この記事はアニメ 覇穹 封神演義第10話「血の雨」のネタバレを含みます、未視聴の方はご注意ください
覇穹 封神演義 第10話 「血の雨」
藤崎先生版「封神演義」屈指の名場面にして、屈指の悲しい場面でもある玉鼎真人の最期を描いた回でした
ここで「封神されただけ、死んでない」なんて言うのは野暮ってものでしょう
玉鼎については、漫画でも割と急に出て、すぐに退場してしまうので出番そのものは短いのですが、アニメスタッフが彼と楊戩の関係をもっと掘り下げたかったんだろうなぁ、という印象を受けました
たしか、このブログで7話の感想にかで書いた「玉鼎真人様へ」とファンから藤崎先生に届けられた花は弔いの花です
それくらいしたくなるファンがいたくらい、悲しい展開だったんです
さておき、感想行きます
冒頭
実の父親である通天教主に捨てられたと思っていた楊戩の孤独
最初はここに泣いている子楊戩の画像を貼ってたんですが、サムネを↓にしたかったので削除
そんな楊戩に「通天教主はちゃんと楊戩を愛している」
そして、「悪人に見つからないようにできるだけいつも人間の姿でいなさい」と優しく諭す養父の玉鼎真人
幼い楊戩からすれば「自分に角があるのは当たり前で、いくら変身できてもなんで隠さないといけないの?」と不思議に思っていたのかもしれません
楊戩が妖怪本来の姿の骨のような手で三尖刀を杖にし歩きながら「人の姿を保てない」と言っていたのはこの言いつけを守ろうとしていたのかなぁ、と
ちなみに、崑崙山のまとめ役である元始天尊は、側仕えに白鶴童子(彼は妖怪仙人になる手前の「妖蘖(ようげつ)」)を置いているように、妖怪への差別意識は薄く、その思想が十二仙にもある程度伝わっているのでしょう
しかし、心のどこかで「いつか妖怪の輪に戻りたい」と思っていたのか、迎えを待つ楊戩の元に、ついに父は来てくれませんでした
精神的にも肉体的にも大人になり、「天才」と呼ばれもう自分で自分を守れるようになっても孤独は埋まりません
このあたりの心情描写はアニメオリジナル色が濃いですね
OPを挟み、場面は現在に戻ります
Abemaでの10話新放送を観る前に9話も観たんですが、一応蝉玉がいなくても話の辻褄が合うようにしている孫天君戦の続き
太公望「玉鼎…後は任せたぞ」
この辺の台詞はさすがというかなんというか…
玉鼎真人と太公望は同じ元始天尊の直弟子なので、信頼があり付き合いも長いのです
そういう信頼を「任せたぞ」の軽さに込めてる、と深読みしてしまいました
太公望役の小野賢章さん含め、軒並み声優さんも原作を知っているようですしね
孫天君「とぅぁいこうぼぅ、ゲェット」
この孫天君の嫌らしいかん高い声、松岡禎丞さんでしたか
イケメン主人公ばっかり演じてるイメージがありましたが、封神演義でも主人公を乗っ取りました
ピンチです、雲霄さん
旦那がハーレムアニメの主人公になってしまいます(この文、漫画知らない人だと訳分かりませんよね)
しかし、玉鼎は太公望が残してくれていった策を無言で読み取っていました
孫天君の本体
切れ目が入った瞬間をキャプったつもりだったんですが、失敗しました
まあ、綺麗すぎる刀傷からは血が吹き出ないといいますし、玉鼎さんの刀の腕が凄すぎたんでしょう
とにかく、本体が出てきた瞬間にはもう死んでました
玉鼎「安心しろ、もう終わっている」→「お前に比べたら可愛い悪戯に過ぎないよ」
玉鼎さん、台詞一つ一つも、居合い抜きもかっこよすぎです
トランプで本体である可能性が高いおもちゃに小さな傷をつけておき、その傷から血が滲むのを待つ、という奇策で孫天君を破った太公望たち
これ、玉鼎も来てくれてなかったらえらいことになってたような
ブイっ
割とお茶目です、さすが楊戩のお父さん
その様子を怪しげな機械?で監視している王天君とその他十天君、おそらく聞仲も見てたんでしょう
十天君って減ったら補充するんでしょうかね?
