第1話 静寂の祝杯(ジンクス) 燃焼




~前書き~

 この物語はフィクションであり、登場する人物や団体等は実在しません。

 誕生日という祝うべき日に起こる不吉な出来事という意味合いでジンクスを当てました。
 
   ※ジンクスとは「縁起のよい、または悪い言い伝え」のこと




~登場人物~

 江戸川コナン
 毛利蘭
 毛利小五郎
 服部平次
 目暮警部
 高木刑事
 

 酒井 清一郎(60) 酒井家当主
 酒井 静恵(58)  清一郎の妻、ファッションデザイナー
 酒井 美奈(32)  酒井家長女、パティシエール
 清水 千佳(29)  酒井家メイド、美奈の大学時代の後輩
 瑞浪 健吾(63)  酒井家執事




~前回までのあらすじ~


 酒井家当主の妻・静恵の依頼で、酒井家の誕生パーティーに招かれたコナン達…

 依頼内容は毎年主人の誕生日に起きる不吉な出来事の真相を突き止めてほしいというもの…

 家族の不可解な言動や行動に不信感を抱きつつも誕生パーティーは順調に進む…

 だが、パーティーも終わりに近づいたとき、すでに書斎が火に包まれていた…

 書斎に火を放ったのは誰か!?



 第1話のPart1とPart2をまだ見ていないという方のためにリンク貼ってます(^-^)/


   第1話 静寂の祝杯 Part1 招待 


   第1話 静寂の祝杯 Part2 検証





~本編~




 執事の瑞浪から事情を聴く小五郎と目暮警部…



目暮 「ほぉ、では瑞浪さんがキッチンにおられるとき…」

   「美奈さんがケーキを取りに来て…」

健吾 「えぇ、お嬢様がケーキを切り分けているときに…」

   「私はお手洗いの方に…」

小五郎「そのとき、書斎の方に寄られたりは?」

健吾 「いえ、ほんの数分でしたので…」




 キッチン内をくまなく捜索するコナン… 


 ゴミ箱の中にクシャクシャに丸められたものを発見し…


コナン「んっ!?」

   「クシャクシャに丸まったサランラップ?」

   「中身は砂糖…」

   「しかも少しお酒の香りがする…」

   「そうか、これで犯人を特定できる!」




 小五郎の気を引き、隙をみて麻酔針で眠らせようとするコナン…


コナン「ねぇ、おじさん…」

小五郎「なんだ!?」

   「事件現場をウロチョロすんじゃねぇ!」

コナン「ごめんなさーい…」

   「でも見てよ!」

   「あそこに何かあるよ!」

小五郎「んっ!?」

   「どれどれ…」

   「何もねーじゃねぇか…」

コナン「ほら、ここだよ!」




 背後から小五郎に麻酔針を打ち込むコナン…


小五郎「ほにゃ…」




 犯人の正体を暴くために、皆をキッチンに集めるコナン…


目暮 「どうしたんだね、毛利君…」

   「皆さんをここへ呼んだりして…」

蘭  「もしかしてお父さん、犯人がわかったの!?」

小五郎「あぁ、それを今から説明する…」

   「まず、犯人がどうやって書斎に火をつけたか…」

   「警部殿、ゴミ箱の中をのぞいてみていただけませんか?」

目暮 「ゴミ箱!?」

   「んっ、中に何か入っとるな!?」

高木 「クシャクシャになったサランラップみたいですね…」

目暮 「わずかだが、ラップに砂糖が付着しておる…」

小五郎「警部殿、よーく見てください。」

   「その砂糖、お酒の香りがしませんか?」

目暮 「ホントだ!」

高木 「確かに、かすかにお酒の香りがしますね。」

小五郎「そう、それはテーブルに置かれたウイスキーの香り…」

   「砂糖とウイスキーがどういう関係があるのか…」

   「これから私が説明しましょう。」

   「警部殿はカフェ・ロワイヤルをご存知でしょうか?」

目暮 「カフェ・ロワ…!?」(横文字苦手な目暮警部)

