この記事はアニメ 銀河英雄伝説Die Neue These 第9話「それぞれの星」のネタバレを含みます。未視聴の方はご注意ください

また、銀河英雄伝説全編のネタバレを含む可能性もあります、初見の方はお気を付けください

 

さすがにこのアニメだけは例外的に感想早めに書きます

 

「更新頻度落とす」と書いた舌の根も乾かぬうちであっても、このアニメは先週が先週でしたしね
声優回とか、某「覇穹」のせいでろくな印象がありません
ただシュトックハウゼン長谷さんだけはちょっと面白かったです 

ゼークト閣下が不在なのは出撃中だったからですよね

 

そういえば、今回の感想に絡めて

 

「歴史とは今生きている私たちが作っていくものだ」

「何が正義で、崇高な行為か、決めるのは、私たちひとりひとりだ」

って今回ジェシカさんが主張してました

 

私は今生きているはずなのに、気がつくとネットの時代の流れから取り残されてしまっていたようです


もっとも、今の時代のネットがどんなの知りたくてブログを始めてみたというのもあるので、早々に思い知れたのは収穫でした

 

まあ、他人にどう思われても私は、私の星を掴む事にします
たとえそれが、アルファルドのような孤独な星であっても

 

冒頭

 

忘れられがちですが、元の職業は音楽教師なジェシカ

「DNT」では前作に比べかなりクローズアップしてもらえてます

 

テルヌーゼンを発ち、ハイネセンのヤン宅を訪ねるジェシカ

 

ユリアン「はい、どちらさまですか?」

ヤンは留守だったらしく、対応したのは(被)保護者ユリアン

 

ジェシカ「あ、あの…あなたは…?」

ここのジェシカ、一瞬「奥さん!?」とか思ってたら面白いですよね

実際ユリアンみたいな子が嫁ならその男は幸せでしょう

 

それにしても、民間人にはトラバース法ってあまり周知されてないんでしょうかね

 

OP明けて

 

まだまともな人も残っている自由惑星同盟最高評議会

首脳陣を見下ろす筋骨隆々なハイネセンの像がなんともいえず、同盟の現状の滑稽さを際立たせています

 

レベロ「妙な言い方になりますが、長年銀河帝国と我が同盟とは財政のかろうじて許容する範囲で戦争をしてきたのです」

本来、戦争は生きるために奪う行為の延長なのに、いくらやっても消耗するだけっていうのは馬鹿げてますよね

 

数少ない良識派レベロ

この先のことを思うと哀れでなりません

 

彼の「戦争そのものを止めるべき」という発言に表情一つ変えないトリューニヒト

某所で「モブ・トリューニヒト」とか言われてましたが、むしろ国家を内側から食いつぶすような人物なんて、その辺にいそうな普通の人の顔をしてるんじゃないかなって思います

だからこそ、怖い

 

あのクソ作戦案もすでに入手してて、これからどう身を振るか決めてるからこそこの余裕ぶりなんですかね

 

戦争を続けるか続けないかの、ろくでもない議論から場面変わって、辞表を胸に出かける準備をする、話題の英雄ヤン・ウェンリー

念願の日を迎えても、物憂げな顔がどこか前向きに話が進まないことを予見しているような感じがしました

 

「話したいことがある」「今夜の夕食は外で」とユリアンに言い置き軍に向かうヤン

 

第九話 「それぞれの星」

いいタイトルですよね

「銀英伝」らしいというかなんというか

 

今回こんなに同盟オンリー回になるとは思いませんでした

おそらく「邂逅」ラストと思われるアムリッツァに向けてもう少し帝国側も見せるのかなと予想してましたが、恐ろしく小説通りに作ってくれました

 

人によっては、面白くない回と受け止めたかもしれません

 

シトレ「辞めたいというのかね、しかし君はまだ30だろう」

「まだ俺になんかやれっつーんかあんた」、って

言えるものなら言ってやりたいであろう、ヤンが辞意を示すシーン

 

ヤン「29です」

シトレ「人生を下りるのには早すぎると思わないかね」

あ、これ相手が女だと、明日あたりシトレが訴えられるやつだ

 

歴史家よりも軍人にいてほしいという時代

 

ちなみに私に「銀英伝」を勧めてくれた友人が先日「大友興廃記」の翻訳本を出版して本当に歴史家になってしまいました

歴史好きもここまで行くと見上げたものです

 

イゼルローンを同盟が手中に収めたので、帝国領に侵攻しようという議題が今上がっているというシトレに対し

 

ヤン「それじゃ逆だ、なんのためにイゼルローンを!」

当たってほしくない予感にかぎって当たる

 

