神戸新聞杯で2着だったネーハイシーザーは、ビワハヤヒデへの雪辱を誓いつつ、ついに目標だったクラシック最後の舞台へと駒を進
めた。神戸新聞杯での圧勝が評価されたビワハヤヒデは、春のクラシック馬2頭を抑えて圧倒的な1番人気に支持された。だが、神戸新聞杯でそのビワハヤヒデ
に食い下がったはずのネーハイシーザーは、本質的には中距離馬であり3000mは長いと思われたのか、ビワハヤヒデとは遠く離れた8番人気の評価でしかな
かった。
とはいえ、春のクラシックには間に合わなかったネーハイシーザーにとって、菊花賞は生涯1度だけのクラシックの晴れ舞台であり、無様な競馬はしたくな
かった。さらにネーハイシーザー自身も、これまでに2度、8番人気を覆して優勝したこともあるから、人気がないと走らない、ということはない。しかし、競
馬の神は、ここでネーハイシーザーに残酷な試練を与えた。
この日のネーハイシーザーは先頭から少し離れた4、5番手を追走した。これまではたいてい逃げるか、逃げ馬にかなり近い2、3番手あたりでレースを支配
しうる位置につけてきたネーハイシーザーにとって、これはいつもよりもかなり後ろの位置にあたる。作戦ならそれでいいのだが、塩村騎手はなんとか前に行か
せようとしたのに、馬がまったくそれにこたえなかったのである。この日のネーハイシーザーは、スタート直後から何かがおかしかった。
それでも先頭から4、5番手なら、一般的には「好位」といえる。ネーハイシーザーはこの位置のままで2周目の第2コーナーあたりまでやってきた。