オグリキャップのライバルにタマモクロスという馬がいました。
この馬は家族規模で経営していた小さな牧場で生まれたのですが、当時この馬の母グリーンシャトーにどの種馬をつけるかで意見が判れていました。
自分の配合理念を信じシービークロスという高級種牡馬を希望した牧場長(一家の父親)と、牧場の経営を考え手頃な価格で安定を望んだ彼の父親(先代)や家族。結局、牧場長は周囲の猛反対を押し切りシービークロスを選択。
そうして生まれたのがタマモクロスです。
タマモがデビューして1年程あまり活躍はできませんでした。
彼は「ほら見たことか」と周囲に非難され、ついには彼の牧場は経営難の為倒産。彼は日雇い労働者として都会に出稼ぎの身になりました。
タマモは遅咲きの名馬でした。
皮肉にも彼の牧場が倒産した後、重賞・GⅠの連勝街道をまっしぐら・・・。
けれど、タマモの勝利の表彰台の生産者の壇上は常に無人でした。もし、タマモがもう1年早く走っていれば・・・。
しかし、輝かしいタマモクロスの勝利を彼は常に観客席で誇らしそうに見つめていたそうです。