第5話 冷徹の氷塊(クリスタル) 融解




~前書き~

 この物語はフィクションであり、登場する人物や団体等は実在しません。






~これまでの話~

 第1話 静寂の祝杯 三部作

   Part1 招待   Part2 検証   Part3 燃焼


 第2話 悪夢の蜃気楼 五部作

   Part1 集結   Part2 混沌   Part3 炎上
   Part4 暗転   Part5 共犯


 第3話 忘却の解放 三部作

   Part1 包囲   Part2 焦点   Part3 自白


 第4話 殺戮の救急救命 三部作

   Part1 不審   Part2 方位   Part3 阻止


 第5話 冷徹の氷塊 三部作

   Part1 氷結   Part2 凝固   Part3 融解



 第6話 刹那の閉鎖空間 九部作(予定)

   Part1   Part2   Part3 
   Part4   Part5   Part6 
   Part7   Part8   Part9 



~登場人物~

 江戸川コナン
 工藤新一
 毛利蘭
 鈴木園子

 冬島 大輔 スキー旅行に訪れた新婚夫婦
 冬島 美香 スキー旅行に訪れた新婚夫婦




~本編~



 修学旅行で長野県のスキー場を訪れた新一たち…

 宿泊したホテルで出会った冬島大輔と冬島美香の新婚夫婦…

 食堂での夕食後、ホテルの廊下で夫の冬島大輔が…

 何者かに背後から頭を殴られ倒れていた…


新一 「…犯人の目星はついている…」(心の中で)

   「…だけど、凶器は一体何なんだ!?」

   「…気になるのは、大輔さんが襲われたときに…」

   「…美香さんは大浴場へ忘れ物を取りに行っていたこと…」

   「…もしかして、そこで凶器を処分した?…」




 考え込んでいる新一に蘭が声をかける…


蘭  「ねぇ新一!」

   「新一ってば!」

新一 「何だよ!?」

蘭  「そろそろ部屋に戻らないと先生に怒られちゃうわよ。」

新一 「ちょっと待ってくれ!」

蘭  「もぉ…」

   「あれ!?」

   「私のハンカチどこいったのかしら?」

新一 「どこかで落としたんじゃねぇのか?」

園子 「蘭、一緒に探しに行こ!」

蘭  「うん!」




 食堂や玄関など、通った道を辿る蘭と園子…

 玄関先の雪の上で落ちていたハンカチを見つけ…

 新一のところへ戻る蘭と園子…


蘭  「新一!」

新一 「見つかったのか!?」

蘭  「うん、あったよ!」(安心した表情で)

   「玄関前の雪の上に落としてたみたい。」

   「おかげでハンカチが少し凍っちゃってるよ。」

新一 「あぁ、暖房の効いてる屋内と違って外は…」

   「待てよ…」

   「この寒さで凍るということは…」

   「そうか!?」(何やら思いついた様子で)

   「わかったぞ、犯行に使った凶器の正体が!」

   「犯人はあの人で間違いない!」




 未だに目を覚まさない夫に付き添う美香のそばへ歩み寄る新一…


新一 「美香さん…」

   「ちょっと話よろしいですか?」

美香 「えぇ…」

新一 「単刀直入にお伺いします…」

   「ご主人を背後から襲ったのは…」

   「奥さん、あなたですね?」

美香 「何を言うの!?」(焦った様子で)

新一 「動機はおそらく家庭内の不和…」

   「結婚してから、ご主人の態度が変わったと…」

   「見ず知らずのオレ達に愚痴をこぼすほど…」

   「あなたは悩んでいた…」

   「違いますか?」

美香 「動機があるにせよ、証拠がないわ。」

   「私が主人を殴ったという証拠でもあるの、探偵さん?」

新一 「犯行に使われた棒のような凶器…」

   「それがこの事件の鍵だったんですよ。」

   「まさかその凶器を犯人が今も肌身離さず持っているなんて…」

   「夢にも思いませんからね。」

美香 「………」(無言のまま)

新一 「そう…」

   「凶器は、ご主人の頭を冷やしているその濡れタオル…」

   「あなたは前もってタオルを濡らして、しぼった形のまま…」

   「外の雪の中に埋めて、タオルを凍らせ、凶器に使ったんだ。」

   「この寒さだと水分を含んだタオルはカチカチに凍ってしまうし…」

   「その白いタオルなら雪に埋めてもカムフラージュになりますよね。」

   「凍ったタオルが自然に解けるまで時間がかかる…」

   「だからあなたはお風呂場へ行って、タオルをお湯で溶かした。」

   「どこか間違っていますか?」

美香 「さすがね。」

   「あなたが探偵だと聞いたときから…」

   「嫌な予感はしていたのよ。」

   「全部あなたの言う通り…」

   「でも、何でかな?」

   「主人の事を憎んでいるはずなのに…」

   「いざとなったら、力が抜けちゃって…」

新一 「それは、あなたがまだご主人の事を…」

美香 「そうかもしれないわね。」(涙ながらに)




 数分後、夫が目を覚まし、幸い命に別状はなかった…

 修学旅行での傷害事件の出来事を回想していた蘭は…


蘭  「そう、修学旅行に行って事件のあったあの日…」

   「ちょうどバレンタインデーだったのよ。」

   「新一の機嫌が悪くて…」

   「結局、チョコ渡しそびれちゃったけどね。」

コナン「………」(照れくさそうに)

園子 「そうだったの!?」

蘭  「うん…」(照れくさそうに)

園子 「今は二人ともラブラブなんだからいいじゃない。」(からかいながら)

蘭  「もぉ、園子ったら…」




 このとき、平凡な日常を揺るがす大事件が起きるとは知る由もなかった…







---- 第5話 冷徹の氷塊 完結 ----





※次回作は

   名探偵コナン&金田一少年の事件簿 刹那の閉鎖空間(クローズド・サークル)

     ~寝台特急「超新星」連続殺人事件~

 をお送りします。

 Part1の公開は10月下旬を予定しています。





~Next Conan's HINT~

   二人の探偵





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