そもそも、仙人には寿命がない上に、そうそう負けないくらい強いので「減る」って発想がないのかもしれません
金光聖母「王天君、敵を討たねば!」
この人も私のかなり好きなキャラです
孫天君のように性別の概念があるのかどうかすら怪しい奴もいる十天君ですが、紅一点だそうです
彼女との戦いは個人的に封神演義のベストバウトの一つなので、今から楽しみにしています
ペテン師にはペテン師をぶつける、ってことで聞仲の許可を取った王天君が自ら動きます
実は物語的に凄く重要な、王天君と太公望の画面越しの邂逅を経てAパート終了
やっぱり9話冒頭のシーンはやらないでほしかったなぁ…「王天君がこだわってる相手は楊戩」っていうミスリードあってこそのあの衝撃の展開なんですよ
こういうふうに守ってくれる人がいる幸せな楊戩を羨み、妬み、壊そうとしてるのが王天君の行動原理、って思っておく方が自然に観れるのに、もうバラしちゃったからなぁ
四不象「わーい乗ろう乗ろう~」太公望「たわけーい!やめい!」
普段乗られてばっかりだから、何かに乗りたい願望が強いんでしょうかこのカバ
覚醒がカットされてるので本当にただの乗り物です
ペテン比べという意味では、四不象一人で行かせるのが一番王天君を驚かせるには有効かもしれません
実際にスープーが来たらどんな顔したんだろう…?
IFは置いといて、怪しげな移動用宝貝に乗って楊戩を助けに行くのは、やはり玉鼎
多分倒れてる姿の映像から人間への変化が解けかけてるのも分かったんでしょう
人間体への変化の修行にも付き合ったでしょうしね
行く前に楊戩の秘密のことを太公望にほのめかして行きます
玉鼎からの楊戩への気持ちは分かりやすいんですが、やっぱり太公望がそこまで楊戩を想うのには不自然さがぬぐえません
ワープした先にはやはり王天君が
「ほら早く持って帰んな」「そこに落ちてるぜ」
やたらめったらと楊戩をモノ扱いします
このあたりの煽り方はさすがです
何遍だって言いますが、岡本信彦さんの声、王天君に合いすぎ
王天君曰く「怖気の走る再会」
角を隠せていないので、来てくれたのが師匠の玉鼎真人と知り楊戩、安心に涙します
王天君「ただし『代金』は頂かねえとな、万引きは犯罪だぜ」
いちいち神経を逆撫でする言い回しをする王天君
ちなみに彼がごてごてとつけているシルバーアクセサリーは藤崎竜先生の趣味です
ナイフにもなんか呪術めいたこだわりを感じます
やたらとあちこちに十字架をあしらってるのは、処刑具としての意味合いですかね? これキリストが生まれるより千年位前の話ですし
これが先週の感想で私が「ネタバレ」してしまった王天君の空間宝貝、「紅水陣」
王天君「俺って格闘するタイプじゃねんだよなァ」
素敵に不敵で魅惑的かつ蠱惑的な耳元での囁き
なんとなく、「悪魔のささやき」って感じがします
楊戩「師匠! 僕を置いて行ってください!」
人間の姿を保っているだけで消耗して行っているのであろう楊戩
涙とともに必死に訴えますが、そんなことできる人ならそもそもここまで来ない
おそらく「王水(濃塩酸と濃硫酸を混ぜたもの)」クラスの溶解力を持つであろう、紅水陣の赤い雨に打たれながら楊戩を庇い進む玉鼎の心に浮かんだのは遠い日の記憶
まだ小さな楊戩を大事に抱きかかえ、楊戩が濡れないように自分が雨に濡れた思い出
長い髪が溶け落ち出口まで辿り着きます
ここで、ドサッと楊戩を地面に落としたあたりが、もう本当に限界だったんだと思わせました
そして太公望に楊戩を託し、無情にも封神台に飛ぶ玉鼎真人の魂魄
薄れゆく意識の中、自分を迎えに来てくれる人はずっと傍にいたんだ、と本当に欲しかったものをすでに持っていたことに気付く楊戩
誰がここまでやれと言った、と思うくらい悲しい親子の別れの回でした
玉鼎「見てごらん楊戩、雨が上がったよ」
だーかーらー誰がここまで涙腺を攻めろと言った
次回 第11話「虫」
雲中子ですね
「覇穹」は雷震子が出てこないのでこのタイミングで出るようです
エンドカード
血を思わせる斑点に虹色の雫のようなものが降り注いでいます
これは、楊戩の心にずっと降り続いていた「孤独」という名の雨があがったという暗喩なのかなぁ、と
めっちゃストーリーかっ飛ばすと思ったら、観たかったところは漫画以上にがっつり作りこんで来るので油断できないアニメ「覇穹 封神演義」
普賢真人とかすごいことになりそうですね
拜拜


























