この記事はアニメ ゲゲゲの鬼太郎 6期 第6話「厄運のすねこすり」のネタバレを含みます。未視聴の方はご注意ください
今週の「ゲゲゲの鬼太郎」は社会問題を取り入れつつ、妖怪と人間のあり方を新しい切り口から見せてくれたとても悲しい回でした
この回、観ていた子供さんじゃなくて、一緒に観ていた親御さんで泣いてしまった人が多かったんじゃないでしょうか?
今週の妖怪、すねこすりは妖怪としては非常にメジャーですよね
犬とも猫ともつかない可愛らしい妖怪です
2005年の、神木隆之介主演の映画「妖怪大戦争」を覚えている人ならどんな妖怪かよく知っているのではないかと
でも、どんなに愛らしい外見をしていても妖怪は妖怪
今回のテーマはそこにあると見せかけてまた違うところにありました
人間から愛玩の対象にされやすい妖怪、というのを逆手に取ったような話でしたね
第6話 「厄運のすねこすり」
全部観てから改めてタイトルの意味を考えるととても切ないです
シロが運んできたのは「厄」だけじゃなかったと思いたいです
ただバッドエンドではなく、ビターなエンド、って感じでしょうか
冒頭
まるでミイラになるように痩せ枯れていくおじさん
そして巨大化する獣
ホラーシーンから始まるのは今回も同じです
「シロ」と呼ぶ、猫の様な生き物を可愛がっている田舎のお婆さん、マサエ
三毛猫っぽいのに「シロ」とはこれ如何に
猫ならば大好物なはずの魚を食べないシロ
本物の猫にこんな魚を出そうものなら大喜びでがっつき始めます
で、食い終わると名残惜しそうに骨をしゃぶります
私自身は猫を飼ったことはないので野良猫にあげたときの経験ですけどね
にゃーにゃーと可愛く鳴いて、一見一緒に幸せな生活を送っているシロとマサエ
旦那さんと思しき人の遺影が見えたり、どうもマサエさんは独り暮らしのようです、いわゆる独居老人ですね
そんなマサエの元にいきなり帰ってきた息子、翔
田舎暮らしが嫌で東京に飛び出したようです
よくある話ですね
私はのんびりした田舎暮らしが好きなので、わざわざ出ていきたいという気持ちが分からないです
今の時代はネットさえ整備されてればそこまで娯楽に不自由しませんしね
ま、私の話は置いておいて、大事な「家族」に喧嘩腰な翔を、シロは「敵」だとみなしたような表情を見せます
ちなみに、私は猫からはそこそこ懐いてもらえますが、犬はダメです。なぜかすごく嫌われて吠えられます
5話の町興しやってた街が可愛く見えるレベルの田舎な、故郷の風景を見ながら思いにふけり、
知人のおばさんから村の人がミイラのようになって死んだ事件を聞く翔
本当に田舎の人はうわさ話が好きです
冒頭の地蔵だらけの家ですね
家と言うより、すでに廃屋になってますね…
それ以前に、なんでこんなに家の周りに地蔵があるんですか
翔は東京での仕事を聞かれて、「フリーター」とのこと
要するにコンビニ店員のバイトですね
おばさん、フリーターの意味が分からないってなんぼ年寄りで田舎暮らしでも、ものを知らなすぎでしょう
フリーのプログラマーの方の中には勤め人よりよっぽど稼ぐ人もいるので、そういう職業と勘違いしたんでしょうか
実家に帰ったのも、金を無心しに行ったわけじゃないだけ、翔はまだまともな若者に見えるのですが…
マサエの敵だと思われた翔はシロに襲われます
ギラリ
普通に怖い
どちらかというと猫よりもオオカミとか犬寄りの生き物に見えますよね
こんな化け物に襲われたとあって、翔は何処で情報を仕入れたのやら妖怪ポストに手紙を出したようです
その行動には母への想いがある、んだと観返すと分かりました
わざわざポストに手紙を入れに調布まで行ったんでしょうかね
「東京」と一言で言っても広いんですが
ねずみ男「なになに? ふうん、ほう」
妖怪ポストがこんな風にねずみ男にも勝手に確認できるようにしておけるようにしてある状況に、不安しか感じません
ねずみ男「大丈夫、このねずみ男、鬼太郎を一人で行かせるような真似はしないぜ!」
鬼太郎「…ついてくる気か?」
今回は幸いにも鬼太郎が手紙に気付いて向かいますが、ねずみ男は歓迎されてないです。基本戦闘面では無力ですしね
本業である「妖怪絡みの事件の解決」に向かう鬼太郎
今回はまなも猫娘も出てきません
そもそも大きなお友達向けには作っていないアニメのようです
スマホをいじって待っている翔
なんかいかにも現代っ子って感じがします
バス停にベンチ一つもなく、時刻表の台に座ってるのが妙にリアルにド田舎って雰囲気です
やっと来た鬼太郎に、はじめはねずみ男を鬼太郎と勘違いし、さらにねずみ男を鬼太郎の親だと勘違いします
目玉おやじ「鬼太郎の父親はわしじゃぞ、目元のあたりがそっくりじゃ」
ツッコミどころ満載です
目玉おやじはなんでこんなに躊躇なく人間の前に姿を現せるんでしょう…
写真一枚とられてネットに拡散されたらえらいことになる、とかは一切考えないんでしょうか?
