この記事は漫画「銀河英雄伝説」10巻のネタバレを含みます。また、「銀河英雄伝説」全編のネタバレを含む可能性もあります。未読の方はご注意ください
そういえば、前巻の感想記事の出だしにネタバレ警告入れてなかったですね
久しぶりに漫画感想です
作品は藤崎竜先生版「銀河英雄伝説」10巻!
アニメ感想でも「銀英伝DNT」、漫画感想でも「銀英伝」…CCさくらの感想にまで銀英ネタを使う始末、しかも今日は先日契約したU-nextの使い心地を確かめるために「我は征く星の大海」観てたり、もう私の人生「銀英伝」づくしですよええ
さて、9巻までのあらすじは
ERAIフォーク准将がお立てになった「高度な柔軟性を維持しつつ臨機応変に」帝国領に侵攻する作戦はやっぱり失敗して、ヤンは漫画でもアニメでも上層部の無能さのせいで追い詰められます
そして、裏表紙にも書いてあるように、できるだけ被害を少なく撤退しようとしてます
つまり、アムリッツァ会戦の続きです
有能な部下を多数揃えたラインハルトの軍を振り切るにはもう親玉を直接叩くしかない…!
しかし、そんな隙をキルヒアイスが、ミッターマイヤーが、ロイエンタールが…その他イケメンたちが許すかって状況ですね
そこでヤンが採った策とは
惑星アムリッツァの重力と、ホットジュピター(木星に似た、気体の大惑星でしょうかね?)の公転のエネルギーで加速して「白い戦艦」ことブリュンヒルトのいる帝国軍司令官ラインハルトの軍へ強襲します
この辺の星の重力うんたらのタネは藤崎先生のオリジナルですかね
他作でここまで詳しい解説はなかったような
少なくとも小説版では見当たりません、まさしく魔術師ヤンに相応しい恐るべき戦術です
しかし、何度も言うようにラインハルトの軍の軍は名将揃いです
「疾風」の異名をとるミッターマイヤーの迅速な対処でラインハルトの軍はすぐに立て直されます
そこへ、功を焦って飛び出してしまう艦隊がいました
ランボーみたいな外見にされてしまった、ビッテン突破!ことビッテンフェルトさん
何度見ても聞いてもこの下品な鼓舞は面白い
しかも何ですかこの「ドンドコ ドンドコ ちらっ ちらっ」って擬音は
それって要するに、美人局みたいなものなんじゃあ…と思ってしまいます
そしてよく見るとパンツ見えてますこの女神
実際、ヤンも「へえそいつは一大事」の名言(この台詞はもっと大ゴマにしてほしかったなぁ…)とともに計算通りとばかりに対処します
ただ、ここで9巻でビッテンに討たれたウランフに花が手向けられます
ウランフは「黒い艦隊」にやられた
戦闘記録から「黒い艦隊」の司令官はきっと真っ向勝負をする性格だ、とそこまで読んでしまったヤンは自分を餌にしてビッテンフェルトを釣ります
なんとまあ、色気のない下着ですが、ちらつかせられたのは事実です
ビッテンフェルトは自身の性格をヤンの罠に利用され、というかこの場合はウランフの死に意味を持たせてあげた感じで、なんとか同盟軍は危機を抜け出す隙を与えてもらえました
キルヒアイスの救援でビッテンフェルトは難を逃れたものの、完全勝利をまたしてもヤンに穢されたラインハルトは怒り狂い、「ヤンだけは逃がすな」と躍起になります
しかし、ヤンはまさかの迎え撃ち
そのさまを見てミッターマイヤーやロイエンタールも、同盟軍に恐ろしい男がいることを認識します
そしてキルヒアイスが「ラインハルトの最大の敵」と認め、皮肉にも帝国軍である彼の口から「英雄」と呼ばれます
冴えない、というよりは敗戦に沈んだヤンのバックの額縁
「英雄」と呼び、絵画や肖像にするにはあまりに浮かない顔の、ヤン・ウェンリーという人物の実像
この表現は素晴らしいと思いました
まだ若いヤンを囮にして逃げているような情けない状況に憤慨するビュコック
年齢にして現時点ではヤンはビュコックの半分くらいですかね
敵がこちらを攻撃するために機雷原に空けた穴を利用し逃げようとするヤン
これを、機雷を仕掛けた側のアッテンボローは「悪知恵」と評します
