『人間、欲の無い人間になったらおしまいです。』
-藤原銀次郎(王子製紙社長)-
この藤原銀次郎氏の言葉には、続きがあります。
『欲の出しすぎはよろしくないが、
欲の無さ過ぎもこまりものです。
欲が無いのは大変きれいに聞こえますが、
その実、骨を折ることが嫌い、精を出すことが嫌いで、
つまり、人間がナマケモノの証拠です。』
というものです。
私達は、お金や、地位や名誉というものに対して、
矛盾した思いを持っていることが少なくありません。
お金や地位や名誉などを純粋に欲しいと思う
気持ちを持ちながら、そうしたものを追うことは、
良くないという価値観や信念を社会的に
刷り込まれているからです。
例えば、時代劇やドラマ、映画の悪役は、
大企業の社長やお金持ちであることが
少なくありません。
もちろん、そういう人も中にはいるのかも
しれませんが、一般の人がTVなどで目にする
お金持ちの事例は、大抵悪いこと、ずるいことを
している人ばかりで、最後には罰せられてしまいます。
また、相続やお金が原因のトラブルを
題材にしたものも少なくありません。
お金に対して、ネガティブな信念を
作り出す物はたくさん思い当たりますが、
ポジティブな信念を作ってくれるような
昔話や、ドラマは、個人的に思いつきません。
また、親や先生から言われることも、
お金に対して、ポジティブな連想を生み出す
ようなものではなかったのではないでしょうか?
もちろん、強欲になりすぎて、人を傷つけたり
犯罪を犯すことは良くありませんが、
一般に目にするお金に対する信念を構築する
物語のバランスは、ネガティブな方に傾きすぎて
いる気がします。
その結果、本質からずれ、お金自体やお金を稼ぐ
ことに対する悪い連想を無意識に作り出して
しまいかねません。
しかし、現実世界では、生活していくうえで
お金は必要となってきますし、良い生活をしようと思えば、
お金は必要になります。
また、自分だけでなく、誰かを助けようとか、
社会に貢献しよう、世の中をもっと良くしよう
というときも、お金があった方が簡単な事は
少なくありません。
そんな中で、お金に対してネガティブな連想を
たくさん抱えたままで、お金を稼ごうとするのは、
ブレーキをかけたまま、車のアクセルを踏み込もう
とするようなものです。
その結果、誤った信念がブレーキとなり、
無欲であることが良いことのように思い込み、
自己正当化しようという機能が働いている
のかもしれません。
しかし、無欲になるということは、
自分がもっと幸せになりたい、誰かを幸せにしたい
という欲まで殺してしまいかねません。
欲=お金
にフォーカスされがちですが、お金とは、本来、
自分が幸せになる、そして、誰かを幸せにするための
ツールでしかないのです。
そう思いませんか?
もし、そうだとしたら、お金に対する誤った信念、
過剰な信念は取り除いておいたほうが良いかもしれません。
少なくとも、自分がどんな信念を抱いているか
確認しておく事をおすすめします。