今はこんな姿とはいえ、目玉おやじも仮にも幽霊族だから写真には写らないのかも
ねずみ男「いやー、じつに緑豊かというか趣があるというか、素敵にしけたところでございますね」
翔「ド田舎って言いたいんだろ?」
いいじゃないですか、のどかな田舎暮らし
金の交渉を始めるねずみ男はスルーされて、解決に動き出します
マサエ「げほっ、げほっ、今年の風邪は長引くねえ」
シロが原因とは知らず、体調を悪化させていくマサエ
マサエ「あたしの子でいてくれるのはお前だけだよ」
シロ「にゃーん」
シロもまた自分がマサエの体力を吸っているなどとは夢にも思っていません
ずっとこんな日々が続けばいいと願っていたでしょう
その様子を見ていた鬼太郎たち、妖怪アンテナに反応があるので翔が言っていた妖怪が、シロなのはすぐに分かったようです
鬼太郎「あの猫か…」
目玉おやじ「しかし、ずいぶん仲が良さそうじゃのう」
ねずみ男「どーせ演技でしょ、猫にはろくなのがいないんだから」
ねずみ男はやはり種族的な問題で猫が苦手なんでしょうか?
それとも猫娘に出会ったことで後天的に苦手になったんでしょうか?
ねずみ男「冷酷で狂暴で心なんてもんは持っちゃいねえいやだいやだ…」
♪目と目が逢う しゅーんかん すーきだときづいーた~
♪あなたは今 どーんなきもちでいーーるのーーー
悪意を感じ取ったのか、ねずみ男を追いかけるシロ
鬼太郎のリモコン下駄での牽制も難なくかわします
鬼太郎「黙ってるなら、僕は力づくでお前をマサエさんから引き離さなくちゃならない」
シロをいわゆる「人に害をなす妖怪」だと思い込んでいる鬼太郎
「退治する」ではなく「引き離す」ってあたりに怖い顔してても優しさを感じます
シロ「引き離す? 何故俺から『母ちゃん』を奪おうとする!?」
もう悲しい話になる予感しかしません
鬼太郎「お前と一緒に居ると、マサエさんは死んでしまうだろう!」
自分が妖怪だと気付いていないとは、まさか思っていない鬼太郎から告げられる残酷な真実
目玉おやじ「気づいておらんのか。お前はただの猫じゃない、人の気力を吸い取る妖怪『すねこすり』じゃ」
突きつけられる現実
鬼太郎「思いあたることはないのか。人に触れあうことで元気になったり、お前といつも一緒にいた人間が死んだりしたことは」
今はすっかり辺鄙な田舎になったこの場所にかつては人がたくさんいて、その頃なら何の問題もなかった
すねこすりはほんの少しづつ、人から気力を分けてもらうだけの無害な存在でいられた
妖怪だから、動物のように餌を食べたくもならなかった
シロ「まさか…」
水に映る自分の姿を見て、大切なマサエを苦しめているのが自分だと気付くシロ
信じず駆け出しても
自分を抱きしめ微笑んでくれた後に苦しむ「母」の姿に現実を受け入れるしかありませんでした
大切なればこそ、離れるしかない
山の中、自分と同じく寂しそうな子鳥の元に、親鳥が帰ってきてくれる様を見てさらに寂しさが募ります
なんというか、このアニメ、こういう心理描写が恐ろしく巧みです
そして、寂しい子供がもう一人
バイトの休憩時間にスマホで見ているテレビのCMに母を思い出す翔
今の時代って、スマホでテレビ観れるんですよね
最近、「鬼太郎」を観るために久しぶりに部屋にテレビチューナーを繋ぎました、10年以上ぶりだったかと
で、ついでにいい機会だったのでスマホでテレビも観れるように色々設定しました
そんな時代遅れな私のことはどうでもよくて
時代遅れというより、原始的な手段で翔に連絡する鬼太郎
鬼太郎「マサエさんが、どこにもいないんだ」
どうやって住所を突き止めたんでしょう…?