間一髪で帝国軍から逃げ切ったヤンの率いる13艦隊
しかし、
後に妻となる、フレデリカ・グリーンヒルに「流した血の量に値するだけの何かをやれるんだろうか」と、つぶやきます
こういう風に、命に責任を感じるところが、やっぱりヤンなんです
この場面、宇宙空間に人の腕と、首と脚がなくなった体が浮いているのが恐ろしく生々しいです
こういう描写を容赦しないんですよね、フジリュー先生
ヤンのその言葉を聞き、笑顔でブランデーを「たっぷり」入れた紅茶を持ってきてくれるフレデリカ
ここ、フレデリカはすごく嬉しかったんじゃないかなあ…と思ってます
惚れた男が、しかも上官が自分に弱みを見せてくれるとかもう女冥利に尽きるんじゃないかなぁ、て勝手に思ってます
そして、すでになんか尻に敷きかけているような感じさえします
藤崎先生版フレデリカはヒルダ同様、ちょっとキャラをぶっ壊されてた感があったので、自分の持ってたイメージの聡明な女性に近くなってて安心しました
軍に入る前はただのヤンオタでしたからね
一方、帝国側では、ビッテンフェルトがよろよろでラインハルトの御前に戻り、叱責されます
危うく、ミュラー、ユリアンの前に「余の前で気絶した男」の一人目になりそうなくらいふらふらでした
ビッテンフェルトの猪突のせいで完勝できなかった怒りをキルヒアイスにぶつけるラインハルト
個人的には、あれは怒っていいと思いますけどね
キルヒアイスの前では年相応のまだ「男の子」とさえ呼べる素顔を見せるラインハルト
その前に「閣下はよせ」という台詞があったり、この進言を聞き入れてビッテンフェルトを罰しなかったり、「Die Neue These」を観たばかりだと安心する展開になるのですが
オーベルシュタインが二人の友情に対する危機感を感じていたりして、じわじわと「運命のとき」が近づいてくるのが思い出されます
そして、オーディンに帰還したラインハルトを待っていたのはなんと、この世で最も憎い男の、所業に比してあまりに安らかな死でした
そのことについては、名前が出たことですし、代表して彼から伝えてもらうことにしましょう
「皇帝は後継者を定めぬまま死にました」
私この台詞大好きなんですよね
“本当に忠誠を誓った相手にだけ、敬意を払う”
これは、社会人になってから改めて「銀英伝」を観てオーベルシュタインに感じたカッコよさですね
「ディ・ノイエ・テーゼ」で聴けるのはいつになるやら
当然、先帝が後継者を決めてなかったとはいえ、皇帝の座がいつまでも空席というわけにもいかないので、もっとも皇位継承権が上の者が皇帝になるわけですが、
ここで、私的10巻最大の衝撃が来ました
はい、新しい皇帝陛下です
フジリュー先生、フォークと言い、キチったキャラ書く時はもう一切の手加減をしませんね
エルウィン・ヨーゼフ2世。ここまでおかしい子供でもなかったような
昔、銀英伝ファンの方が作成されたサイトの紹介で彼のことを「宇宙一不幸な子供」と書かれてたのを思い出しました
それにしても、ブラウンシュバイク、なんぼなんでも皇帝に「あれ」って…
気持ちは分かりますが
ともかくこんなキ印を皇帝にしておくわけにもいかないって訳で、ブラウンシュバイク、リッテンハイムの2大貴族が動き始めます
と、ここで、藤崎先生のアレンジでなんか急にすごくスポットを当ててもらえたキャラが出てきました
サビーネ・フォン・リッテンハイム(14)
なんかRPGとかでこんな姫いそう
リッテンハイムの跡取り娘にしてフリードリヒ4世の孫だそうですが、ここまでクローズアップされてるのは初めて見ました
というか、自分は存在そのものを忘れてました
ブラウンシュバイク側のエリザベートがいかにも嫌な貴族令嬢って描かれたのに対し、彼女は「まさかPTインキャラか?」くらい魅力的にされました
絶対この皇帝の孫娘、「姫様姫様姫様姫様」とか弾幕が流れる過敬動画が作られてるでしょ…
え? 皇族にそんなことするの日本だけ?
