心不全には、呼吸困難、息切れ、動悸、むくみ(浮腫)、体重増加などの自覚症状がある。

なかでも自分で心不全の状態(増悪)を認知・予測できる定量的な指標として「体重変化」が大事な所見となる。

自覚症状である「むくみ(浮腫)」は視覚的、体感的にわかるが体重変化は日常的に測定していないとなかなか気づかない。

あるデータによると、心不全が悪化する30日前から体重の増加が認められ、入院前1週間前からその傾向が顕著となる。
数値的には数日間で2Kg以上の体重増加がある場合には要注意と言われている。

僕の最初の入院の約1ヶ月前に体重が2Kg増えていた。単に運動不足と思っていたが、その頃はある程度の食事制限を行っていたのでなんとなくおかしいな?という程度の感覚で、まさか心不全になるとは考えてもいなかった。

肥満は、高血圧、メタボリックシンドロームなどを経て、心血管イベントの危険因子であり心不全の発症因子である。
しかしながら、あまりにも体重が減り低体重になることは心不全の危険因子であり、体重が少ないほうが予後が悪いというデータが得られている。

「水分とは無関係の6ヶ月以内に6%以上の体重減少が認められた場合、カへキシー(心臓性悪液質:Cardiac Cachexia)の可能性があり、予後が悪いケースが多い。」

カへキシー(悪液質)、ここでは「心臓性悪液質」という状態で、低心拍出量状態が長期にわたることで肝臓・消化管のうっ血による食欲不振や吸収障害のため低栄養状態となり全身の脂肪組織や骨格筋が萎縮しエネルギー消費が亢進し著しく体重が減少し心臓性悪液質の状態になり、衰弱しきった状態になる。

僕がこれまで測定してきたデータを整理してみた。

6ヶ月以内の体重変化は約16%(81.5Kg~67.9Kg)。普通であればカへキシーが疑われる。しかし、低体重の定義としてBMI指数が18.5未満が低体重とされるが、僕の場合にはもっとも体重が低下した値67.9KgでさえもBMI指数は24.1でありまだまだ標準体重にまでも至っていない。ちなみに僕の標準体重は62.1Kg(BMI=22)だ。
僕の体重が、もし50.8Kgになってしまったら低体重となり、心臓性悪液質になっているかもしれない。

(1) 心不全の栄養評価の血液指標はまだ確立されていないようだが、アルブミンにより栄養評価をすると、低アルブミン(=<3.4g/dL)の心不全患者の予後は不良であるという。

(2) コレステロールについても低コレステロール(<200.8mg/dL)は予後不良であるという。

(3) リンパ球数については予後予測因子であり低リンパ球%(<21.5%)は予後不良という。

自分の血液検査結果では、アルブミンは基準値内、総コレステロールは下限よりやや低目、リンパ球数はデータなし。

心不全の症状と体重変化の自覚症状的相関を知るため一番悩んできたむくみ(浮腫)の履歴をグラフに記入してみた。

むくみが増えてくると体重が増加している様子がよくわかる。

現在は心臓の負担を減らすことを目的に食の管理により利尿効果を高めたりデトックスによる体質改善と、入院して服用量の調整をした薬剤がうまく働いているようでむくみの発生がある程度管理できる状況になっている。

ただ、ここ数日間で体重が1~2Kg増加しているのでこれを身体からの「サイン」と認識して食生活、水分摂取、生活習慣を総点検しないと。。。

これ以上の体重増加がないことを願いつつ。。。

(参考:心不全の基礎知識、心不全ケア教本、ウィキペディア他)

体重変化