本当にろくでもないですね同盟の首脳陣

フェザーンの扇動が入ってるはずなんですが、自発的に戦争してるように見えます

 

シトレ「第十三艦隊をどうする? 創設されたばかりの、“君の”艦隊だ、君が辞めたら、彼らはどうなる?」

実はヤン、これ考えてなかったんですよね

 

「みんなで仲良く退役しようぜ」って訳にはいきませんし

会社なら、「こんなところ辞めてあんた頭にして新しく組織作ろうぜ」ってやり方もあるんですが、軍だとそうはいきませんよね

 

ルイ「本来、社会開発に用いられるべき人材が軍部に偏っていく現状には不安を禁じ得ない。教育や社会福祉に対する投資が削減される一方だ」

なかなか身につまされることを言っている、レベロと並ぶまともキャラ、ホワン・ルイ

 

要するにレベロやホワン・ルイみたいな「皆が皆戦争に行かされて国が傾いてる、そろそろ戦争やめーや」派と

 

この人たちみたいな

「戦争に勝って支持率あげなきゃ」という民の命なんとも思ってない派が言い争ってます

 

私は政治家ではないのでわかりませんが、前にアメリカが同時多発テロを受けて関与の証拠は「非常に微妙から伏せる」とか言いつつアルカイダに戦争仕掛けたことがありましたよね

とりあえず、国民の怒りの矛先をなんとかしなきゃ、で始まる戦争って実はいっぱいあったりしたのかもしれません

 

何より自分自身で怖かったのが、このアニメ観るまで、そんなテロや戦争のこと、スポーンと頭から抜けてたことなんですよね

昨年のラスベガス銃乱射もそうですが、人が死んでるのに遠く離れてると、すぐに過去になっていくんです

 

つまり、この人たちにとってイゼルローン奪取はもう過去で、アスターテも過去で、それは数字と記録でしかない

こんな風に戦争も支持率にどう影響するかの「数字」でしかない

 

怖いですよね

 

ちょっと違いますが、分かりやすいたとえとして

私も、「銀英伝DNT」の感想記事上げた次の日はアクセス数が増えるのが嬉しかったりしました

(何故嬉しかったのかは一つ前の記事参照)

この場面、「数字」だけで語るってことがなんて怖いのか、って思ってしまい、自分の中にも、そういう数字だけで考えるクズな自分がいるって思い知りました

 

サンフォード「ところがだ、ある指標によればここ100日以内に帝国に対して画期的な軍事上の勝利を収めれば、支持率は最低でも15%は上昇するという数字が出ているのです」

台詞書くために、何回か再生するだけでも吐き気がしたこの場面

 

でも世の経営者とか割とこういう風に考えてるのかもしれません

一番恐ろしいのは、「具体的」で、「頭の悪い人間にも理解できる」んです、数字って

 

さっきの例のように、私も数字が欲しいときがあります

給料も数字ですし、アクセス数も数字です

国民数も税金も事故数も票数支持率も、みんな「数字」

そんな数字の魔力が、人の命を軽んじさせる。そんなシーンだと思いながら観てしまいました

 

無理矢理詩的に感想書くのはこれくらいにして

 

物語の重要な部分

可決されてしまう帝国領への侵攻作戦

これが民主主義

多数決の結果でした

 

よく見ると、トリューニヒトは真っ先に「反対」に入れており、うるさいおばちゃんウィンザー夫人は真っ先に「賛成」に入れてるのが分かります

 

この部屋にいる中で一番不気味な存在、トリューニヒト

 

トリューニヒト「私は愛国者だ。だがこれはつねに主戦論にたつことを意味するものではない。私がこの出兵に反対であったことを銘記しておいてもらおう」

確実に失敗するの分かってるんですよね

 

逆に言うと、アスターテ会戦は軍さえまともに動いてたら、ダゴンの殲滅戦みたいに「勝てる」と踏んでた訳で

帝国にラインハルトがいたから負けたんですけど、なにげに結構痛い計算違いだったのかも

 

憎まれ役ではあっても、馬鹿ではない…なかなか見ごたえのある悪役です

憎まれ役であって、ただの馬鹿…某准将がこの裏にいたから彼も展開を読みやすかったのかもしれませんね

 

辞表が受理されないまま、エレベータの中でシェーンコップと鉢合わせるヤン

 

シェーンコップ「もしかして、辞表を提出にみえたのですか」

ヤン「ま、本部長が片手で辞表を受け取りながら、片手で退職金をくれるとは思わなかったけどね」

ちょっと小説と違う台詞での皮肉が入りました

 