さておき、あまり仲が良くなかったはずのブラウンシュバイクとリッテンハイムがラインハルト・リヒテンラーデ(事実上ラインハルト一人)を打倒するために「リップシュタット盟約」を結びます
やってることはカッコいいのに、やってる人がカッコよくないのでいまいち映えません
左右に盾艦(たてかん、と読むそうです)を備えた戦艦「ベルリン」に乗り込んだブラウンシュバイクは、後にラインハルトにとって生涯忘れられない場所になる「ガイエスブルグ要塞」に陣取ります
あの教団絡み以外で地球の地名が偉そうに出てくるのは、私が覚えてる範囲ではこの戦艦「ベルリン」くらいです
言わずと知れた現ドイツの首都ですね 自分が生まれたころはまだ壁がありました
あとはウランフについてモンゴルに少し触れてたくらいでしょうか
また、ガイエスブルグ要塞もイゼルローンほどではないものの天体レベルの規模の要塞で後に「銀英伝」屈指の規模の戦争に使われます
って、「誰に説明してるの?」って感じの文体ですが、私の文章はこんな文章なんです
強いて言えば、まだ「銀英伝」知らなかった頃の自分あたりにこの作品の面白さを説明してる気分で書いてます
だとしたら、「なんでこんな場面を説明するんだ」と若い私は言うでしょう
戦艦ユリシーズ
「トイレを壊された戦艦」としてまさしく「汚名」をつけられてしまった艦
先生は余さず、というか、想像しただけで吐き気がするくらいそのシーンをきーっちり描いてくれました
モザイクまでかけて、誰がここまでやれと言った
さて、10巻もそろそろ終わりに近づいてきました
自分の中では意外だった、この場面の台詞カット
帝国と同盟の捕虜交換、つまりキルヒアイスとヤンの対面です
同盟の女性から黄色い歓声を浴びているキルヒアイス
この画像サイズだと読めないと思いますが、「も~っ やん提督がじゃまで見えないんだけど~っ ズレて~っ」(原文ママ)って酷過ぎると思います
まさか
キルヒアイス「形式とは、必要なことかもしれないが、馬鹿馬鹿しいものでもありますね」
ヤン「同感です」
のやり取りが無いとは思いませんでした
藤崎先生の台詞のカットと強調の基準がよく分かりません
そして、アンネローゼとキルヒアイスの、…になる会話
キルヒアイスの大きな手の、親指の爪だけがマニキュアのように色がついているのが、彼の手もすでに汚れているんだという意味合いなのでしょうか
ここから帝国と同盟、両方で内乱が起こる流れになる
しかしその片方は…、というところで10巻終わりです
私は漫画はこのように紙で買って読むたちなので、今揉めてる問題はよく判りません
ただ、こうして読んだ日に感想を文に書き起こしておけば、もしいつか画像を消さなきゃいけなくなったとしても、そのときに思ったことは読み返せるでしょう
そう思ってブログを書いています
おまけ
次巻、11巻は2018年秋だそうです
敵軍の公称をどうするか訊かれて、ラインハルトが「『賊軍』だ、はっはっはっはっは」って笑うシーンはアニメ観たとき、なぜか釣られて笑ってしまった思い出があります
Lass uns im herbest wiedersehen!

