小五郎「カフェ・ロワイヤル…」

   「コーヒーを楽しみながら飲む方法の一つですよ。」

   「コーヒーを注いだカップの上にスプーンを置き…」

   「そのスプーンの上にブランデーをしみ込ませた角砂糖を乗せ…」

   「角砂糖に火をつけて、溶けかけたところでコーヒーに落として飲む…」


カフェ・ロワイヤル


小五郎「犯人はこれをトリックに使ったんですよ…」

   「千佳さん?」

   「確か、キッチンに常備されているのは角砂糖でしたよね?」

千佳 「えぇ、まぁ…」

小五郎「ブランデーはキッチンのテーブルの上にあった…」

   「つまり犯人は、ブランデーをしみ込ませた角砂糖を何個か持って書斎へ行き…」

   「窓際に角砂糖を積み、部屋にあったライターで火をつけたというわけですよ。」

目暮 「なるほど…」

   「その方法なら角砂糖が溶けきるまで燃え続け…」

   「次第にカーテンに火が燃えうつるというわけか…」

小五郎「えぇ…」

   「ですよね?」(問いかける感じで)

   「パティシエールの酒井美奈さん?」

清一郎&静恵&千佳&健吾 「えっ!?」(全員驚いた表情で)

美奈 「な、何を言ってるんですか、毛利さん…」

   「第一私には…」

小五郎「証拠ならありますよ。」

   「さっきゴミ箱の中から出てきたサランラップ…」

   「角砂糖をラップに包んで書斎に持ち込んだとしたら…」

   「ラップにあなたの指紋が付いているはず…」

美奈 「えぇ、ついてるわよ…」

目暮 「では、犯行を認めるんですな?」

美奈 「はい…」

小五郎「これはあくまで私の推測ですが…」

   「3年前から度々起こる出来事もおそらく…」

美奈 「毛利さんのおっしゃる通りです…」

清一郎「でもなぜだ!?」

   「なぜ美奈が!?」

小五郎「それはおそらくご主人、あなたが原因なのではないでしょうか?」

清一郎「私が!?」

小五郎「えぇ、ご主人は自宅に戻られたとき、どちらにいらっしゃいますか?」

清一郎「書斎の方に…」

小五郎「いつも書斎にこもっている事が多いんじゃないでしょうか?」

清一郎「………」(無言)

美奈 「そうよ!」

   「父さんは食事の時以外、いつも書斎にこもってるじゃない!」

   「私が小さい頃からそうだった…」

   「家に帰っても仕事、仕事って…」

   「ちっとも私たちをかまってくれないじゃない!」

   「書斎なんてあるからいけないのよ!」

目暮 「それが書斎に火をつけた動機ですか…」

清一郎「すまん…」

   「私は父親として失格ですな…」

小五郎「それはご主人、あなたがこれからどう行動するかですよ。」

   「家族と仕事を天秤にかけることはできませんが…」

   「もっと家族の時間を大切にしてあげてください。」




 事件も無事に解決し、探偵事務所へ帰る途中…


 服部平次から着信が…



コナン「んっ、服部から電話!?」

   「もしもし!」

平次 「よぉ工藤!」

   「元気にしとるか!?」

コナン「あぁ…」

蘭  「コナン君、電話誰から?」

コナン「平次兄ちゃんだよ!」(子供っぽく)

平次 「なんや、今ひとりちゃうんか!?」

コナン「あぁ、それより何か用か?」(小声で)

平次 「実はな、オレん家に招待状が送られてきたんやけど…」

   「差出人の名前がどこにも書いてへんねや…」

コナン「差出人の名前がない招待状…」

   「まさか!?」





---- 第1話 静寂の祝杯 完結 ----







 次回作、第2話は2月上旬公開予定!




第2話 悪夢の蜃気楼(ミラージュ)


 毛利探偵事務所、工藤新一宅、服部平次宅へ届けられる招待状…

 死んだはずの人間が蘇り、次々と殺人を!?

 群馬の山奥の別荘を舞台に“生ける屍伝説”の謎にコナン&平次が挑む!!

 今春アップ予定!


悪夢の蜃気楼



 乞うご期待!!