構造力学の計算問題は、


反力を求める応力を求める(応力図を描く)


という作業を行うことになります。

この応力を求める際に必要なのが、応力とは何か?ということです。
私達が扱う応力は3種類です。

軸力」「せん断力」「曲げモーメント

この3つの力を理解しなくてはなりません。



今回は「軸力」について。


まず、線材(細長い線状の材)をイメージしていただきたい。

その部材の断面の重心(図心)をつないだ線のことを「材軸」というのですが、

その軸の方向にかかる力を「軸力」又は「軸方向力」といいます。


さらに、この軸力には「+」と「-」があり、一般に、


「+」が引張

「-」が圧縮


を表します。


ここで、例を用いて説明していきます。



軸力1


ある材を図のように右方向に10[kN]で引っ張ったとします。

ただし、力のつり合い でも説明したとおり、

2級建築士の試験では基本的に、

力が釣り合っている状態(静止している状態)の問題を扱います。


上図の状態では、右方向に移動してしまいます。


静止しているためには、物体の反力と外力の合計が0とならなくてはなりません。

この場合、∑X=0をから、



軸力2



とならなくてはなりません。

(左側の力は、引っ張られる事による外力、または固定されている際の反力などのイメージです)


この状態を10[kN]で引っ張られていると考え、


10[kN]の引張力がはたらいている

+10[kN]の軸力がはたらいている


などといいます。


圧縮の場合は逆で、



軸力3



この状態を


10[kN]の圧縮力がはたらいている

-10[kN]の軸力がはたらいている


といいます。


トラス問題の解説時にもまた詳しく説明しますが、

プラスとマイナスが混乱してしまう人が多いです。



かなり、まわりくどい説明になってしまいましたが、

大学1年生やゼロからのスタートの方にも、

理解していただくことを目標としております。


基本的な部分さえマスターすれば応用問題も簡単ですので、

ゆっくり説明していきたいと思います。