第2話 悪夢の蜃気楼(ミラージュ) 追憶




~前書き~

 この物語はフィクションであり、登場する人物や団体等は実在しません。




~これまでの話~

 第1話 静寂の祝杯 三部作
   Part1 招待   Part2 検証   Part3 燃焼


 第2話 悪夢の蜃気楼
   Part1 集結   Part2 混沌   Part3 炎上
   Part4 暗転   Part5 共犯




~登場人物~

 江戸川コナン
 毛利蘭
 毛利小五郎
 服部平次
 遠山和葉
 阿笠博士
 灰原哀
 山村ミサオ

 森上 雄三(モリガミ ユウゾウ) 森上家当主。半年前に他界。
 森上 慎司(モリガミ シンジ) 森上家の長男。
 森上 香織(モリガミ カオリ) 慎司の妻。
 森上 孝明(モリガミ タカアキ) 森上家の次男。
 森上 美幸(モリガミ ミユキ) 孝明の妻。
 森上 和樹(モリガミ カズキ) 森上家の三男。
 森上 結衣(モリガミ ユイ) 智也の妻。
 中野 慎也(ナカノ シンヤ) 森上家の執事。双子兄弟。
 中野 智也(ナカノ トモヤ) 森上家の執事。双子兄弟。
 下笠 穂奈美(シモガサ ホナミ) 森上家のメイド。双子姉妹。
 下笠 美奈穂(シモガサ ミナホ) 森上家のメイド。双子姉妹。





~本編~



 ブレーカーに何か仕掛けがされた痕跡がないか確認するコナン…


 すると、そこへ智也がやって来て…


智也 「どうしたんだい、ボウヤ?」

   「トイレはこっちじゃないよ。」

コナン「あっ、ちょっと迷っちゃって…」

智也 「案内するよ。」

コナン「ありがとう!」




 結局、手がかりをつかめないまま、智也とリビングへ戻ることに…


蘭  「あれっ、コナン君…」

   「服部くんは?」

コナン「平次兄ちゃんがどうかしたの?」

和葉 「さっき、トイレ行く言うて出て行ったんやけど…」

   「会わへんかった?」

コナン「会ってないよ。」(不思議そうな顔で)

蘭  「変ね、どこに行ったのかしら?」

コナン「まぁ、平次兄ちゃんのことだから、そのうち戻ってくると思うよ。」




 しばらく経っても平次が戻って来ず…


 和葉が携帯電話で平次に電話をかけても出る気配がない…


和葉 「おかしいなぁ…」

   「どこ行ってしもたんやろ…」

蘭  「もしかして、服部君の身に何かあったんじゃ?」

コナン「服部…」(心配そうな顔で)




 平次がいなくなり、考え込むコナン…


コナン「あの人をマークするように服部に言ってから…」(心の声)

   「服部が姿を消した…」(心の声)

   「やっぱりあの人が!?」(心の声)




 何者かにスタンガンで気絶させられた平次は…


 朦朧とする意識の中で…


平次 「ん、どこやここ?」

   「確か、あのとき…」

   「智也さんを追って…」

   「いきなり後ろから…」

   「せや、やっぱりあの人…」

   「生きとったんか…」




 一方、リビングでは…


 コナンが犯人の正体を暴こうと…


 小五郎を麻酔銃で眠らせ、容疑者全員をリビングに集めていた…


小五郎「皆さんに集まっていただいたのは他でもない…」

   「この赤羽館で起きた今回の事件の真相を…」

   「解き明かしてみせましょう。」

ミサオ「おっ、眠りの小五郎の推理ショーの始まりですね!」

小五郎「まず、車に仕掛けた爆弾で執事の慎也さんを爆死させた第一の殺人…」

   「ここで気になるのは、今も姿を現さない長男の慎司さん…」

香織 「まさか、主人が慎也さんを殺害したとでも言うの!?」

小五郎「いえ、あなたのご主人は…」

   「犯人にまんまと利用されたんですよ。」

   「おそらく犯人は、前もって慎司さんを呼び出して気絶させ…」

   「和樹さんの車の運転席に座らせ、その場から離れて爆弾を爆破した…」

蘭  「それじゃあ、まさか犯人は…」

小五郎「そう、遺体のすり替え…」

   「和樹さんの車から発見された焼死体は慎司さんだったんですよ。」

   「犯人は、爆死したと思われていた執事の慎也さん…」

香織 「じゃあ、私が見た人影はやっぱり慎也さんだったのね!」

小五郎「えぇ、彼はまだ生きている。」

   「ですよね、弟の中野智也さん?」

智也 「私が何を!?」(焦った様子で)

小五郎「いや、あなたは知っているはずだ!」

   「慎也さんが生きている事を…」

智也 「………」(無言でうつむいたまま)