シェーンコップ「真面目な話、私は提督のような方にこそ、軍に残って頂きたいですな」

ダメダメ、有能な人間は組織に見切りをつけるのも巧いの 

有能だから、そういう判断も早いの

 

実体験を交えた冗談はさておき、「DNT」のシェーンコップは心の真底からヤンに忠誠を誓ってるって感じがします

忠誠を誓ってるというか、「こいつに着いてきゃ大丈夫」みたいな信頼を寄せているというか

 

シェーンコップ「私は自分の人生の終幕を、老衰死と決めているのです、150年ほど生きてよぼよぼになり、孫やひ孫どもが『厄介払いができる』と嬉し泣きするのを聞きながらくたばるつもりでして」

先週の特番に田中芳樹先生が出てましたけど、こういうセリフ回し、すごいと思います

 

たしか普通の天寿が医療の進歩で100年位になってるんでしたっけねこの時代

シェーンコップの性格が子孫に受け継がれていくと、ひ孫に男がいたら早々に玄孫を作っちゃうのがいそうな気がします

 

「ぜひ私をそれまで生き延びさせてください」という、国ごと何とかしてくれとでも言いたげな台詞を残し去っていきました

実際そう思ってるんですよね、まだ口には出しませんが

 

そしてヤンはユリアンを伴って三月兎(マーチラビット)亭へ

なんか「冒険者の宿」って感じがして雰囲気いい店です

 

フレデリカ「提督」

ヤン「中尉…」

フレデリカ「私でも私服は持っておりますわ」

女の子にとっては憧れの場面、なのでしょうか?

ピンクのルージュがなんか無理しておしゃれしてる女学生みたいな印象を受けました

 

この出会い、仕組まれてたって思うのは深読みですかね

 

グリーンヒル「遅くとも来週には君は中将だ」

後にえらいことになってしまう、ドワイト・グリーンヒル大将初登場

 

前作に比べて、随分威厳がある感じの、骨太な親父になりました

 

ところで、人事は先にばらすのが同盟の軍のデフォなんですか

企業勤めだと結構ぎりぎりまで教えてくれないって思ってるんですが

 

フレデリカ「ご存じなかったのは提督くらいのものでしょうね」

ユリアンの文武両道ぶりを知らない保護者

これはヤンが世間に無関心というより、ユリアンが自分で話さないからって気がします

 

ゼリーサラダを食べながら憂国騎士団とか不穏な話

ところで、ゼリーサラダって何かと思ったら煮凝りみたいなサラダなんですね。あまり食べないです

 

場面移って悪巧み大好きフェザーン組

白ワインを呑みながらボルテックの首尾を聞いているルビンスキー

 

関係ないと思いますが、ヤンもさっき白ワインを呑んでました

ワインは白派なんでしょうかね

 

ルビンスキー「両国の戦時国債の半分近くはこのフェザーンが買っている。宇宙は人類の足跡あるところすべてこのフェザーンが統治する」

難しそうなこと言ってますが、

要するに「争え… もっと争え…」ってことですよね

 

正直、最初に「銀英伝」見たときはこの人早々にルパートにやられて退場するんだと予想立ててました

 

ドミニク「第二のルドルフが現れて、新銀河帝国でもできない限りは」

割と只者ではないこの人も名前を説明してもらえました

 

前のアニメよりちょっと若返ったでしょうか

このひと「コーティザン」って言葉が似合います

実際は踊り子のようですが、ファンタジー世界だとよく兼ねてます

 

ルビンスキーの「新銀河帝国か…」という独白とともに、フェザーン組のオトナな時間が終わって、ちょっと純情なシーン

 

グリーンヒル「ところでヤン中将、君はまだ結婚する予定はないのかね?」

フレデリカ「…!」

ひでえやこの親父

 

「いい人いないの?」って意味で言っててもひどいですし、「うちの娘どう?」って意味で言っててもひどいです

 

ヤン「そうですね…平和になったら考えます。婚約者を残して逝ってしまった友人もいますし」

ジャンはヤンに結婚式でのスピーチを頼んだりしてたんでしょうかね? 一番の友人っぽかったですし

 

そういえば友人からの結婚式の招待は仕事の忙しさで断ってばかりの人生でした… それでも葬式に来てもらうよりはよかったです

 

さておき、このヤンの台詞が後の場面に繋がっていきます

 

アナウンサー「先日、テルヌーゼン惑星区の補欠選挙区から選出された議員、ジェシカ・エドワーズ氏が本日、就任演説を行います」

たった今話題にした人がいきなりタクシーのテレビに映りました

 

