最後のとき  作者不詳 吉良りん訳

赤ちゃんをその腕に抱いた瞬間から

あなたはこれまでとは全く違う人生を生きる

以前の自分に戻りたいと思うかもしれない

自由と時間があって

不安がることなど何もなかったあの頃の自分に


今まで経験したことがないほどの疲れ

毎日毎日まったく同じことの繰り返し

授乳して背中をさすり

おむつを替えては泣かれて

ぐずられて喧嘩して

昼寝をしすぎてもしなくても心配で

終わることのない繰り返しに思えるかもしれない


だけど忘れないで…
すべてのことに「最後のとき」があることを

ご飯を食べさせてやるのはこれが最後、というときがやってくる

子どもが疲れてあなたの膝で寝てしまう

だけど眠っている子どもを抱くのはこれが最後

子どもを抱きあげる

だけど降ろしたら、同じように抱っこできる日はもう来ない

夜はお風呂で髪を洗ってやる

その日からもう一人で入りたいと言いだす

道を渡るときには手を握ってくれる

だけど手をつなぐのはそれが最後

夜中こっそりベッドにもぐりこんでくる

だけどそんなふうに起こされるのはこれが最後

昼下がりに歌いながら手遊びをする

だけどその歌を歌ってやるのはこれが最後

学校まで送っていき行ってきますのキスをする

だけど次の日からは一人で門をくぐるからと言われる

寝る前に本を読み聞かせて 

汚れた顔をふいてやるのもこれが最後

子どもが両手を広げて 

あなたの胸に飛び込んでくるのもこれが最後

だけど「これが最後」ということはあなたには分からない
それがもう二度と起こらないのだと気付くころには
すでに時は流れてしまっている

だから今あなたが生きる人生のこの瞬間にも

たくさんの「最後」があることを忘れないで


もう二度とないのだと気付いてはじめて

あと一日でいいからと切望するような

大切な「最後のとき」があることを



一部意訳しています。

今日も子ども達を抱きしめましょうラブラブ

イライラすることもありますよ。

その分抱きしめましょうラブラブ音譜