翔は念のため妖怪ポストに出した手紙に書いておいたんですかね
マサエ「シロ…! シロ!」
現代でも山の中で熊とか野生の獣が危ないのは本当です
先日、鳥取城跡を観光したときにこんなものを見かけました
ちなみに鳥取は「水木しげるロード」がある、このアニメにとっては聖地と言っていい県です
たまたま旅行した直後に「鬼太郎」アニメ復活の報を聞いてびっくりしました
閑静でごみごみしてないですし、温泉もありますし、人によっては砂丘以外に観るものもたくさんある、穴場の観光地です
今年は混んでるかもしれませんが、アニメ観たら聖地巡礼とかする人は行ってみてはいかがでしょうか
さて、アニメの方の展開は…
マサエ「シロ…、お前までいなくなってしまったら…」
朽ち果てた「猛獣注意の看板」が立ててあるような鬱蒼とした山の中を弱り切った体でシロを探し彷徨うマサエ
人生で何度か亀とかカブトムシとか、生き物を飼ったことがありますが、可愛くなればなる程、閉じ込めているのが可哀想になって山とか自然に逃がしてきました
そんな経験もあって、動物や虫じゃなくて花や多肉やらの植物を育ててるんですよね。じっとしててくれるので
お約束のように熊に襲われてしまうマサエ
昔、山の中のペンションに泊ったとき、「今朝罠にかかってたのを料理した」と言って、オーナーに熊鍋を食べさせてもらったことがあります
うまく子熊が捕まってると生かしたままトラックで都会に運んで売るんだとか
つまり、山ではさっき画像出した籠のように、地域の人たちがこういう害獣は駆除してるんですが、このあたりは人が減ってしまって対処がおぼつかなくなったようです
「母」と呼ぶマサエの悲鳴に駆けつけた、妖怪”すねこすり”のシロ
皮肉にも、妖怪であったからこそ、マサエを守れました
彼は山を彷徨いながら、どれほど自分が「ただの子猫」であることを望んだのでしょう
でも、本当にただの子猫であったなら、母を守れなかった
マサエ「シロ…」
首輪を見て、自分を助け去ろうとしている大きな獣がシロであると悟るマサエ
やっと会えたと喜んで抱きしめてくれますが、その行為からでさえ自分はマサエから気力を奪ってしまう
マサエのために、無理矢理振りほどくシロ
しかし、さらに皮肉なことにその様は化け物が人を襲っているようにしか見えませんでした
翔は「母が危ない」と思い込みます
翔「俺の母ちゃんに手を出すな!」
普通なら失禁しても気絶してもおかしくない状況で傘を構え立ち向かう翔
「生きるために気力が欲しいなら自分からでも良いから、『母ちゃん』だけはやめてくれ」と命を懸けて母を守る翔に、シロは何を想ったのか
自分は間違えていたという悔恨か
ひょっとしたら、自分以外にもマサエを想う人がいたという安堵もあったかもしれません
もうここから号泣しました
シロ「…、ククク、ついに正体がばれちまったな」
巨大化したことで千切れて首から落ちる名札
マサエのために、自分から「シロ」でなくなるかのような選択
シロ「婆さんよく聞け、俺は人間の気力を食らう妖怪なんだよ! それを知らずに『シロやシロや』と。寂しい婆さんを騙すのは、簡単だったよ!」
「本当に、他にどうしようもなかったの?」
って、傍で見てた鬼太郎に言いたくなる展開でした
自分を、見た目通りの「悪い妖怪」に仕立て上げることで、マサエの命を守ろうとするシロ
マサエ「それでも、お前は私のシロだ、大切な私の可愛いシロだよ」
なんて嬉しくて、そして悲しかったでしょうね、シロ
こんなに泣いたのは久しぶりです
シロ「どこまでも救いようのない婆さんだ、そんなに俺が大切なら最後に、最後にお前のすべてを食ってやる!」
ここまで、ここまで悪役を演じないといけないほど、シロはなにか悪いことをしたんでしょうか?
勇気を振り絞った翔の振り下ろす傘にぺちりとやられ
シロ「た、助けてくれえ~~!!」
芝居で翔に打ち負かされるシロ
いったい、「なに」から助けて欲しかったんでしょうね…シロは
「助けてくれ」という言葉は芝居ではなかったでしょう
助けることができなかった鬼太郎
全てわかったうえで黙って見守るしかなかった今回の主人公
答えがない話だってあります
救いがない話だってあります
マサエとの思い出を思い出し、声なく大声で泣いて、宝物の首輪を地面に落としたまま山の闇の中に歩いて行くシロ
悲しい話でした
ただ、ただ、泣きました
けど、この話で泣ける自分に少し安心もしました
こういう話で「泣いた」って正直に言えることが少し嬉しくもあります
もし今後、何かあって人に冷たい気持ちになったらまた観返して、泣きたいと思う話でした
翔「本当に、ありがとう。助かったよ」
鬼太郎「いや、僕は何も…」
本当に鬼太郎は今回何もできませんでしたね
シロをゲゲゲの森に連れて行って、ときどき都会に連れていく、とかまったく救う手がなかったわけでもないと思いますがそれを考えるのも野暮ってものでしょう
今回の礼を要求するねずみ男と同じくらい、野暮でしょう
不器用ながら、この親子のわだかまりが解けたことがこの話の、せめてもの救いでしょうか
マサエ「シロ、ありがとうね…」
マサエさんはシロの気持ち、全部分かってた気がします
悲しい話でしたが、ただの悲劇でもありませんでした
山を見上げ、何も言わない鬼太郎は何を想うのか
それは鬼太郎の心の中だけにあればいいものだと思います
次回 第7話 「幽霊電車」
また色気のなさそうな話ですが、非常に鬼太郎らしいホラーな話になりそうな気がします
あまりつらつらと書くのも、今話は無粋な気がするのでここまでで
また来週!























































