静定構造力学は、つり合い条件式ですべて解けると言っても過言ではありません。
その式を示します。
∑X=0 …X軸方向にはたらくすべての力(外力+反力)の合計が0
∑Y=0 …Y軸方向にはたらくすべての力(外力+反力)の合計が0
∑M=0 …物体を回転させようとする力(モーメント)の合計が0
要は、静止している物体は、力が釣り合っているということを表した式です。
この式を具体的に立てることができれば、
2級建築士の構造力学はOKです。
では、具体的な問題を解いて、思い出してみましょう。
問題 点A,Bにおける反力を求めよ。
まず、求める反力を、わかりやすい記号で表してみます。
ここでは、
点Aにおける反力をVa、Ha、
点Bにおける反力をVb
として、下の図のように仮定します。
この反力の仮定の仕方については難しくありませんが、
後ほど説明いたします。
ここで、つり合い条件式をつかいます。
まず∑X=0。これを具体的に表すと、X軸方向にはたらく力は
点Aにはたらく反力Ha[kN]のみ。
つまり、Ha=0[kN]になります。
次に∑Y=0について。Y軸方向にはたらいている力は
3[kN]の外力と、Va[kN]とVb[kN]の反力。
これを全部足したものが0[kN]となればいいのです。
ただし、ここでは、上方向をプラスとして考えて式を立てます。
すると、-3+Va+Vb=0[kN]。
最後に∑M=0について。
ここでは、点Aまわりのモーメントについて考えてみます。
つまり、点Aを中心にしてこの物体を回転させようとする力の合計が
0[kN・m]となればよいわけです。
モーメントは、その点からの距離と力をかけたものですから、
3×2+(ー6×Vb)=0
ただし、この式は右回りをプラスとしています。
以上の式を連立方程式として解くと、
Va=2[kN]、Vb=4[kN]、Ha=0[kN]
という答えが出てきます。
初めての方は、コレだけだと説明不足だと思いますので、
後に細かいことは説明していきます。