ミサオ「犯人は、爆発に巻き込まれて死んだと思わせることで…」

   「慎司さんと和樹さんを殺害したというわけですね?」

小五郎「あぁ…」

ミサオ「じゃあ、慎也さんはどこに?」

小五郎「おそらく、まだこの館の中に…」

   「そして、暗闇で和樹さんが刺殺された第二の殺人…」

   「皆さんがリビングに集まっている間に…」

   「慎也さんがブレーカーを落とし、館内を真っ暗にし…」

   「ブレーカーを見に行くと言ってリビングを出た智也さんと入れ違いにリビングに入り…」

   「和樹さんをナイフで刺して、慌ててリビングを出た…」

   「さぁ慎也さん、そろそろ出てきてもらいましょうか?」




 小五郎に追い詰められ、皆の前に顔を出す慎也…


智也 「兄さん…」(諦めた様子で)

慎也 「毛利さん…」

   「確かに、私は生きています…」

   「でもそれは、車に違和感を感じて…」

   「偶然、爆発を免れたわけで…」

小五郎「それでは、あの焼死体は?」

慎也 「………」

小五郎「第二の殺人で、あなたが和樹さんを殺害したという証拠ならありますよ。」

   「暗闇で和樹さんが刺殺された直後、テーブルからグラスが落ちて割れ…」

   「誰かがグラスの破片を踏んだ形跡があったにも関わらず…」

   「館内の誰の靴からも破片を踏んだ跡は見つからなかった…」

   「とすると、残るは…」

ミサオ「慎也さん、ちょっと靴底を見せてもらってもよろしいですか?」

慎也 「えぇ、ついているでしょうね…」

小五郎「では、自分が犯人だと認めるんですね?」

慎也 「はい。」

智也 「兄さん!」

慎也 「もういいんだ…」

   「毛利さんのおっしゃる通りです。」

香織 「でもどうして…」

   「どうして主人と和樹さんが殺害されなきゃいけないの!?」




 動機が二十年前の事件にあると語る慎也…


慎也 「二十年前、父はこの森上家の執事をしていました。」

孝明 「二十年前というと、祖父の遺産相続の件でもめたっていう…」

慎也 「そうです…」

   「父を含めた何人かが殺害されたと、親戚から聞きました。」

   「たかが遺産のために、どうして父が殺されなければいけなかったのか!?」

   「それ以来、私達兄弟は、森上家に復讐しようと…」

ミサオ「毛利さん達に脅迫状を送ったのは?」

智也 「私です…」

慎也 「脅迫状を送ったのは弟だが、殺人には加担していない!」

   「警部さん、弟を見逃してやってくれませんか?」

ミサオ「それはできません。」

小五郎「二十年前に何があったか、わかりませんが…」

   「あなた達の森上家に対する復讐心が…」

   「やがてあなた達に対する復讐心に変わる…」

   「復讐心は復讐心しか生まない…」

   「殺人以外の選択肢はなかったのか、よく考えてみてください。」

慎也&智也「はい…」(肩を落として)




 事件も無事に解決し、群馬県警へ連行される慎也と智也…


ミサオ「いやぁー、毛利さんのおかげでまた事件を解決できました!」

小五郎「ん、何も覚えてない…」(心の声)




 でも、何か忘れていることに気づいたコナンは…


コナン「そういえば、平次兄ちゃんは?」

蘭  「あっ、すっかり忘れてた!」

平次 「オイ!」

和葉 「平次!」

   「もう、どこ行ってたん!?」

蘭  「心配してたのよ。」

平次 「よう言うわ、忘れとったくせに…」(苦笑い)

   「誰かに後ろからスタンガンで気絶させられて…」

   「離れに閉じ込められとったんや。」

蘭  「それは災難だったね。」

和葉 「まぁ、平次も無事に帰ってきたんやし…」

   「そろそろ帰ろうや!」




 平次と和葉は大阪へ、コナン達は毛利探偵事務所へ帰ることに…


 小五郎の運転する車のラジオからある事件のニュースを聞いていた…


アナウンサー「お昼のニュースでもお伝えしましたが…」

   「米花市内で多発する電話ボックス爆破事件の続報です。」

   「警視庁の調べによりますと、使用されたのはプラスチック爆弾で…」

   「幸い負傷者は出ていませんが…」

   「警視庁は無差別テロの可能性もあるとみて、市内の警戒を強めています。」

小五郎「爆弾!?」

コナン「犯人まだ捕まってないんだね。」

小五郎「帰ったら、警部殿に詳しく聞いてみるか。」

コナン「そうだね。」






---- 第2話 悪夢の蜃気楼 完結 ----





※第3話「忘却の解放(カタルシス)」は4月下旬に公開開始予定!




~Next Conan's HINT~

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