改めて考えたらすごい偶然ですよね

同盟のテレビって何Chくらいあるんでしょ

 

そうこうしてる間に渋滞?で止まってしまうタクシー

顔が知れまくってるらしく「国民的英雄」とか持ち上げられるヤン

 

この世界、「シェーンコップファンクラブ」とか「フレデリカ様を応援したい会」とかありそう

 

ヤンのFCは藤崎先生版漫画で他ならぬフレデリカが運営してましたね

 

警官「都市交通制御センターの管制コンピュータの不具合らしく…」

「最近どの職場でもベテランが不足している」というダメメーカーの特徴みたいなことを説明する警官

 

もっとも、この場合は日本と違って戦争に駆り出されてるからなんですけどね(日本のメーカーの現状は、有能な人間が次々と海外に逃げてます)

 

ヤン「仕方ない、歩こう」

ユリアン「はい!」

やたらめったら嬉しそうなユリアン

5話で出てきたときはヤンを馬鹿にしてたり惚れてるレベルで尊敬してたり態度がブレまくってましたが、やっとキャラの軸が安定してきたような感じがしました

 

1時間くらいなら歩く、とのこと

さすが29歳、若いですねー

 

ジェシカが訪ねてきたことを思い出すユリアン

 

ジェシカ「そう…養子に。あのヤンが」

学生時代からヤンってどんだけ生活無能力者だったんですか

よき友人、後輩に恵まれたようですけどね

 

そういえばアッテンボローがまだ出てきませんな

彼とヤンの学生時代のエピソード好きなんですが

 

ユリアン「でも提督は、『僕が大人になる頃は平和になる』って言ってます」

ヤンの希望的観測を嬉しそうに話すユリアン

 

私も、今を生きる子供に「君が大人になる頃はもっといい世の中になってるよ」って言ってあげたいです

言ってあげたいです…

 

このときの言葉がジェシカに覚悟を決めさせた、訳ではないようですね1か月前ですし

選挙ってそんなにすぐ終わらないです

裏方はすっごい地道で大変って公務員やってる友人が言ってました

 

そして、今回のタイトル回収

 

ユリアン「提督」

ヤン「なんだい?」

ユリアン「僕ら今、同じ星を見てましたよ、ほらあの大きくて、青い星」

私たちが「青い星」って言われると真っ先に思い出すのはこの地球なのですが…

 

えーと……、「地球にI love you」って名曲ですよね!

 

この星はハイネセンの衛星なんでしょうか、それとも遠い宇宙の恒星なんでしょうか

 

ユリアンが見上げる星の名前を思い出せないヤン

 

ヤン「お前は、私と同じ星を見上げる必要はないんだよ」

ユリアン「え?」

ヤン「(人は、自分だけの星を掴むべきなのだ、たとえどのような兇星であっても…)」

最後の台詞は、きっと口に出さず心で思っただけだと思ってます

 

全体的に、「銀英伝」のキャラってロマンチストが多いですよね

色んなベクトル向いてるんですけど、結局、ロマンを重視して生きてる人が多いって思います

で、「DNT」は絵柄のおかげか、それがうまく出てるなあと

 

そしてラストシーンのジェシカ

 

ジェシカ「歴史とは、今生きている私たちが、作っていくものなのです」

明らかにヤンからの影響を受けている演説

 

個人的に言えば、演説はもう少し動きが少なくてもできるのでは、と

ただ、このジェシカの演説で言っていることには非常に共感しました

 

ジェシカ「私は、権力を持った人たちに常に問いかけていきたいのです。あなたたちはどこいるのか、兵士たちを死地に送り込んで、あなたたちはどこで何をしているのかと!」

歴史に流されて自分の人生好き勝手されてたまっかい

過ぎ去った後で語るのは好きにすればいいけど、「今」どう生きるかは自分で決めさせろ、考える間もなく理不尽に殺すな

実によく分かります

 

一気に同盟側の主役級まで引き上がったジェシカ

 

この先の展開はろくでもないですが、描き方次第でどう見えるか、それもまた歴史ですよね

 

1週空いた「銀英伝DNT」九話「それぞれの星」ここまでです

 

次回 第十話「幕間狂言」

一瞬タイトルで「やばい、時間稼ぎの総集編!?」とか思ってしまいました

これもみんな覇穹って奴の仕業なんだ

 

小説通りのタイトルですね

順当にいけば“彼”が出てきます

ものっそいかっこいい声の声優さんをあえて使って、あの台詞を聞かせてくれることを期待しています

 

では、ここまで

 

Videte ne turbemini.