、Eは動産の対抗要件を具備しているのに、Bの抵当権に基づく引き渡し請求に勝てないのはおかしいとも思えます。しかし最判昭44・3・28(百選Ⅱ(7版)82事件)は、「……根抵当権は本件宅地に対する根抵当権設定登記をもって、……民法370条により従物……についても対抗力を有する」としています。つまり、抵当権設定登記をしてしまえばその時点で動産としての庭石についても対抗要件を備えたことになりますから、もともとEに勝ち目はなかったことになります。なんだか抵当権が強すぎるような気がします。
第1 設問1
1 CとDの関係
(1)CとDはAを起点とする二重譲渡関係。対抗要件の先後で勝敗が決する(178条)
(2)Dの方が先に引き渡しを受けたため勝ったかに見える。しかし、嫌がらせ目的。178条の第三者といえるのか
(3)第三者=当事者及びその包括承継人以外の者で対抗要件の欠缺を主張する正当の利益を有する者。単に悪意は自由競争の範囲内だが、対抗要件の具備を主張することが信義則(1条2項)に反する背信的悪意者は第三者に当たらない
(4)嫌がらせ目的は自由競争の範囲内を逸脱し対抗要件の具備を主張することが信義則に反する。したがって背信的悪意者に該当
(5)よってCはDに対し対抗要件なしに引き渡しを請求できる
2 CとEの関係
AD間の売買は有効に成立しており、ただDは所有権の取得をCに対抗できないだけ。すると転得者EはCとの関係で背信的悪意者と認められない限り178条の第三者に該当。本件ではEが背信的悪意者であると認められる事情はない。したがってCはEに対し庭石の引き渡しを請求できない
第2 設問2
1 物権的請求権の根拠:抵当権(369条1項)。登記があるから対抗要件具備(177条)
2 370条本文の「付加一体物」に従物(87条1項)が含まれるとの論証
3 よってBは抵当権に基づきEに対し庭石の引き渡しを請求できる
以上
設問2で、Eは動産の対抗要件を具備しているのに、Bの抵当権に基づく引き渡し請求に勝てないのはおかしいとも思えます。しかし最判昭44・3・28(百選Ⅱ(7版)82事件)は、「……根抵当権は本件宅地に対する根抵当権設定登記をもって、……民法370条により従物……についても対抗力を有する」としています。つまり、抵当権設定登記をしてしまえばその時点で動産としての庭石についても対抗要件を備えたことになりますから、もともとEに勝ち目はなかったことになります。なんだか抵当権が強すぎるような気がします。